2017年5月6日

全日本選手権6日目(最終日)

11ラウンド目。黒。M君。Scandinavian。


数えきれないくらい似たようなポジションを経験してきたはずですが、今日ほど深く読んだのは初めてかも。例えば、上の局面ですぐにキャスリングした後に d5 を突かれると、11...O-O 12.d5 Nxd5 13.Nxd5 Bxg5 14. Nxg5 と進む可能性があり、

そうすると白の g5 のナイトと d3 のビショップの位置がすごく良いです(ちなみに、ここまで駒を動かさずに頭の中で考えるのは私にとっては至難の業です)。この駒の配置は自分に不利なので、キャスリングする前に 11...h6 12.Bh4 を挟んでおきました。そうしておくことで、同じような駒の交換をした場合、ナイトは g5 ではなくて h4 にいることになります。また、考えすぎかもしれませんが、...h6 を突いておくと、後々 Bxh7+ が出来なくなるかもしれません(ポーン取りのないただの Bh7+ になる)。

全国大会はブリッツのような読みの浅さでは勝てないし、基本的に当たる人は全員自分より強いのでいい加減な読みだとどのみち負けます。なので、自分に出来る最大限の読みを試みました。その代わり、上の局面でもう30分以上使ってしまいましたが。


白クイーンに e4-a8 の斜線を使わせたくないという意味では、17...Bxe4 よりも、17...Bd5 の方が良いと感じていました(Fritz も同意してくれました)。しかし、まだ17手目なのに持ち時間はもう残り数分。読まねばいけない手が少ない方の 17...Bxe4 を選んでしまいまいした。次の白の手は 18.Qxe4 ほぼ一択でしょうから。


24手目から残り時間が1分くらいになり、上の局面で時間切れ負け。仮に時間がまだあったとしても、もう負けは濃厚です。
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今大会は自分のベストを尽くせたと言えるゲームが幾つかありました。言い換えると、自分に可能なかぎり正確に頭の中で読むように心掛けた、ということです。過去の大会でも時間はかなり使うことはありましたが、今回ほど深くは読んでいません。

成績は1勝9敗1BYEとひどいですが、ほとんどのゲームで自分の最善を尽くせているのであまり精神的ダメージはありません。

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