2019年5月19日

世田谷チェスリーグ2回目

1回目は2ヶ月前で、その続きです。次回の3回目は約2ヶ月先です。

タイムコントロールは60分+30秒/1手。

3ラウンド目。白。Fさん。Modern。


序盤はこんな感じでした。黒がキャスリングしてくれる Pirc と違ってどこにフォーカスすればいいのか分かりにくい構造です。


この後、黒は 20...Qxb4 でポーンを取り返すと読んでいました。その後、もし 21...Nc4+ をされるとピンで 22.bxc4 が出来ないのでどうしようか考えていました。ところが、黒がここで指してきたのは 20...Nc4+!。

え、いきなりですか ... ナイトをタダでくれるはずがないので黒は勝ちを読み切っているに違いないと感じました。しかし、それでもこのナイトは取らざるを得ません。取らずにクイーンを取らせたら読むまでもなく負けですから。21.bxc4 Qxb4+

22.Ka2 Qa5+。ここでリザインしました。どこに逃げても 23...Rfb8+ と 24...Qa1+ が強烈だし、ルークのチェックを防ぐためにナイトが動けばクイーンが落ちますから。20...Nc4+ のような大技を喰らったのなら負けても諦められます。

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4ラウンド目。黒。Kさん。Scandinavian。


12...Bxf3 の後、13.Bxd6 Bxe2 なら黒の方がいいので、白はビショップかクイーンのどちらかで取り返すはずです。その際に 13...Qxd4 をして大丈夫か確認していました。そのポーンを取るのがいいか悪いかは別として自分より強い相手と戦う場合(まあ、私の場合、自分より弱い相手に当たることは滅多にないのですが)こういうリスクは取らなければアドバンテージを取れるチャンスはほとんどありませんから。で、14.Rfd1 には 14...Qc5、さらにビショップかナイトで追いかけられたら 15...Qf5 に逃げるつもりでした。ところが、実際には 12...Bxf3 13.Bxf3 Qxd4 14.Bxc6+

想定外の手でポーンを取り返されました。こういう手を指されると「あ、やっぱり自分より格が上だ」と実感します。


16...Nd5 はおそらく白が交換してくれると見込んで指しました。交換してくれれば、孤立したcポーンを隣のファイルに連結できると考えたからです。17.Nxd5 cxd5 18.Qa4+

狙い通りにポーンを連結することは出来たのですがキャスリングが出来なくなってしまいました。ナイトを動かす前は c6 にポーンがいて Qa4 はチェックにならないので、見落としました(この手のミスは防ぐのが難しいです)。


ここでこのゲームで一番後悔する手を指しました。キングがdファイルに寄ればe6のポーンを守れることは分かっていたのですが、48.Kb5 を許してしまうとaポーンが落ちて負けると直感が告げていたので盤面からポーンを減らす 47...e5? を。48.fxe5 fxe5 49.Rxe5 Rxa3

この時点だとポーンの数は同じですが、gポーンは守れません。


ここが最後のドローのチャンスだったようですが、

がベストで評価 0.00 と言われても、62...Kc8 なんて私レベルの普通の人間が指せる手だと思えません。実際はhポーンのプロモーションを止められずに負け。
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前回と合わせて2勝2敗。

2019年5月4日

全日本選手権5日目

9ラウンド目。白。Tさん。Pirc。


通常ならもっと早く Nf3 を出しているのですが、手順の関係で出さずに済んでました。1手得した気分だったので 6.Nf3 をすっ飛ばしてより攻撃的な 6.Bh6。コンピュータには inaccuracy 扱いでした。実際、6...e5 を指されて d4 のポーンを守れるような手が必要となります。展開を終えてないのに攻撃を始めるなってことを学習してませんね。


20.Rdh1 で missed win(勝ちを逃した)という珍しい評価コメントが出ました。20.Nef4 がベストらしいです。それも考えたのですが、21.Nxh5 とした後に ...Qxh3 をされるのが怖くて指せませんでした。しかし、20.Nef4 の後に黒の手を飛ばしてすぐに 21.Nxh5 と出来るのであれば、21...Qxh3 に対して 22.Ndf6+ Kh3 23.Qh6# があるので大丈夫なようです。


22...Qa1# があるので 22.Nxe8 をしている余裕はありません。22.c3 を考えましたが、mate threat の可能性を消したいと思って本譜は 22.Qc3。しかし、ベストは 22.c3 だったし、相手もその方が困る手だったそうです。


困る手が来ました。...d5-d4 とポーンを突かれて c3 のナイトがいなくなり、...Rxc2+ を喰らって h2 のルークが落ちるのが一番困るパターンです。c3 のナイトを守れないなら代わりに相手のナイトを取ってやろうという 28.Rg4 を指し、28...d4 29.Rxf4 dxc3+ と続きました。


b4 のナイトを逃がすような手を指すと予想していたのに、ポーンを突かれて焦りました。観戦していた人に「いかにも動揺していた感じ」と言われましたがその通りです。ここで勝つのは諦めてパペ(perpetual check)を狙う作戦に変更しました。そのために、7段目にルークを2つ並べ、f3-f4 で相手キングの逃げ道を防ぐことを狙います。


プロモーションはされましたが、とりあえず自分の狙っていた配置にはできました。ただ、私には黒キングにパペを逃れられるのかどうか読み切れません(こういうのを読むのは苦手です)。幸い黒は4回目のチェックで諦めて threefold にしてくれました。Exchange down した時点で負けた気分だったからドローでもいいやと思ってくれたらしいです。本当は黒キングは d4 経由で逃げられるんです。助かりました。
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10ラウンド目。黒。Aさん。English。


オープニングはめっちゃ考えて指しました。まずは、7ラウンド目で嫌だった白の Bg5 を避けるために ...Nf6 をあえて遅らせて 4...Be7 5...c6 を先に出し、6.e3 を待ちます。

次は h7 を狙う Bd3 を防ぐために 6...Bf5。7.Be2 にして欲しかったけど、7.Bd3。以前 似たような形で ...Bg6 と下がって Bxg6 hxg6 で hファイルが開くこと期待した際、白に Ne5 を指されて面白くなかった経験からすぐに 7...Bxd3 8.Qd3。次は Ne5 をやりにくくするために、...Nf6 より先に 8...Nd79...Qc7 を。

こんな感じでじっくり考えて指していたらオープニングだけで30分使ってしまいました。あとでタイムトラブルの原因になってしまいますが、このじっくり読むという行為は訓練としては非常によかったと思っています。しかし、こういうことを大会だけでなくほぼ毎日やってないと今より強くなれないと思います。サラリーマンには無理ですが。


これで一旦自分が目指した配置に出来ました。評価 -0.49 なので黒としては成功でしょう。このあと10手くらいはこの状態を維持していました。


残り時間が少なくなってきて読みが雑になってきたところでブランダー。次の 28.Qg4 が mate threat になり、ルークに当たることを見落としていました。28...Rxe5 は避けられません。こうなってしまうともうダメです。パペを狙うも許してもらえず、時間がなくてクイーンをただで献上してしまってリザイン。
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結果、1勝8敗1分。全敗は避けられたものの最下位です。

2019年5月2日

全日本選手権4日目

7ラウンド目。黒。Iさん。Engish。

Twitterで名古屋大学チェスサークルのアカウントをフォローしているのですが、その部員に会ったのはこれが初めてです。


オープニングでは手損しないように気を付けているのですが、私が指した 6...Bb4 は結果的に 7.Qb3 で ...Be7 に追い返されたので、それだったら最初から 6...Be7 の方が良かったと後悔しました。なお、彼いわく別のゲームで同じような展開になった際にその時の相手(私より格上)は ...Be7 だったそうです。


h7 を守るために 14...g6 としました。h5 のナイトの行き先の選択肢が増えたし、これなら白の白マスのビショップが怖くないと思ったですが 15.Nxc5 を喰らいました。これで1ポーンダウン。


終盤は1ポーンダウンのポーンのエンドゲーム。55.Kc6(上の図) Ke8 56.Kd6 Kf7 57.Kd7(下の図)

たまに私よりもレーティングが高くてもこのようなエンドゲームの勝ち方を知らない人もいるのですが、彼の手は明らかに勝ち方を知っている手順でした(この後は 57...Kf8 58.Ke6 Kg7 59.Ke7 で次にf6のポーンが落ちます)。なので、ここでリザイン。
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8ラウンド目。白。Tさん。Colle。

ゲーム後に聞いたらチェスを始めてまだ1年未満で将棋もやってなかったそうです。愕然としました。私がそれくらいの時は駒の利きが見えておらず駒をポロポロ落としていたと思うのに、彼はきちんと把握していました。しかも、話を聞いている限り読むのは私より速いです。例えば、

私はこれで ...Ne4 を完全に封じたつもりでいました。ところが、しばらくして以下の局面で 17...Ne4 が跳んで来ました。

18.Nxe4 dxe4 19.Bxe4 Bxe4 20.Qxe4 でポーンアップかと思いきや、それだと 20...Qxc2 があり黒の方が良さげです。仕方なく 18.Rac1


上が最後の局面。黒はここでリザイン。
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勝ったのにまだ最下位です。単独最下位ではなくなっただけ。

2019年5月1日

全日本選手権3日目

5ラウンド目。白。Mさん。Anti-Colle。


...g5 を突かれた場合のナイトの逃げ場所を作る必要があるので、7.g4?。7.f4 だと 7...Ne4が嫌だったのですが、7...Nxg4 でミスったことに気付きます。


18.O-O-O?。指してすぐブランダーだと気付きました(次、18...Nxb4)。何度もブログで書いてますが私は頭の中で局面を思い浮かべられないから実際に駒を動かすまでこういうのを見つけるのが難しいんです。


このゲームは他にも恥ずかしい見落としが多く、ピースを取られ、ナイトフォークも喰らいまた。そして、上の局面で 34...Rxg4 でリザイン。ここ最近のゲームで一番ひどいゲームだった気がします。
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6ラウンド目。黒。N君。Scandinavian。


白のd2のビショップは動けないと思っていました。黒のビショップがナイトを取ったらキングの前が開くから守りに徹するだろうと。なのに、16.Bg5。ちょっと感動しました。駒を取り合うと黒が負けるんですね。仕方なく16...Be7


ここらへんはお互いに1分未満。39.Qxa5 は取られるまで気付きませんでした。時間がなくても相手の方が冷静でした。


使っているクロックは40手に到達しても自動的に30分加算されるわけではないので、恐る恐る30分が足されるのを見ていました。それを見て安心した途端にブランダー。42...Nc7? は白のナイトが鬱陶しいから交換しようとした手で、43.Rd7 があるのをすっかり忘れました。ここから3手指してリザイン。
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0.5ポイントしかない自分が単独最下位になってしまいました。驚かないですが、悲しいです。