2013年6月22日

8x8の大会

1ラウンド目。15分+10秒/手。白。初対局のYさん。Pirc。せっかくh ファイルが気持ちよく開いたのに活用できず。



上記の局面よりまだ約20手は続くのですが棋譜が判読不能。中央のポーンをもぎ取られ、ポーンが3つ進んでくるのを止められず、負け。

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2ラウンド目。15分+10秒/手。黒。Hさん。Queen's Gambit Declined Cambridge Springs variation。このオープニングは白が手順を間違えるとマテリアルダウンになるケースが多いので使っているのですが、案の定(?)9手目でピースアップ。しかし、勝ちの手を模索するも時間を食うばかりで良い手は見つからず、結局大して意味のない手を指すばかり。


上記の局面で私の持ち時間が残り2分で、これより先は棋譜が判読不能。約20手後に時間が切れて負けました。

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3ラウンド目。ここからタイムコントロールが変わります。45分指し切り。黒。Aさん。Scandinavian。私には10分くらい持ち時間が残っていましたが、相手は時間切れ目前。

8/8/8/8/3n4/5kp1/6N1/6K1 w - - 4 60
3~4回ドローオファーをされましたが、すべて却下して時間切れ勝ち。これが論理的にドローだと分かっていれば受けたでしょうが、本当のところはどうだったのでしょう。今調べたところ、白が間違えなければドロー、間違えたら負けのようでした。

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4ラウンド目。45分指し切り。黒。Hさん。English。せっかくナイトフォークでピースアップしたのに、ブランダーでピースを返しました。私は他にも相手に気付かれなかったブランダーをしていたのですが、最後は相手の緩手で勝負がつきました。

3q1k2/p4npp/1p2Bp2/2p2P2/4Q3/6P1/P6P/7K w - - 4 37
ここで白に 37.Qb7 を指されたら困るなと考えていましたが。本譜 は 37.Qe1?。ここでtacticsが見えました。37...Ng5。私の方がポーンが2つ多いのでさらにポーンが落ちそうなビショップの交換は避けるだろうと読んでいました。38.Bc4 Qa8+
39.Kg1 Nf3+ は避けれません。白リザイン。

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5ラウンド目。45分指し切り。黒。初対局のKさん。Scandinavian。

3r1rk1/3nbppp/p2qpn2/1p6/2pPN3/PB1QBP1P/1PP2P2/R3R1K1 w - - 0 16
ここから乱打戦気味。16.Nxd6 cxd3 17.Nxf7?!。怪しい手ですが 17...Kxf7 18.Bg5 Kg6 19.Rxe6 と白は initiative をとり、ルークをgファイルに回し、ビショップ・サクリを入れてきました(取ると詰むので取れず)。その白の攻撃が下火になったところでようやく反撃開始。ナイトフォークが入ったところで白リザイン。


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今回の大会ではメールやtwitterでのやりとりしかなかった人達に会えたことが収穫でした。

2013年6月19日

近況

6月15日に書いた『Practical Chess Exercises』を用いたトレーニングですが、とりあえず10日間は続きました。本を毎日持ち歩くのは億劫ですが、iPhoneで以下のように解答を隠して写真を撮ればいいことに気づきました。これで自作の電子書籍になります。



Chess.comの大会ではいつも締め切りギリギリに指しています。しかし、相手は結構すぐに手を返してくるのでいつまで経っても自分の番ばかり。で、トーナメントの状況を見てみたら、以下のように自分(scandinavian_blitz)が足を引っ張っているような構図になっていました。マナー違反ではないでしょうが、ちょっとプレッシャーを感じます。


2013年6月16日

『ダークゾーン』


山田風太郎の『甲賀忍法帖』に似ているというtwitterのつぶやき(紹介)がきっかけで『ダークゾーン』という小説を図書館から借りて読みました。人間が将棋やチェスのような駒となって強制的に戦わせられることになるお話です。

チェスの駒が表紙に使われていますし、プロモーション等のチェスの用語がちょこちょこと使われていますが、一番驚いたのは minority attack という単語が使われたことです。チェスのルールを覚えるためにチェスをかじる程度だけではこのような戦略に関する単語を使える域には達しないと思うので、著者の貴志祐介自身がかなりチェスを知っているか、チェスプレーヤーに小説に使えそうな題材をいろいろとヒアリングしたとしか思えません。

主人公は奨励会のメンバーで将棋のプロになることを目指していますが、前途多難です。つい、最近話題のチェスのIMノームと比較してしまいますが、この小説を読むかぎりでは将棋で四段(プロ)になることの方が厳しそうでした(GMノームだとこのくらいでしょうか?)。残念だったのは主人公の置かれている立場や言動等が私とあまり似ていないことです。そのせいで本来ならば苦しい悲しい境遇であってもあまり共感できませんでした。

先が気になって読み浸ってしまうだけの面白さが私にはありましたが、現実離れした設定はきっと万人向けではありません。この本が好きかどうかは最初の数ページでだいたい分かります。これからこの本を読む人がいるなら、舞台となる軍艦島の写真を見ておくこと(Googleで画像検索、等)をお勧めします。

2013年6月15日

Practical Chess Exercises


Ray Chengの『Practical Chess Exercises』は今月の武蔵野の大会で賞品としていただいた本です。特徴は、問題の種類や難易度がランダムなこと。メイトや駒得を狙えるような問題ばかりではなく、守りが必要だったり、ポジショナルな手が正解だったりします。Lev Alburtの『Chess Training Pocket Book』と似ていますが、違うのはこちらの本はアマチュアのゲームを題材にしていることでしょう。

Shin Uesugi's Pageの初級者ガイドでも触れられていますが、私も最近紙媒体の問題集を使い、相手の応手も自分で考える方がトレーニングとしては良いのではないかと考えていたところです。なので、少なくとも一日一問を解くようにしています。三日坊主で終わる気がしましたが、とりあえず一週間は続きました。きっとこの本を終わらせることはできないでしょうが、当面はこれを頑張ります。

2013年6月9日

小島君によるレクチャー&サタデートーナメント

レクチャーのテーマは“バックランク”。見覚えのある局面もありましたが(Reshevsky - Fischer は Paul Littlewood の『chess tactics』という本に載っていました)、正解を覚えていないどころか思い出せなかったのが悲しいですが、そもそも人間は一度見たり聞いたりしたことを100%を覚えているわけではありません。だからこそ、こういうレクチャーに繰り返し参加して脳に覚えさせたいと考えています。


[Event "Thessaloniki"]
[Site "Thessaloniki"]
[Date "1988.??.??"]
[Result "1-0"]
[White "Judit Polgar"]
[Black "Pavlina Angelova"]
[ECO "B31"]
[PlyCount "33"]

1.e4 c5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 g6 4.O-O Bg7 5.c3 e5 6.d4 exd4 7.cxd4 Nxd4 8.Nxd4 cxd4 9.e5 Ne7 10.Bg5 O-O 11.Qxd4 Nc6 12.Qh4 Qb6 13.Nc3 Bxe5 14.Rae1 Bxc3 15.bxc3 Qxb5 16.Qh6 Qf5 17.Qxf8+ 1-0


Judit Polgar が13才の時のゲームです。図は14.Rae1の直後。14...Bxc3 15.bxc3 Qxb5 とマイナーピースをサクり、さらにその先のフィニッシュまで読み切った一手です。私は16手目まできてもどう終わらせられるのか分かりませんでした。このレベルまでくるともうバックランク云々ではなくて、勝ちまでの手順を見つけ出して頭の中でそれを検証する能力の高さを問われていると実感しました。できることならば、そういう Visualization のスキルを鍛えたいですが、良い方法が分かりません。

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1ラウンド目。白。初対局、Mさん。Colle。せっかく exchange up したのにルークが動けずいないも同然。



まったく役に立っていないルークだったので仕方なくポーンと交換してしまいました。負け。

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2ラウンド目。黒。初対局、M君。Scandinavian。


こちらの弱いcポーンを守りつつ、相手の弱点であるdポーンをかすめ取る方法を模索していました。そこで指した手が 21...Nb4?? 22.Qh7#。恥ずかしすぎ。


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3ラウンド目。黒。Hさん。Scandinavian。



...Nc6 によるナイトフォークを回避することしか考えていませんでした。そして 19...Rd6? 20.Qxa8+。眠いわけでもないし寝不足というわけでもないのにゲーム中頭が少しボーっとしてましたが、まさかこんな見落としをするとは。帰宅後、体温を測ってみましたが微熱すらありませんでした。風邪を言い訳にするのは無理なようです。ただ単に“集中力が欠けてる日”だったのでしょう。

2013年6月1日

武蔵野の大会

1ラウンド目。白。Oさん。1.d4 d5 2.Nf3 Bg4 で始まりました。以下の局面で黒が間違えます。
2kr1b1r/ppp5/7p/4P1p1/3PQ3/2P2p1q/PP1B1P2/1K1R3R b - - 1 24
24...Qg2? 25.Be3。次に 26.Rdg1 で黒のクイーンの逃げ場がありません。勝ち。

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2ラウンド目。黒。結果的に優勝したRさん。存在自体は知っていたけれども経験したことのない QGD Campbridge Springs var のライン。最後はタイムトラブル中に以下のピンを喰らって2手後にリザイン。



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3ラウンド目。白。Kさん。なんと1ラウンド目と同じ 1.d4 d5 2.Nf3 Bg4。途中は1ポーンダウンでしたが、やっとそれを取り返したところで(以下の局面)相手がやる気を喪失したらしくリザイン。



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4ラウンド目。黒。Sさん。Queen Pawn opening。途中で拾った2ポーンを残したまま盤上からピースが消えていったのであまり難しくないエンドゲームになりました。

勝ち。

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今回いただいた賞品はこちら。賞品の中で一番欲しかったものなので嬉しいです。