2014年9月17日

チェスプレーヤーの喫茶店

今日は Café Goto に行ってみました。私のホームページ のリンク集のページの一番下にも書いてありますが、ここのマスターはチェスプレーヤーです。

場所は早稲田駅の出口3bを出て早稲田通りを渡ったところ。サブウェイと同じビルの2階にあります。← このことを知っているかスマホがあれば探すのは比較的簡単です。ここに来る直前に眼科にいた私は目の検査のために使用した目薬の影響で近くの字が読めない状態でしたが、それでも見つけられるほど駅に近いです。


その時はメニューが読めない状態だったのでマスターのお勧めを聞いてシナモンミルクティーにしました。これは大正解で、想像とは異なる味でした。表現するのは難しいですが、シナモンが自己主張しておらず、上品なフレーバーを持った紅茶の品種に変身した感じ。

ケーキはすべてこの店内で焼かれています。評判が良いからでしょうが、ケーキをテイクアウトで買いに来るお客さんもいます。メール等で注文して全国に届けることもできるそうです。

チェスの話もいろいろしましたし、ペトロシアンが来日した時の写真とかも見せていただきました。残念に感じたのは今年のゴールデンオープンの閉会式で「今年はオリンピアードと重なったためジャパンリーグは開催しません」と聞いたため、会報に載っていても実際にはないものと考えて見送ってしまったという話です。私は twitter 上に流れるチェスプレーヤー達の “つぶやき” を通じてジャパンリーグが開催されることを知りましたが、そうでなければJCAのホームページで明確な前言撤回宣言があった方が分かりやすかったでしょうね。

棚の上に入賞記念の盾が飾ってありますが、あれがすべてではないそうです。チェスの勉強はしているそうですし、以前ナカムラ・ヒカルのブログでマスター級の腕前と書かれたくらいなので、これからも盾は増えるでしょうね。機会があったらまた来ようと思います。早稲田まで来られた方は是非!

2014年9月16日

クラブ選手権2日目

4ラウンド目。黒。慶応大学OBのSさん。Scandinavian。

2r5/4kpp1/3pp3/1p5p/1N1P1P2/pPrR2P1/P1P1K2P/8 b - - 7 35
残り時間約1分。ルークを交換して exchange up をキープするという選択肢もありましたが、相手に孤立ポーンがあるポーン・エンドゲームの方が分かりやすいだろうと判断して 35...Rxc2+ 36.Nxc2 Rxc2+ 37.Rd2。プランとしては悪くはなかったのでしょうが、いかんせん時間がありません。
いろいろ間違えたと思います。例えば、ここは 43...e5 も考えましたが(そっち方が良かったでしょう)実際は 43...Kc3。お互いにプロモーションできてすぐに合意のドロー。

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5ラウンド目。黒。麻布OBのS君。Slav。


こっちは基本に忠実に展開を優先しキャスリングもしたのに、ポーンをガンガン突いてきて展開を遅らせている相手よりも苦しいってどういうこと?たしかに小さいミスを幾つかしましたが、悲しいほど身動きがとれませんでした。ちょっぴり納得のいかない負け。
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6ラウンド目。白。慶応大学AのOさん。Anti-Colle。

r2q1rk1/3n1pp1/2p5/p2p1QpP/1b1P2P1/4P3/1PP1B3/1K1N1R1R b - - 3 26
このゲームの最後の攻撃はタクティカルなミスがないか慎重にドキドキしながら指してました。ここは局面図をいつもより多目にします(当社比2.5倍)。上の図の 26.Be2 は Be2-d3 と Qf5-h7# の準備です。26...Nf6 27.h6

このポーン突きはナイトがf6にいる時の方が効果があります。私の予想はキングを守るために 27...g6 でナイトを捨ててクイーンも交換して攻撃を緩和する手でしたがハズレました。27...Be7 28.hxg7

キングで g7 のポーンを取ったら Qxg5# で即死です。28...Re8 29.Qxg5 Nh7

30.Qh6 f6 31.Qxh7+ Kf7

32.g8=Q#。このラウンド、実は私個人だけでなくチームとしてもありえないほどのアップセットを起こしていました。


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個人の成績は3勝2敗1分、チームは4勝2敗で4位グループに食い込めました(厳密には7位らしい)。

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大会の写真は明日ホームページにアップする予定。

2014年9月14日

クラブ選手権1日目

今年も声をかけてくれた札幌チェスクラブから出場。私は2番ボードです。

1ラウンド目。白。東京大学BチームのH君。Anti-Colle。

レーティング800はいくらなんでも嘘でしょう。相手のキャスリングの権利は奪いましたが、そこから先どうしていいか分かりませんでした。が、この局面から相手が2手続けて間違えてくれたのでマテリアルで優位になりました。その差をキープして勝ち。

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2ラウンド目。黒。東北大学AチームのT君。Slav。

rrq5/p2kbpp1/2p3p1/2Pp4/Q3n3/B3P2P/P3BPP1/2R2RK1 b - - 10 22
22...Bf6?? 23.Bg4+ を喰らい「やってもうた!チームメイトの皆さん、ごめんなさい」状態でした。23...Kc7 の後、すぐにクイーンを取らずに 24.Qa5+ を挟んでこっちのルークまで取りにくるあたりに格の違いを感じました。負け。

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3ラウンド目。白。東北大学BチームのH君。彼の入賞を何回か見てきたので、弱気な私は戦う前から負ける気がしていました。Pirc。

g2のポーンは駒の取り合いの後のポジションが正確にイメージ出来ていなかったせいで落としてしまいました。しかし、相手がここで 18...Bxd5? と間違えてくれたおかげで 19.O-O-O が入り形勢逆転。ピンで動けなくなったビショップをいただいた後、Rg1-g3-h3 を見た相手がリザイン。
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ここまではチームも個人も2勝1敗。明日は慶応大学OB。6人いるチームなので誰と当たるか分かりませんが、おそらく初対局の相手と指せそうです。

2014年9月13日

Old Benoni の2手目で

Chess.com のオンラインのゲームで、私の 1.d4 に対して 1...c5 が返ってきました。分類上は Old Benoni です。まだ序盤なので ChessBase365Chess.com それぞれのオンラインのデータベースを参照したところ、目を疑うような違いありました。2.e4 の件数に注目。

ChessBase:

365Chess.com:


この差は何?

考えられるのは手順前後なので、1.e4 c5 (Sicilian)に対して 2.d4 が指された件数を比較してみました。

ChessBase:

365Chess.com:


これで見当がつきますね。ChessBase の方は件数が合致しているので、ポジションにだけ着目し、手順は考慮していないようです。1.e4 c5 に対して 1.d4 を指す人はそこそこいても、1.d4 c5 に対しては 365Chess.com が示すように 2.e4 を指す人はほとんでいないのでしょう。世間一般の統計情報と同じようにこれらのサイトの数値もどのように集計されているのか把握しておかないと 1.d4 c5 に対して 2.e4 を指すのが定跡だと勘違いする人がいるかもしれません。

ついでに ChessBase の方では同じポジションに到達するまでに要した手の数が異なっても同じ勝率を示すのか試してみました。Scandinavian では、1.e4 d5 2.exd5 Qxd5 3.Nc3 という手順で以下のポジションに到達するのが普通ですが、1.e4 d5 2.Nc3 dxe4 3.Nxe4 Qd5 4.Nc3 という手順でも同一ポジションになります。

1.e4 d5 2.exd5 Qxd5 3.Nc3 :

1.e4 d5 2.Nc3 dxe4 3.Nxe4 Qd5 4.Nc3 :

完全に同一ですね。この徹底ぶりには驚きました。

2014年9月9日

新しい大会( Annual Week Chess OPEN )始まりました

約3週間前に申し込んだ Chess.com の大会がようやく始まりました。他の大会(Snow Day2)も進行中ですが、それは現在 次ラウンド開始待ちだし、仮に次ラウンドが始まっても3ゲームしかないはずなので多少の余裕はあると思って申し込んでいたことをもうすっかり忘れていました。

Chess.com では最後に負けたゲームでレーティングが 2031 から 1997 に一気に下がってしまったので、2000台に復帰できるように頑張ります。2000というレートはOTBやブリッツでは無理ですから私はここで取るしかありません。

タイムコントロールは7日/1手です。私にはちょうどいいペースです。大会参加者は12人で、総当り。おそらく次のラウンドはなく、このラウンドの勝者が大会の勝者になります。

2014年9月7日

lichess での大会

昨晩、lichess と呼ばれるオンラインチェスのサイトで大会が行われました。このサイトは最近日本人の注目を浴びているようです。私は 960 を気楽に試せるところがポイント高いと考えています。私が一番よく使っている Chess.com では 960 は今のところ1手につきX日のような長いゲームしか出来ないのであまり「気楽に」とは言えません。このサイトについてはブログ 『気まぐれチェス日記』 でも紹介されています。

大会の案内は こちら で、要旨としては「スイス式、モードはレート戦、制限時間はトーナメント最大の7分+2秒、打ち切りまでの時間は60分」です。また気になる記述は「前回のトーナメントでは30秒以内に初手を指さなければ負けという、このLichessトーナメントのルールで負けた人が続出しました」くらいでしょうか。私は初めてこのサイトで 960 を試した際キャスリングに失敗したので、大会前に Blitz と Bullet で慣らし運転をしておきました。

1ラウンド目。私は白。以下の局面で時間切れ勝ちでしたが、相手の方が実力はきっと上だったと思います。バレバレであからさまなスレットばかり作る私よりもセンスのある受け手を返してきていて、内心唸っていました。

で、問題はここから。「白の勝ちです」と表示されているので安心してこのまま待っていましたが、何も変化がありません。不安になって「トーナメントに戻る」をクリックして様子を見ると ...

私(scandinavian)の経過のところが 1 0 となっています。つまり、2ラウンド目が負けたことになっています。チャット欄を見る限りそういう人は私一人ではなかったようです。そもそも何が悪かったのか分からないので、同じミスをしないためにどうしたらいいのか分かりません。

3ラウンド目はタクティクスの弱さを露呈するような試合で、クイーンをタダで取れるところに置いてしまい、時間が切れる前にリザイン。4ラウンド目は相手の方にタクティカルなチャンスがあって「ヤバい!どうしよう!」と焦っていましたが、幸い相手はその手を指してきませんでした。そして、メイト勝ち。大会の状況を確認すると、私の最後のゲームが無効になっているように見えます。

もしかしたら、これが「打ち切りまでの時間は60分」の意味するところなのかもしれません。スクリーンショットのタイムスタンプは0:02なのできっとそうなのでしょう。何時になったら終わるのか予測できない大会に比べると単純明快で私は良いと思いますが、いずれは全勝したのに最後のゲームがたまたま打ち切り時刻時点で継続中だったため優勝を逃す人が出てくるのかもしれません。

ネットで短いゲームを指す時は、私はもっぱら 2分+1秒/手を指してますが、この大会のタイムコントロールに慣れるには 5分+2秒/手の方が良さそうです。この大会で自分の指した手の多くが雑すぎると感じたので ... 時間切れで負けない程度にもうちょっと考えて指せるようになりたいです。