2017年4月30日

全日本選手権1日目

タイムコントロールは90分+30秒/1手。40手で30分追加。

1ラウンド目。黒。S君。

前回(昨年8月)は上記のポジションから 5...Nbd7 6.g3 でCatalanでした。同じように指していたつもりなのに今回は、5...Bd6 6.e5 で Semi-Slav 系になりました。

敗因は上の局面から白の狙いが 28.Ra4 だと気付いておらず、27...Ne8? という無駄な手を指したこと。a7 のポーンと b6 のポーンが簡単に落とされました。負け。
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2ラウンド目。白。初対局のLさん。Colle。

ずっと押され気味でした、白なのに。そして、この局面でブランダー。クイーンを交換すればプレッシャーが和らぐだろうと考え、34.Qa3 の準備で指したのが 33.a4?33...Rxb3+ を喰らってリザイン。

あらためて上の局面を見ると自分にはミスが出やすいポジションでした。指す前に b3 のポーンが守られていると、aポーンを動かした後に守りがなくなることをつい見落とすんです。相手が指すまで自分のミスに気付いていませんでした。
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3ラウンド目はBYEです。悲しぃ~!!

2017年4月8日

小島君のレクチャー:Breaking thru closed positions



今日は closed なポジションをどう崩すかがテーマでした。以下のような closed なポジションでは白が自力で突破することは出来ず、黒はキングが自陣をウロウロしていれば簡単にドローに出来ます。なるほど。


私は closed なポジションになりにくいオープニングやバリエーションを採用しているので、滅多に closed なポジションになりません。自分の記憶に残っている closed なポジションのゲーム(以下がそうです)を調べたらもう5年も前でした(ちなみに、黒ルークはfポーンかdポーンを掠め取ることが出来ることに今 気付きましたが当時の自分は気付きませんでした)。

しかし、今日は新しいことを学べました。以下のようなキングサイドのポーンのぶつかり合いでは黒の方が有利。白からはポーンストラクチャー的にhポーンを取りたくないし、白の方が狭いし(動けるスペースが白の2段に対して黒は3段)、結果的に黒が ...hxg4 とするか、...h5-h4 とするか、放置するかの選択肢を握っている。説明されれば納得しますが、これは自分一人で考えていてもきっと一生思い付きませんでしたね。

そして、紹介されたゲームもすごい。

白のCapablancaは Nf3-d2-b3-a4 としたいのですが、その準備として相手の反撃を封じます。上の図はそのためのキングの移動を示しています。防ぎたい手は白のナイトが動いた後の ...Nxg5 です。Closed なポジションのゲームだと手損を気にせずにゆっくり準備できるというのは理屈では分かっていても、こんな高度で用心深いプレーを出来るのはさすがだと感心しました。

2017年4月2日

福岡選手権

タイムコントロールは25分+30秒/1手。

事前に16人申し込んでいたので全国大会の出場権は2人分あると思っていたのですが、当日2人キャンセルしたため、枠は1人分に減ってしまいました。狭き門です。

1ラウンド目。黒。初対局のSさん。English。

17.Rb1? は g6 のビショップが利いているのでブランダーです。しかし、その手を指した本人だけでなく、実は私もその時点では気付いていませんでした。なぜならば、e5 のビショップが動けば白クイーンに対する discovered attack になるので、e5 のビショップをどうするかばかり考えていたからです。一昨日書いたばかりの When you see a move, look for another one がまったく出来てませんね ...
17...Bxg3 18.hxg3? Rxe2 19.Rxe2 Bxb1(さすがにこの時点では気付いています)。

白、リザイン。20.Nxb1 としても 20...Rd1+ でビショップ落ちます。
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2ラウンド目。白。日本のトップ・プレーヤーの小島君。レーティング差が約1000ですから、勝てる可能性は約 1/4 の5乗。つまり、ほぼ 0.1% なので、勝てるとはまったく思っていません。

始まりはこんな感じ。


21...Nxg4。予期していませんでした。22.hxg4 Bxg5 だとポーン損なので、22.Nxf7 Kxf7 23.hxg4 でマテリアル的にイコールにしたつもりですが、23...Qf3
この手を見て「きっと詰まされるんだろうな」と思いました。検討戦の際に教えていただいたのですが、いきなり 23...Rh8 だと 24.f3 とされるため、この 23...Qf3 を挟む必要があったのだとか。さすがプロは違いますね。24.Qd1 Qh3 25.f4 Qg3+

...Rh8# が見えているのでリザインしました。
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3ラウンド目。白。Hさん。私の4手目までは2ラウンド目とまったく同じ(上の方にある局面図参照)。

1ポーン・アップのルークのエンドゲームになりました。

ポーン・ストラクチャーをわざわざ乱すようなことは基本的にしたくない方なのですが、ポーンを1つ得しているのでもしかしたらなんとかなるかもしれないと思ってルークをぶつけました。交換には応じてもらえました。


結果、オーライ。こちらのパス・ポーンは止まりません。ここで相手がリザイン。
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4ラウンド目。黒。Oさん。また、English。

私と権利を争っているKさんは既に3ポイント持っているので、私はここで勝たないとお話になりません。しかし、私の相手はほとんど時間を使わず、私の持ち時間だけ一方的に減っていくのでかなり焦りました。


1ポーン得していたので、なんとかなると思って指したのが 30...g6。自分では良い手だと考えていたのですが、Fritz先生はクイーンサイドのポーンを進める手の方が良いと判断しています。幸い、白が指していた手も最善ではなかったようです。ヘビー・ピースをすべて交換し、pawn race になると、私のクイーンサイドのパス・ポーンの方が強い(止まらない)ことが段々分かってきました。

白はここでリザイン。
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1位の小島君は単独トップで既に全国大会の権利を持っています。私は2位グループでしたが、タイブレーク(ここでは自分が勝った相手のポイントの合計を使うそうです)の結果、権利をいただけました。無理だと思っていたのですごく嬉しいです。

以下は今回いただいた景品です。