2019年7月15日

世田谷チェスリーグ第3セッション


今回1番ボードがライブ配信されました。直前のセッションで導入されていたら私のゲームが配信されていたかもしれません。DGTのこのボードが使われるのを見るのは3回目ですが(フランスのGM Maxime Vachier Lagrave 来日時と World Computer Chess Championship 2013 に続いて)国内の普通の大会を配信するのは初めてかもしれません。また、すべてのボードでテーブルクロスが敷いてありました。よくあるテーブルの段差を緩和してくれます。

また、ポスターもあり、QRコードが付いてます。試しに今度自分のサイトのQRコードを作ってみようかと思いました。実用性がなくてもどんなものなのか試してみたいです。
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5ラウンド目。黒。Nさんとは2回目。Catalan。


ここで 20...Bxe5。自分のポーンが白マスばかりなので黒マスのビショップの方が白マスのビショップよりマシなはずなんですが、それでも相手のナイトの方が価値が高そうなので交換。実際、後々自分のナイトが一番強かったと感じたのでそんなに悪い判断ではなかったと思います。


罠です。38.Ba6 でのクイーン取りを狙っています。こういう手を思い付く相手はすごいと感心しつつ、察知した自分を自分で褒めたいです。37...Kf8 でクイーンの逃げ場所を確保。


この2手前にドローオファーをしているのですが却下されました。レーティングは約200離れているし、白は持ち時間が30分も多いので当然かもしれません。しかし、このように g3 か c5 のどちらのポーンを取れる状況を作れるのはナイトならでは。


前の局面から25手後。今度は白からドローオファー。黒の方がいいのは間違いないのですが、どうしていいか分からなかった(e6のポーンを守りつつ、パスポーンを守りながら進める方法)のに時間がそろそろ危なくなってきたので受けました。ファイティング・スピリットには欠けてたかも。
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6ラウンド目。白。既に相手の方の ブログ でこのゲームのことは書かれていますが、自分でもいつも通りに書いておきます。この ブログの記事 ではつい先週 Chess.com のブリッツのレーティングが2000を超えたことも書かれており、1600に届かない私よりも圧倒的に強いことは数値的に明白です。加えて、世田谷チェスリーグの検討室で彼の話す内容を聞いているとオープニングに広く深く詳しいだけでなく説明が分かり易いんです。「説明がうまい」=「頭がいい(頭の中が整理されていて相手が理解しやすい言葉を選んでいる)」ですよね?その彼が私相手にプレパレーションしてきたというのでオープニングの段階でボコボコにされると悲観していました。で、何をされるのかビクビクしていたら、オープニングは Queen's Indian。

意外なことにオープニングは無事にクリア。


13.cxd5?! Nxd5。自分から取らない方が良かったですね。Isolated Queen Pawn が出来ましたがそれを活かせるほどのピース・アクティビティがなかったのでただの弱点になりました。


19.Qc2?。Chess.com で解析するとこの手の評価は Good なんですが、その後の流れ(19...Qxc2 20.Bxc2 Bxf3 21.gxf3 Bxd4 22.Rd1(下の図))を見ると私はブランダーだと思います。

検討戦の際に上の局面での相手の読みを聞いて驚きました。私は 22.Rd1 を指す前にビショップによる discovered attack が危険でないことを確認するために、22...Bxf2+ 23.Kxf2 Rxd1 24.Bxd1 なら大丈夫と判断したのですが、黒はそのさらに先まで読んでいて、24...Nd3+ 25.Ke3 Nxb2 で取り返せるように見えるが(下の図)26.Bc2 もしくは26.Be2 でナイトがトラップされるため駄目、と。元々分かっていたことですが、この人にはどう転んでも勝てないでしょう。



黒にはdポーンを孤立させない(e列に残す)という選択肢がありました。しかし、本人いわく「パスポーンを作りたかった」のでこうなりました。一見弱そうに見えるのですが、c3 d3 e3 をブロックしているので実は守れているという絶妙な状態です。


この時点ではもうパスポーンを止めるのを諦め、ビショップを捨てることにしています。その代わり、黒のクイーンサイドのポーンを取って一発逆転を狙っています。


47.Kxb6 はもちろん出来るんですが、その後の 47...Nd5+ と 48...Nxb4 が見えたのでここでリザイン。