2014年7月22日

Tactics Trainer 10,000問到達

twitterで私をフォローしている人ならよくご存じでしょうが、私は日課として Chess.com Tactics Trainer の問題を1日に10問ずつ解いており、本日ちょうど10,000問に到達しました。始めてから990日目です。レーティングの推移は以下の通り。

最初の半年は上昇傾向でしたが、それ以降は緩やかに下降しているように見えます。自分の能力が下がりつつあるとは考えたくないので、他のプレーヤー達のレベルが上がっている(あるいはレベルの高い人が増えている)ので相対的に私の数値が下がってしまっていると考えることにします。実際、個々の問題にレーティングが付いていて変動しているため、問題自身の難易度は変わらなくても正解する人が多ければ問題のレーティングが低くなるわけですから、ありえなくはないでしょう。

私にはもう一つ日課があり、それは Ray Cheng の『Practical Chess Exercises』の問題を1日1問解くことです。今のペースで続けられれば年内には終わるでしょう。

なかなか続かないのが棋譜並べ系のトレーニングです。ゲームの最初から最後まで、手の意味を考えたり説明を読んだりを繰り返していれば、今の自分では思い付かないような戦略やプランを見つけることが出来るようになるだとうと期待しています。『The Mammoth Book of the World's Greatest Chess Games』や『Capablanca Best Chess Endings』は読み始めましたがいつの間にか止まってしまっています。tacticsの問題に比べるとより多くの時間を要するため、毎日安定してそのための時間を確保するのが困難だからでしょう。

2014年7月21日

サマーオープン2日目

4ラウンド目。白。Hさん。Queen's Indian っぽい Colle。

中盤で1ポーンアップ。しかし、それだけでは勝てないので、ポーンストラクチャーを崩さない程度にピースを交換していきます。
6k1/p2q3p/1p2p1p1/3PQ3/2P5/1P1K2P1/P6P/8 b - - 0 39
最後に残ったクイーンも 39.d5 exd5 40.Qxd5+ Qxd5+ 41.cxd5 で交換出来たので無事に勝ち切れました。
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5ラウンド目。黒。M君と指すのは2年ぶり。Scandinavian。よせばいいのに自らシャープなラインに突っ込んでしまいました。

以下のような bxa6 b6 となった後の b6 に対する白からの各種サクリファイスに怯える拷問のような時間が10手以上続き、

さらに20手ほど以下のような局面を奇跡的に(?)マテリアルをキープしつつ耐えていましたが、さすがに1分切ってしまうと間違えます。エクスチェンジダウンし、ピースダウンして、時間切れ負け。まったく良いところがありませんでした。

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6ラウンド目。白。Hさん。Dutch。

ミスってナイトにクイーンサイドを食い破られましたが、16.Ra1 でこのナイトを捕獲できるだろうと読んでました。ところが、15.Nxc3!。なるほど、16.Kxc3 なら 16...Qb4# です。この後はマテリアルを削られる一方。起死回生の一発逆転メイトを狙ってみましたが無理でした。負け。
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1勝4敗1分で1.5ポイントのみ。レーティングは40位下がりそう。

写真は明日アップする予定です。

2014年7月20日

サマーオープン1日目

1ラウンド目。黒。S君。Slav。



レーティングの差が200以上ありましたが「もしかしたら勝てるかもしれない」と思って指してました。実際、上の局面で19...Qg5+ だったら、勝ちもあったかもしれません(本譜はナイトを取られないか心配で 19...Bxb5+)。しかし、残り時間が1分を切ってからクイーンを献上してしまうブランダーを出してしまい、ご臨終。
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2ラウンド目。白。H君。Slav。序盤は比較的慣れた形になってくれたのであまり苦労せずに1ポーンアップ。しかし、エンドゲームで間違えます。

8/p7/2p1rk1p/8/5P2/1P3K1R/P7/8 b - - 7 48
ルーク交換になったらこちらのパスポーンは止まらないだろうという大きな勘違いのもと、自信満々に 50.f5+?? を指し、50...Kxh5 51.fxe6 Kg6 で黒キングが pawn square の中に戻ってきてショック。hポーンを拾っている間にクイーンサイドのポーンを取れました。負け。
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3ラウンド目。黒。初対局のO君。Scandinavian。特に派手なtacticsはなく、大きなミスもなく。

ここで白からドローオファー。構わずに進めましたが、d4のポーンを落とす方法は見つけられず。ドロー。
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帰る頃はとにかく雷が激しかったです。しばらくは棋譜をpgn入力して時間を潰していましたが雨が弱くなった頃を見計らって帰宅しました。その間も雷だけは続いており、撃たれはしまいかと本気で心配しながら歩きました。

2014年7月19日

小島君のレクチャー、ポーンのエンドゲーム(Part 2)


上の写真のポジションからツークツワンクになると Trebuchet(投石器)と呼ばれるのは知っていましたが、本ではなくて盤駒を使って出題されるとポーンがどっちに進むか分かりにくいことに気付きました。二次元と三次元だと何か違いますよね?

さて、以下のポジションが本日の最後の問題でした。白番。

8/8/8/3k2p1/6P1/4K3/7P/8 w - - 0 1
激ムズ。まさか、トライアンギュレーションを使うとは思いませんでした。解説されても Corresponding squares は難しいし、実戦でこのマスとこのマスがその関係にあるとか認識出来るようになるとは思えません。
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紙の箱です。チェス盤っぽいので捨てずに取ってありますが、使い道がありません。

2014年7月13日

新潟の大会(追記)

自分のゲーム以外のことです。

■早朝に地震警報で叩き起こされました。特に揺れを感じなかったので無駄に起こされた気もしましたが、一応スマホが警報として機能していることを確認できたし(最近鳴ることがほとんどなかったので)大きな災害にはならずに起こされただけで済んだことはきっと良かったと考えるべきなのでしょう。


■会場まで新潟駅からバスを使って9:20の開会式に間に合わせようとすると新潟駅8:05発しかありません。だから、同じバスに他のプレーヤーもたくさん乗るだろうと予想していたのに実際には私(と妻)以外はいませんでした。ちなみに、バスではSuica使えます。


■参加者の人数がとても多い大会ですが、運営側も相当な人数がいました。そして主催者がやる気に満ち溢れているのを感じました。

■大会の名前に “国際親善” と入っているだけのことはありますね。中国にいる4人のプレーヤーとの連絡や国内での案内は結構大変だったのではないかと想像します。私から見れば自分が簡単に負かされてしまう点では日本のトッププレーヤーでもGMでも同じですが、日本のトッププレーヤーにとってはGMとのゲームはきっと貴重な機会だったでしょう。逆に、中国のプレーヤー達は今回の来日にどんなことを期待しどんな印象を受けたのでしょうか。少しは会話をしてみればよかったです。

■Bクラスのタイブレークはじゃんけんでした。負けた私が3位。賞状は名前が印刷されていて結構立派です。そして賞品が日本酒。間違いなく今までもらった賞品の中で一番重く、大きく、そしておそらく高価な品です。家まで運ぶのにかなり苦労しました。



2014年7月12日

新潟の大会

日本のチェスクラブをいつかすべて回るつもりの私ですが、新潟チェス倶楽部の大会にはなかなか参加できないでいました。そして、今年ようやく参加できました。新幹線を使うと新潟は意外に近いです。

1ラウンド目。黒。東北大学ホワイトナイツのT君。Queen's Gambit Declined, Cambridge Springs var。1ポーンアップで迎えたこの局面で白番。相手が私のキングサイドを凝視しているので何が飛んでくるか見当が付きました。

r1b2rk1/p2n1p2/1pp1pn1p/6p1/3PP3/q1PB1NB1/3Q1PPP/2R1K2R w K - 0 16
16.Nxg5!? hxg5 17.Qxg5+ Kh8
黒は風前のともしびに見えますが、よく見ると白はいずれか一方のビショップしか使えません(例えば 19.Be5+ ならば 19...Nxe5 20.dxe5 で白マス ビショップの利きが肝心のh7地点まで届きません)。 19.e5 f5 20.exf6 Rf7
白の猛攻が止まりました。この2手あとに白が致命的なブランダー。勝ち。とてもエキサイティングなゲームでした。
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2ラウンド目。白。成長株のAさん。Colle。以下の局面で白番。

r5kr/1bq4p/4pnpQ/pp1pN3/3P1P2/1PP4R/4B1PP/R5K1 w - - 4 25
ここまでマテリアル的にイーブンでしたが、25.Nxg6! で均衡が崩れます。このナイトを 25...hxg6 で取ると 26.Qxh8+ Kf7 27.Rh7+ Nxh7 28.Qxh7+ の後、黒のクイーンが落ちます。25...Qg7 26.Nxh8 Kxh8 27. Qxg7+ Kxg7 の後はあまり良い手が思いつきませんでしたが、相手の時間が落ちて勝ち。
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3ラウンド目。白。Iさん。Colle。

3B4/5p2/4p1k1/1p2P1p1/4P3/1P5p/4K3/4b3 w - - 0 50
ポーンが2つ多い黒の方が有利ですが、私はここで相手のパスポーンを止める手を間違えます。50.Kf3? g4+!。51.Kxg4 だと 51...h2 で相手ポーンが止まりません。だからと言って本譜のように 51.Ke2 h2 でもポーンは止まりません。負け。
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4ラウンド目。黒。初対局のNさん。Queen's Pawn Game。オープニングには詳しくないと相手が言ってた通り、あまり見たことのないような手順が来ましたが、読む力はほぼ互角だったでしょう。

白のc4のポーンは落とせましたが、相手がメイト狙いの罠を次々に仕掛けてきました。それらの罠を回避していたら以下の局面で相手の時間切れ。

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大会の写真は明日掲載しようと思います。



2014年7月6日

GM Pablo Lafuente によるレクチャーと同時対局 @ 松戸


前半は GM Pablo Lafuente によるレクチャーです。ポーンのエンドゲームがテーマでした。何度も難しいと言ってたのが印象的でした。ポーンのエンドゲームが難しい理由は、候補手のほとんどを読み切らねばならないからです。例えば、以下のポジションで白番。

8/5p2/8/6Pk/5P2/8/8/7K w - - 0 1
ポーンが多いから白が勝てそうですが、実はその逆。どうやったら負けを回避できるかを探すことになります。正解は2つのポーンをいきなり捨てて、その後でオポジションを取る 1.g6 fxg6 2.f5 gxf5 3.Kg1 Kg5 4.Kf1 という手順。どれも人間だと直感的に排除してしまいそうな候補手ですし、時間がなければ見つけるのは不可能です。GMでさえ難しいというのだから、難しいのでしょう。

同時対局の挑戦者は15人。私のゲームでは突然ナイトをサクる 19.Nxf7 が飛んできました。

3r2k1/rb2bNpp/4p3/qB1p4/Pp1PnB2/4P2P/1P3PP1/2RQ1RK1 b - - 0 19
19...Kxf7 20.Qh5+ Kg8 これ、メイトに出来るの?例えば 21.Be8 なら、と考えているうちにもう Pablo は私の前に来てしまいました。19...Kxf7 20.Bc7 でクイーンの逃げ場無し。始まる前は一番最初に負けなければいいと思っていたのですが、真っ先に脱落しました。

その後、他の人のゲームも見ていましたが、なぜ挑戦者がリザインしたのか分からないゲームが2つほどありました。それだけでも自分はまだまだだなと感じます。また、4時間以上立ちっぱなしだったGMはさぞかし大変だったろうと思いました。