2014年11月24日

ジャパン オープン3日目

7ラウンド目。O君とは3回目ですが、今のところすべて黒番。QGDのCambridge Springs似。

r1b1k2r/pp1n1ppp/2p5/q2p2B1/1b1Pn3/2NBPN2/PPQ2PPP/R3K2R w KQkq - 5 10
この 9...Bb4 がブランダー。10.Bxe4 dxe4 の後、f3 のナイトが逃げると g5 のビショップが黒クイーンに取られるから白は e4 のナイトを取れないと勘違い。どちらかといえば白クイーンはc3を守っていなければならないから動けないと思い込んでいた方が大きいかも。11.Qxe4+ がチェックになるのを見落としていました。11...Kf8 とするしかなく、1ポーンダウンとなり、キャスリングも出来なくなりました。

最後は1ポーン差のエンドゲーム。こうなっちゃったらもう無理。負け。
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8ラウンド目。白。Tさん。Colle。大会に参加するようになったのはごく最近だというのに全然隙がない。少なくとも私には見つけられませんでした。中盤はだいたいこんな感じで、私にとってはそんなに珍しい形ではないです。相手は定跡を知らないというわりには、ほぼ定跡通りだったので非常にセンスが良いとしか言いようがありません。どう指すかは チェスの玉手箱 の『理詰めのチェス』で学んだそうです。あのサイトは表彰に値するでしょう。

最後は同色ビショップのエンドゲームとなりました。ビショップさえ交換できれば、自分が勝つ自信があります。特に白はh2-h3という時間稼ぎの手段を持っているのに対し、黒はポーンを動かせない(動かしたくない)のが大きな違いです。しかし、私にはビショップの交換を強制する手段が見つけられず、結果的にドローになりました。帰宅後、Fritz 先生に正着を出してもらいました。

2b5/2k5/4p2p/2P1p1p1/BK2p1P1/4P3/7P/8 w - - 3 44
本譜はここで 44.Bb5 でしたが、正解は 44.c6 だったようです。答えを示されればどうしてだか分かりますね。44.c6 なら黒のビショップの行き場がなくなります。44...Ba6 ならば、45.Bb5 とぶつけて 45...Bc8 と下がれば、46.Kc5 で黒はツークツワンクになります。
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2勝4敗2分でした。レーティングはたぶん下がります。

大会の写真はおそらく明日掲載できそうです。

2014年11月23日

ジャパン オープン2日目

4ラウンド目。白。K君。Colle。相手は15分遅れて到着したので、その分私の方が持ち時間が多かったはずです(ちなみに、タイムコントロールは50分+30秒/1手)。なのに、以下の局面に到達した時には私の残り時間は約3分で相手は30分以上ありました。

黒にはf3のルークを取る余裕はないだろうと思って 25.Qh5?。しかし、あっさりと 25...exf3 とされ、焦ります。ここから先、時間が少ないわりには自分ではよく指せました。


そして、上の局面。ルーク1個分足りないですが、なんとか持ちこたえています。それまでほとんど時間をかけずに指してきた相手がようやく長考。...Bb7-a6-e2 とビショップの位置を改善すれば私には黒が楽勝に見えていたのですが、相手はなんと 57...Qxe5+? 58.dxe5 Kxc7 とクイーンをビショップ+ルークと交換しました。しかし、hポーンを止めるために黒はdポーンを捨てざるをえず、ドロー。
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5ラウンド目。黒。Nさん。オープニングは 1.g3。序盤は黒の方が断然良かったでしょう。

お互いに時間がなくなってきたここらへんもまだ黒の方がわずかに良いようです。

しかし、この後、再び並べるのが苦痛なくらい初心者のような手を連発し、最後は以下のようにメイトを喰らいました。

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6ラウンド目。白。O君。Colle。黒は展開を終える前にかなりクイーンサイドのポーンをのばしてきました。そういう指し方をする相手が過去にあまりいなかったので、このままガシガシと突かれたらどうしようと考えていたら、黒はキングサイドの守りに入りました。ひたすら攻め続け、下の局面から Qd1-h5-h7+ をするために唯一の邪魔な存在である e4 のナイトを 16.Nxe4 で排除。

ここまで来ればさすがに負けません。しかし、あとで相手のレーティングの低さを見て、愕然。これは相当な詐欺ですね。こなした公式戦の数が少ないだけなんでしょうが。
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明日はまだ一度も勝たせてもらったことのない相手です。若いから、きっと前回よりさらに強くなってるんでしょう ...

2014年11月22日

ジャパン オープン初日

隣接した部屋ではいろんなボードゲームを楽しむ集団がいて賑やかでした。

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1ラウンド目。黒。Nさん。Slav。

最後に指した手は 11...Rc8。12.Ba5 か 12.b6 を強要したつもりだったのですが、


12.Rxa7!。ビックリ。指されてみると「なるほど」なんですが。そして、この侵入してきたルークに暴れられて負け。
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2ラウンド目。白。長野県から遠征してきたN君。Pirc。指すのが速く、ナイトのマヌーバリングもうまくて焦りました。レーティング的にはドローでも痛いので、ちょっとした罠を仕掛けてみました。20.Ne5

20...Nf4 だと困ったのですが、幸いポーンを取りに来てくれました。20...Qxf2?? 21.Rxh7+

r4r2/p1p3kR/1p1np1p1/3nN3/3P2P1/P2Q4/1PP1Nq2/2KR4 b - - 0 21
キングが逃げてもルークを取っても次は 22.Qxg6+ です。勝ち。
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3ラウンド目。黒。今年のジュニア選手権の優勝者です。Semi-Slav。

ポーンダウンの上の局面で 27...Rc2?。7段目を占拠すれば良いことあるだろうくらいの気持ちだったのですが、 28.Qd3+ を喰らってルーク落ち。相手が強くて負けたというよりも自分のブランダーで負けました。

2014年11月15日

小島君のレクチャー:カスパロフ


今日のレクチャーのテーマはカスパロフのゲームです。私の感覚ではチェスの「王者」と言えばカスパロフで、攻撃的でダイナミックなチェスを指すという印象があります。

今日は4ゲームが紹介されましたが、いずれもポーンなりエクスチェンジなりを捨てて、残った駒をアクティブに使うという点で共通していました。見ると「なるほど」とは思っても自分ではなかなかできないですね。捨てた後でも「なんとかなる」って思えることはなかなかないですから。そういえば、最近は自分のゲームで Bxh7+ のサクリをしていないことを思い出しました。当たる相手のレベルが高いのか、そういうチャンスを与えてくれません。

講師の小島君はこれからまたハンガリーで修業です。「IMになるまで帰って来ない」とは断言できないそうですが、強気な発言ができない私からしてみればそれくらいが正直で良いと思います。チェスのプロとして生きていく以上、何が何でも手に入れたいタイトルでしょうから、頑張ってもらいたいです。

2014年11月9日

スカイオープン

1ラウンド目。黒。K君。小さなお子さんでしたが指すのがとても速いので、開始直後は「時間切れ負け」という単語が頭の中をよぎります。フィッシャーモードではないチェスは久々だったので時間の使い方の感覚に不安がありましたが、結果的には無難に勝てました。以下は途中の状態です。

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2ラウンド目。白。First Fridayでブリッツをしたことがあるので自分よりは強いと分かっているGさん。Queen's Indian もどき。

2r1r1k1/pb3pbp/1p1Bp1p1/4P1q1/2Pp1n2/1P1BR1P1/P2N1P1P/2R1Q1K1 w - - 0 21
上の局面は黒が 20...d4 と指した直後です。これは予想通りの手で 21.Nf3 Qg4 なら 22.Nxd4 でルークを守ると読んでいたのですが甘かったです。22...Nh3+ Kf1 の後(以下の局面)、d4のナイトが落ちます。負け。

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3ラウンド目。黒。筑波のH君。Scandinavian。ポーンを幾つかいただき、ピースもいただきました。以下の局面で最後の攻撃を考えます。

5r1k/pp3rpp/6q1/1P1p4/4p3/6P1/3P4/2R1Q2K b - - 0 33
33...Rf2 と指しました。次は、34...Qxg3 でも 34...Qh5+ でも楽に勝てそうです。34.Qxf2。白はキングを守るためにクイーンを捨てたのだと判断。34...Rxf2??。指した後で相手のルークの存在を思い出しました。34.Rc8+。The End。バックランクメイトになります。それまで私にくれた駒達はすべて私を油断させるための巧妙な伏線だったとしか思えません。残念ながらタイムトラブルは言い訳になりません(残り時間は3分少々でしたが、全然焦ってはいませんでした)。「やっちまった」としか言いようのない負け方でした。
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4ラウンド目。白。Aさん。Queen's Pawn Game。

白の最後の手は29.gxh6+。相手はこのポーンを触ってしまいましたので取るしかありません。29...Kxh6 30. Rh1#
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他の人のゲームで興味深いことが起きました。白は(キング以外に)ポーンを1つ、黒はナイトを1つしか持っていない状況でした。以下の写真はイメージであり、具体的な局面ではありません。いずれにせよ、白の時間が切れました。黒は自分の勝ちだと思ったようですが、アービターいわくこれはドローだそうです。

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今大会の賞品です。ネクタイが欲しかった ...

大会の写真はおそらく明日ホームページに載せると思います。