2015年3月22日

百傑戦二日目

4ラウンド目。黒。F君。Scandinavian。避けようと思えば避けれるはずなのに複雑で自分に向いていないと分かっているはずのライン(黒が ...Bg4 と ...Nc6 を指して白の d4 のポーンにプレッシャーをかけるライン)に突入。なんとか耐えていると思っていましたが ...

19.d4-d5(上の局面)。困りました。ポーンが動いてビショップの利きが開くことを見落としていて、Be3-b6 の串刺しが脅威になっています。19...cxd5 20.cxd5 Nc5

21.Bxc5 Qxc5 22.Qxb7 でエクスチェンジ・ダウンは免れましたがポーンを失います。この後、どんどん悪くなっていき、時間もなくなり始め、以下の局面でブランダー。
34...Kf8?? 35.Qxb8+。負け。
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5ラウンド目。黒。T君。1.c4 から Semi-Slav に transpose。Colle の白黒リバース版のつもりで指してました。

この局面でなんと白の方からドローオファー。相手の方が格上だったのであっさり受けました。
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6ラウンド目。白。Hさん。Colle。非常に運が良いことに勝ちパターンに向かってまっしぐら。

これは本で覚えたラインです。黒の手はどれもごく自然な手なので自分よりも強い人でもこのラインに入ってきます。上が今回の終了図。下は2011年4月のゲームの終了図です。違いは黒の14手目が 14...a6 か14...Bb4 かなので、そこだけ前回と同じ勝ち方をするために支障にならないかどうかの確認をしただけなので、終了時の持ち時間は開始時よりも増えていました。オープニングの知識が勝利に直結する珍しいパターンですね。ついでに、いつかはリベンジをしたいと思っていた相手にリベンジをすることができたのでとても嬉しいです。こういう罠があるから Colle をやめられません。

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私のポイントは 2.5 / 6 でした。

初日は全敗している1800+のプレーヤーが何人かいて驚きましたが、Bクラスでさえ4ポイントないと入賞できないことも驚きでした。

2015年3月21日

百傑戦一日目

1ラウンド目。白。K君。Dutch

直前の手は 7.h4 でした。それを咎めるかのような 7...Nf4。8.Be3 には 8...f4 が来るだろうと考えて諦めて 8.Rg1。この 8...Nxf2 のナイトフォークによるマテリアルの損失を埋められず、ジリ貧。負け。
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2ラウンド目。黒。Kさん。Scandinavian。白にパッシブな手が多かったので、逆にこっちがアグレッシブにクイーンサイド・キャスリングし、ポーンを突いていきました。

マテリアル的にはイコールですが、これは黒の方が楽しいです。この3手後に白がブランダー。勝ち。
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3ラウンド目。白。Mさん。Queen's Indian 系。

困りました。ルークを e1 に逃がしても f1 に逃がしても黒には ...Nd3 と白クイーンを追い詰める手があります。仕方なく 18.Nc4。1ラウンド目と同様にエクスチェンジダウンの後はジリ貧。負け。

2015年3月14日

小島君のレクチャー:Magnus Carlsen


とうとう現チャンピオンが取り上げられました。Magnus Carlsen については GM Peter Heine Nielsen のレクチャー(私のホームページの記事参照)でも取り上げられていたので、オープニングにはあまり固執しないプレーヤーであることは知っていました。そして、あまり観戦をしない私でも知っているくらいですから多くのチェスプレーヤーはご存知でしょうが、彼はドローにしか見えない局面から勝ち切るというミラクルを何度も起こしています。今回のレクチャーでも当然取り上げられました。

ドローに見える局面からあえて仕掛ける。私は小心者なので出来ません。多くの場合「このまま続けたらどうなるんだろう」という好奇心よりも「下手したら負けるかもしれないからドローでいいや」という気持ちが上回ります。駄目ですね。

2015年3月2日

福岡選手権

タイムコントロールは30分+30秒/1手。

1ラウンド目。白。同じ大会に参加した場合はほとんど当たっているOさん。Pirc。

4r1k1/4q1r1/4pQp1/1p1pN3/p2P1PP1/2P5/1P6/1K5R w - - 16 41
無理攻めをしてしまったので私は exchange down していますが、Fritz 先生の評価だとこれでもまだ白優勢です。そして、上の局面。黒が 40...Qe7 でクイーン交換を迫ってきました。状況を打開できないかと期待していたのは 41.Rh8+ Kxh8 42.Nxg6+ のナイトフォークです。しかし、42...Rxg6 で特にメリットがないだろうと思って指しませんでした。ところが、私は g7 のルークがピンで動けなくなるのを見落としていました。私がそのナイトフォークを実行してドローオファーをしていたら黒は受けていたと言っていただけましたが、かえって悔しいです。本譜は 41.Qxe7 でクイーン交換をし、ナイト対ルークになり、ジリ貧負け。
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2ラウンド目。黒。初対局のAさん。Scandinavian。レーティングが約400も離れているのに実力的に大差ないので困ってしまいました。例えば、以下の 26.Rd7 なんかは指されて嫌な手でしたね。

ところが、エンドゲームに入ってから白はやるべきことを間違えました。

8/5kp1/p1p5/1p2K3/8/4P3/PP3rp1/6R1 w - - 0 41
白は上の局面でaポーンもbポーンも守らず、g2のパスポーンを取りに来ました。41.Ke4 Rxb2 42.Kf3 Rxa2 43.Rxg2 Rxg2 44.Kxg2。ポーンの数が4対1になり、ルークも残っていないならば、さすがにこれは黒の楽勝です。
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3ラウンド目。白。K君。Sneaky Grunfeld。3回目の対局なので彼の実力はレーティングほど低くないのは知っています。また、彼は若いので、以前よりも強くなっているにちがいないと小心者の私はビビッていました。

2r3k1/p3ppb1/2p3p1/1b5p/1r1P1P2/1PN1PB2/P5PP/2R1R1K1 b - - 5 26
私のプランは孤立した黒の c ポーンに圧力をかけるという単純なもの。ここで黒は痛恨のブランダー。26...c5?。私は黒のb4のルークが動けないことを見落としませんでした。27.Nd5 で、b4 のルークを取れます。黒がもう一度ヌルい手を指していたら 28.Nxe8+ の可能性もありました。勝ち。

今回はIMとなった小島君も参加しており、ちょくちょくアドバイスをいただきました。オープニングはああすれば良かった、とか。それは彼が知識として知っていたからすぐに分かるのか、知識がなくても一目瞭然なのか、いずれにしろその道のプロは違うなと実感します。また、以下のようなワンポイント・アドバイスもいただきました。

6k1/5p2/p4b2/2P4p/1p3p2/1P2P3/P1R3PP/6K1 w - - 0 37
黒が 36...gxf4 とポーンを取ってきたので(上の局面)私は 37.exf4 と取り返しました。しかし、それよりも 37.c5-c6 と突いた方が良い、と。そうすることによって黒ビショップに ...Bf6-d8-c7 とパスポーンをブロックする余裕を与えないということです。応用できる局面はいくらでもありそうですが、そんな簡単に気付ける自信はありません。
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4ラウンド目。白。Yさん。Dutch。

途中はこんな感じでした。黒のピースをアクティブにさせないように心がけていましたが、こっちのビショップもかなりバッドです。

そして、ここで黒からドローオファー。ありがたく受けました。かなりドローっぽく見えますしFritz的にもかなりドローに近いですが、レーティングは私の方が約400劣っていますので、最後まで戦ったら私が負けていた可能性があります。そういう意味では温情のこもったドローオファーでした。
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終わってみれば 2.5/4 ポイントはAクラストップで、ナイトの形のキーホルダー(本の上に乗っています)とチェスの本もいただきました。また、目的であった全国大会への出場権も得られました。非常に来た甲斐がありました。