2012年3月25日

GM Chernin によるレクチャーと同時対局

朝霞、久しぶり。以前ファミリーマートだったところがすき家に変わってたりしました。

会場に着いたら、GM Chernin にサインをいただきました。GM John Nunn 著の Understanding Chess Move by Move の第1ゲームが GM Chernin の勝ちゲームだったため、その本にサインをいただきました。



レクチャーはキャスリング済みのキングを攻撃するために知識をどう活用するかというテーマ。



同時対局はパス無しでした。私の見える範囲では 1.d4 か 1.c4 ばかりで、私は 1.d4 で開始。両隣は比較的早い段階で駒損。私はポジションを悪化させない程度にピース交換を進め、白のナイトと黒のビショップのエンドゲームに入りました。私がリザインした時には他の人はすべて終わっていました。つまり、負けた中では一番持ち堪えたことになります。ドローに持ち込めた人も3人はいたようです。



朝霞の皆様、素晴らしい企画をありがとうございました。

2012年3月21日

第九回小島チェススクール

最終回です。テーマは戦略的視点Ⅱ。



1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Bxc6 dxc6 5. d4 exd4 6. Qxd4 Qxd4 7. Nxd4 の局面での白のプランは、eポーンを進めてあわよくばプロモーションすること。そのプランだけなら私レベルでも思いつくことは出来ますが、実際に難しいのはその実現手段です。ゲームを解説付きで並べていただくとさも当たり前のように見えてしまいますが、自分でやろうとしたら至難のわざです。ちなみに「弱い人はピースの交換を進めればドローっぽくなると考えがちですが」という前ふりにドキッとしました。

話がちょっと飛びますが、私は強くなるために必要な要素を分類し、それぞれをどう鍛えるか考えることがあります。要素の例としては ...

①先まで頭の中で読む力。タクティクスがありそうだと気付いてもそれを検証できなければあまり意味がありません。私の苦手領域ですが、通信チェスのように駒を動かしながら検討できる状況では必須のスキルではありません。

②知識。今回のような戦略的視点も、オープニングの知識も、エンドゲームの知識も、とりあえず知識としてひとくくりにします。

③パターン認識力(応用力)。知識があっても実戦で活かせなければ意味がありません。どういう場合にピースの働きが良くてどういう場合に悪いかを判断出来たとしても自分のゲームで働きの悪いピースを抱えてしまうようではしょうがないです。また、仮に数手先まで読む力があったとしても、コンピュータのようにありえる手を片っ端から読んでいくわけにはいきませんから、ある程度候補手を絞る必要があります。候補手を絞ったり、逆に候補手として思い付くにはそれなりの知識を保有していることが前提となります。例えば、Lucena Position を知らなければ実戦の中でひらめくことはまずないでしょうし、知っていても(うまく単純化する等して)その局面に誘導できることに気付けなければ不十分です。自分の現在置かれている局面を自分の知っている知識を活用して、どう有利にするかはパターン認識力(応用力)が問われます。

レクチャーを受けることによって、戦略的なメリットが得られるケースを知識として蓄え(上記②に役立つ)、紹介していただいたゲームでそのアイディアを応用できる局面を理解する(上記③)のに役立ったと感じます。

小島大先生、ありがとうございました!すべての回に参加した者として、この一連のレクチャーで学んだことがこんな風に成果としてあがりましたとこのブログ上で報告出来るように頑張ります。

2012年3月14日

第八回小島チェススクール

テーマは Strategical point of view の前編でピース交換の是非に焦点が絞られていました。

例えば、Ruy Lopez の Breyer Variation で始まった以下のような局面で、白は黒マス ビショップをどうすべきか?

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nf6 5. O-O Be7 6. Re1 b5 7. Bb3 d6 8.c3 O-O 9. h3 Nb8 10. d4 Nbd7 11. Nbd2 Bb7 12. Bc2 Re8 13. Nf1 g6 14. Ng3 Bf8 15. a4 Bg7 16. Bd3 c6 17. Bg5 Nf8 18. Qd2 Ne6

選択肢は 19.Bxf6, 19.Be3, 19.Bh6, 等。私ならピルツの時と同じ発想で 19.Bh6 ですが、黒マス ビショップ同士を交換した後、黒に ...Nf4 とされるとやっかいなので 19.Be3 と引くのが良いそう。

また、以下のような局面であれば、黒は d4 のマスをナイトで占拠すべくピースを連携して行動します。自分には出来ない発想だからこそ聞いた甲斐があります。言われなきゃ d4 にナイト置かれたら追い返しにくいなんてこと思いつきもしないし、そういう長期的な戦略に基づいてピースを配置するということも単にゲーム数を多くこなせば身に付くものではなく、先人に学ぶのが一番です。

r2qk2r/p2pppbp/1pn3pn/2p5/2P2P2/2N3P1/PP1P1PBP/R1BQ1RK1 w kq - 4 9
ちなみに、私はレクチャーの中で取り挙げられた局面を紙に書き写しています(保険として iPhone で画像も撮っていますが)。それを繰り返すうちに自分流のチェス記号が洗練されてきました。最初の頃はポーンは⊥、ビショップをΛで表現していましたが、試行錯誤の末、ポーンをΛにしてビショップを△で表現するのが速くて且つ直感的に識別しやすいという結論に達しました。


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twitterでの日々の報告をしなくなったので気付いた方もいましたが High-Speed Replay Training(手の意味は考えずにとにかく高速で並べる)はやめてしまいました。一番の原因は時間が足りないことです。睡眠時間を削ってまでやると翌日は眠くなりますが、社会人はそういうことをすべきでないと考えています。

また、同様な理由で通信チェスのゲーム数を減らしたいと考えています。しかし、1つの大会("No Mercy" Gutter Brawl)が次ラウンドに進むと一気に22ゲームが増えます。これと現在進行中の8ゲームが重なると地獄なので、スカンディナヴィアンの大会は次ラウンドに自分が進まないようにポイントをコントロールすることを思いつきましたが、時すでに遅し。生活に支障が出るようだと幾つかのゲームは泣く泣くリザインしなければならないかもしれません。