2012年3月21日

第九回小島チェススクール

最終回です。テーマは戦略的視点Ⅱ。



1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Bxc6 dxc6 5. d4 exd4 6. Qxd4 Qxd4 7. Nxd4 の局面での白のプランは、eポーンを進めてあわよくばプロモーションすること。そのプランだけなら私レベルでも思いつくことは出来ますが、実際に難しいのはその実現手段です。ゲームを解説付きで並べていただくとさも当たり前のように見えてしまいますが、自分でやろうとしたら至難のわざです。ちなみに「弱い人はピースの交換を進めればドローっぽくなると考えがちですが」という前ふりにドキッとしました。

話がちょっと飛びますが、私は強くなるために必要な要素を分類し、それぞれをどう鍛えるか考えることがあります。要素の例としては ...

①先まで頭の中で読む力。タクティクスがありそうだと気付いてもそれを検証できなければあまり意味がありません。私の苦手領域ですが、通信チェスのように駒を動かしながら検討できる状況では必須のスキルではありません。

②知識。今回のような戦略的視点も、オープニングの知識も、エンドゲームの知識も、とりあえず知識としてひとくくりにします。

③パターン認識力(応用力)。知識があっても実戦で活かせなければ意味がありません。どういう場合にピースの働きが良くてどういう場合に悪いかを判断出来たとしても自分のゲームで働きの悪いピースを抱えてしまうようではしょうがないです。また、仮に数手先まで読む力があったとしても、コンピュータのようにありえる手を片っ端から読んでいくわけにはいきませんから、ある程度候補手を絞る必要があります。候補手を絞ったり、逆に候補手として思い付くにはそれなりの知識を保有していることが前提となります。例えば、Lucena Position を知らなければ実戦の中でひらめくことはまずないでしょうし、知っていても(うまく単純化する等して)その局面に誘導できることに気付けなければ不十分です。自分の現在置かれている局面を自分の知っている知識を活用して、どう有利にするかはパターン認識力(応用力)が問われます。

レクチャーを受けることによって、戦略的なメリットが得られるケースを知識として蓄え(上記②に役立つ)、紹介していただいたゲームでそのアイディアを応用できる局面を理解する(上記③)のに役立ったと感じます。

小島大先生、ありがとうございました!すべての回に参加した者として、この一連のレクチャーで学んだことがこんな風に成果としてあがりましたとこのブログ上で報告出来るように頑張ります。

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