2015年5月9日

小島君のレクチャー:全国大会より


今日は今年の全日本選手権から4ゲームが取り上げられました。

解説があれば、どれも私でも理解可能なレベルです。例えば、上の局面で、白の方から白マスのビショップを交換してもgファイルに黒のルークが回ってくると白にとって脅威になるので、白は 9. Re1 と指します。黒は白の方からビショップを交換してこないと考えて 9...Bg7 といかにも自然な手を指しますが、これが実は悪手。なぜならば、1手前であれば、白からしない方がいい交換が今なら良くなっているからです。10.Bxf5 gxf5 11.Nh4 とすると
黒はf5のポーンを守れません。11...e6 はキングに対してピンになっているので守りになっていませんし、クイーンで守ろうとしても白もクイーンを攻撃に回すると守りが足りなくなります。ポイントは状況の変化を認識しろ、ということです。

全日本の途中で感じましたが、小島君のレクチャーは聞いていて役に立っていました。アナンドのゲーム紹介にて、QGD系のため黒がクイーンサイドのビショップを出せず、チャンスが来るまでひたすら我慢するという解説がありました。それを聞いていて覚えていたからこそ、自分のゲームでもひたすらチャンスが来るまで我慢していられました。以下が自分のゲームの中での局面ですが、白が 17. Ne5 と指したところです。

黒マスのビショップは本来グッド・ビショップですが 17...Bxe5 18.dxe5 と交換し、18...c5 を指せました。

あとで ...Bc6 を指してから黒の方が良くなるわけですが、我慢しようという気がなければこうなる前にもっと自暴自棄な手を指していたかもしれません。

今回習ったこともいつか応用できたら良いですね。

2015年5月6日

全日本選手権6日目(最終日)

11ラウンド目(最終ラウンド)。白。O君。相手が Colle を避けた結果、Slav になりました。

1r3nk1/r3bpp1/2P1pnp1/p2p4/Np1P4/3BP3/1P1B1PPP/R1R3K1 w - - 5 21
このパスポーンは強かったようですが、弱気な私は守り切れないだろうと思ってさっさと a ポーンと交換してしまいました(21.c7 Rc8 22.Nb6 Rcxc7 23.Rxc7 Rxc7 24.Rxa5 )。

そして、ちょっと前まではまさか成立しないだろうと高を括っていた攻撃が来て焦ります。

5nk1/6p1/1N2p1p1/R2p1p2/1p1Pn2b/3BPP2/1P4PP/2r1BK2 w - - 3 28
28.g3 Nxg3+ 29.Kg2 Rxe1 30.hxg3 Rxe3

ここからはもう下り坂。

ここからなんとかステールメイトに出来ないか模索してみましたが無駄でした。負け。

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結果、4.5/11 でした。私のレベルでは上出来です。

大会の写真は明日ホームページに載せる予定です。

2015年5月5日

全日本選手権5日目

9ラウンド目。白。Mさん。Colle。

r1b2rk1/1pq1bpp1/p3p2p/3pP1P1/3P4/1P1B4/P1P4P/R1BQ1RK1 b - - 0 17
17.g4-g5 と突いたところです。このポーンを捨てた方が攻撃が速いと考えました。17...hxg5 18.Qh5 g6 19. Qh6
19...Re8? 20.Rxf7 Kxf7 21. Bxg6+ で黒リザイン(続けても2手メイトです)。

相手の方に「あざやかな勝ち」と言っていただけたのが嬉しかったです。
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10ラウンド目。黒。初対局Y君。1.b3 で始まりましたが、自分が白番の時に指す Colle に似てきたので Colle の黒側のように指していました。

ここで白 7.c3。驚きが顔に出てしまいました。せっかくb2のビショップがe5まで利いているのにその利きを遮ったようにしか見えません。7...Nbd7 8.Be2。ここで 8.Bd3 としないあたり、やはり Colle とは似て非なるものだと実感。8...b6 9.O-O Bb7 10.Rc1 Ne4。どちらかというと黒で Colle を指している感じになってきました。しかも、黒なのに気持ち良い。


3r2k1/p4p1p/1p2pp2/3b4/8/1P1BP3/Pb3PPP/1N1R2K1 b - - 5 22
白の直前の手は 22.Rd1。私が、...Bd5-g2 の準備をしていたのでそのカウンターのようですが、実はブランダーでした。22...Be4。ビショップを引いてルークを守ると 23...Rxd1 24.Bxd1 Bxb1 で白はピースダウン。ここで白リザイン。
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現時点、4.5/10 もあります。自分にしては既に上出来です。全国大会というレベルの高い大会なのにまだイーブンに戻すチャンスが残っています。ちょっとだけモチベーションが上がります。

2015年5月4日

全日本選手権4日目

5ラウンド目。黒。Fさん。Scandinavian。GM Emil Stovusky と私の同時対局のゲームを見てきたらしいので、そのバリエーションはハズしました。

r3k2r/pp3pp1/2p1pn1p/4P3/6B1/2b1B3/PPP2PPP/2KR3R b kq - 0 15
黒番です。候補は3つ。1つ目は、15...Nxg4 16.bxc3 Nxe5 だとポーン得&相手のポーンが乱れるように見えますが、17.Bd4 でナイトに当てられるのが嫌だったので却下。2つ目は 15...Bxb2+ 16.Kxb2 Nxg4 でポーン得ですが、...h6 を指さないとナイトの場所がありません。それで、実際は 15...Bxe5 のポーン得を選びました。


1ポーンアップのまま、ナイト対ビショップのエンドゲームに突入したのですが、なぜかふとビショップが利いていることを忘れ、上記局面で 34...Nh4 を指してしまいました。Fritzの評価が -2.18 から 5.48 に反転。もったいないことをしました。負け。
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6ラウンド目。黒。Sさん。London System が来る思っていたのに、QGD Cambridge Springs になりました。

上記局面で 7.Nd2 は定跡ですが、白は数分かけて自力でその手を見つけ出したそうです。すごくないですか?私がもしこのラインを知らなかったら、7.Bd3 とか 7.Qd2 とか指してそうです。

白が 29.e4 を指しました。自分の方が優勢だと判断していたので、29...Bc6 と逃げて、30.Rd8+ Rxd8 31.Qxd8+ を喰らうことを避ける手を考えました。29...Qe2 30.Qf3 Qxf3 31.gxf3。相手のポーンストラクチャーをかなり乱したのできっと勝てるだろうと楽観していたのですが、最後は以下のような局面となり、合意のドロー。

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以前よりもポーンの扱いが上達した気がしました。きっと小島君のレクチャーに通っているおかげでしょう。

2015年5月3日

全日本選手権3日目

5ラウンド目。白。Kさん。Colle。運が良いことに勝ちのラインに入ってくれました。12.BxNf6

r1b2rk1/p4ppp/1pq1pB2/2bp4/5P2/1P1BP3/P1P3PP/RN1Q1RK1 b - - 0 12
ここでもし、12...gxf6 とすぐに取り返すと 13.Bxh7+ Kxh7 14.Qh5+ Kg7 15.Qg4+ Kh7 16.Rf3 (以下の図)でほぼ終わりです。なので、いったん 12...Bxe3+ 13.Kh1 を挟むことが出来ますが、それでも 13...gxf6 とすると似たようなラインになります。ドキドキして待っていたら黒がリザインしました。

私は読む力がない分、オープニングは知識で補っているわけですが、相手が格上でも運が良い時はその知識だけでこのように勝てたりします。
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6ラウンド目。白。Hさん。DutchのStonewall風。

大まかなプランとしては、9.Qe2 の後、クイーンサイドにキャスリングし、キングサイドのポーンをガシガシ突いていくというものでした。ところが、持ち上げた駒はクイーンでなくてキングでした。思わず「あ!」と声を出してしまいました(すいません)。泣く泣く、したくなかったキングサイド・キャスリングをする羽目に。これでもうかなり戦意を喪失。追い討ちをかけるように頭が痛くなってきました。

鎮痛剤が効いてきた頃に40手目を迎えて30分が追加されました。てっきり相手は孤立したcポーンを狙いに来るか、dポーンを進める手順を捻り出してくるものと考えていました。私の読みははずれ、相手はメイトを狙ってきました。防ぎきれずに、以下のポジションでリザイン。無念。


2015年5月2日

全日本選手権2日目

3ラウンド目。白。K君。Colle。

このゲームで一番後悔したのはここ。本譜は 14.g4 。それだと、14...Ne4 を許します。やり直せるものなら 14.Qf3 にします。


一時は2ポーンダウンでしたが、1個は取り返しました。これはドローくさいと思ったので(Fritzの評価だと -0.49)上記局面でドローオファーしましたが、黒キングはa3のポーンを取りに行きます。仕方なく、ナイトをビショップ+キングサイドのポーンと交換。中央のポーンが残りました。

上記局面でもまだドローに出来るだろうと思っていたらオポジションにあっさりとやられました。負け。
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4ラウンド目。黒。S君。Queen's Gambit Declined。

どうせならビショップはe7よりもd6に置きたい。その結果がこれ。10.Bxh7+ がグサッと刺さりました。相手のビショップはすぐに戻らなかったので閉じ込め、結果的に2ポーンとの交換になりましたが、白は次から次への厳しい手を指してきて、それ以上のマテリアルを返しました。

今日一番感動した手は上記局面からの 20.Rxf5! 。私が白ならばきっと候補手として思いつきません ...。で、もう指す手が見つかりませんでした。負け。
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今日はいつもより不注意が多かった気がします。

2015年5月1日

全日本選手権1日目

1ラウンド目。白。Sさん。Anti-Colle。

毎度のことながらキャスリングが遅いです。そして、痛いところを突かれました。f2 のポーンがピンで動けません。...fxe3 の後、f3 のポーンが ...Nxf3 で落ちるのが見えていますが諦めてキャスリング(17.O-O-O)。予想通り 17...fxe3 18.Bxe3 Bxe3+ 19.fxe3 Nxf3 という展開になり(下の図)1ポーンダウン。

ポーンストラクチャー的にもかなり終わってます。

ピースが交換されてなくなるともう絶望的です。上のポジションでリザイン。
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2ラウンド目。黒。Y君。Blackmar-Diemer Gambit。ギャンビットで差し出されたポーンはありがたくいただきました。そして、クイーンを交換し、ポーン差を維持できればドローにできるかもしれないというプランです。


16...c5 は自分では良い手だと思って指しました。ここで白が20分以上長考。17.a3 や 17.c3 なら 17...cxd4 のつもりでした。17.dxc5 Nxc5 の後に 18.a3 や 18.c3 なら 18...Nxd3 と指そうと考えていました。ところが、予想外の手が飛んできました。17.Bb5。指されてみれば、なるほど。17...cxd4 には 18.Rb3 があるので、ポーンを取り返されるのは避けられそうにありません(ナイトが動くか消えたら dxc5)。Rad8 18. Bxd7 Rxd7 19. dxc5 Rd5

ポーンを取り返せそうです。相手が間違えると(例えば、20.c3? Bxc5 21.Nxc5 ならば 21...Rxg5+ を挟んでから 22...Rxc5)さらに黒の有利が広がりますが、さすがにそんなに甘くないです。でも、20.h4 Bxc5 21.Nxc5 Rxc5 で、1ポーンアップに戻っただけでもかなりハッピーでした。

この後、お互いダブルルークでまったく勝機が見つけられず、ドローオファーされたら受けようと考えていました。しばらく指してみて局面の改善が望めないようだったらこちらからオファーしてもいいかなくらいにも思っていました。ところが、ルークを一組交換し、尚且つ、オープンファイルをキープできるポジションになりました。

さらに、connected passed pawns が出来ました。

ここで 38.c4 Ra1

白がもしaポーンを守ったら ...Ra3+ でルークを交換し、黒キングをクイーンサイドに送り込めば勝てるかもしれないと期待していたところで相手の時間が落ちました。