2018年10月8日

東京オープン3日目:エンドゲームの知識は重要!

5ラウンド目。黒。T君。Reti。

白がキングサイドにフィアンケットすると ...c5 より ...c6 の方が安心なのですが、今回は実験的に 7...c5 です。


フィアンケットする人はビショップをここぞという時にしか交換しないイメージなので、14.e5 は意外でした。14...Bxe5 15.Bxe5 Qxe5 16.Bxb7 で双方の黒マスのビショップが消えます。


次にピンされたナイトを 18...Qc3 で取れたりするんじゃないだろうかと期待していたのですが、そんなに甘くはありませんでした。18.Nc4 で あっさりとピンをはずされました。


うっかりナイトフォークを喰らってしまったので即リザイン。

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6ラウンド目。白。Y君。


開始前には相手が Colle にするって言ってたはずなのに ... これは Philidor。やばいです。1.e4 e5 系のオープニングには疎いんです ...。序盤はずっと「これはきっとおかしな手を指してるんだろうなぁ」と思いながら指してました。


もしこの状態で 12.Bxf6 が出来たら、c5 のナイトを守り続けるために 12...Bxf6 ではなくて、12...gxf6 としなければならないのでちょっと期待。飛んできたのは 11...Be612.Bxf6 Bxc4 の後は 13.Bxe7 ではなく、13.Bxe5 とすべきでした。


ナイト対ビショップのエンドゲームになりました。ビショップの方が機動力があるのでナイトを持った側はポーンの島を少なくした方がいいということは知っていたのですが、自分が悪手を指したこともあり、ここから先はなかなか思うように進みませんでした。なお、この局面の評価は 0.00。


この 42...c4+ を機にポーンのエンドゲームに突入します。43.Nxc4 Bxc4+ 44.Kxc4 Kxe4 で以下の局面に。

8/p7/8/6p1/2K1k3/P7/7P/8 w - - 0 45
キングサイドの黒のポーンを止めるには(やや黒側の陣地を通りながら)黒キングを斜めから追いかけると良いということはエンドゲームの知識としては知ってはいたのですが、きちんと応用できる程度には理解していなかったことが判明。黒キングがf列に移動してから追いかければ間に合うと勘違いしていたので 45.a446.a5 で無駄なテンポを使ってしまいました。次はきっと間違えません。

8/p7/8/P7/2K3p1/5k2/7P/8 w - - 1 47
こうなってしまうと一方的にポーンを取られてオシマイだと思い、ここでリザイン。

しか~し!これでもまだドローに出来るチャンスがあったそうです。仮にここから両者がプロモーションを狙うと白の方が早いのですが、以下のような局面だと黒キングは近寄る余裕がないのでひたすらチェックをかけ続けるしかないのです。ポーンがa列、c列、f列、h列のいずれかにある時にだけ成立します。これは知りませんでした。エンドゲームの知識は重要!

1K6/P7/8/8/8/8/7k/6q1 b - - 0 52
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1勝3敗2引き分けで 2.0/6.0 でした。パッとしませんが、最後のゲームはエンドゲーム的には良い勉強でした。

2018年10月7日

東京オープン2日目

3ラウンド目。白。O君。Pirc。


直前の黒の手は 23...c7-c5。それに対して 24.c4。あまり好きな手ではないですが一応 best move。考えていたことは黒クイーンがf8にいるなら、黒のc5のポーンはその位置に固定させたい(そして、黒から 24...bxc4 とはたぶんしてこないだろう) ... くらいでした。 24...Nb6 (予想通り)25.Qc7 (h2よりマシなマスに動かしたかった) bxc4 26.Qxb6 cxd3 27.Rxd3 の後、こうなります:

これなら、aポーンやcポーンが落とせるだろうと期待したのですが、実際にはうまくいかず、ナイトのエンドゲームに突入。


上記ポジションでドローオファーするも却下されました。


8/8/p4p2/3k2pp/1Pp4P/P1K2PP1/8/8 w - - 0 53
ナイト交換後、黒が 52...g5 を指してドローオファー。ここで自分の考えていたことは、
(1) 53.hxg5 hxg5 は 54...h4 とされるとマズイので取れない。
(2) f3のポーンは黒キングをe4に来させないために動かしたくない。
(3) 53.a4 f5 54.a5 f4 と進むと最終的にこっちがツークツワンクになる。
自分の方が悪い。そう思ってしまったのでドローにしましたが本当は白が良かったようです。そもそも黒は 53.a4 の後、53...f5 は次に 54.hxg5 が入るからおそらく指さないでしょうが、脳内で駒の動きをイメージできない私は、黒のgポーンがずっと守られているから取れないと勘違いしていることに後で気付きました。53.a4 と 54.b5 を指すライン(例えば、54...axb5 55.axb5 Kc5 56.b6 Kxb6 57.Kxc4)はそれ以上読める自信がまったくありません。なので、後悔はしていません。
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4ラウンド目。黒。Tさん。London System。


8...Nxg3 9.hxg3 でhファイルが開いたため、私はほとんど終盤までずっとhファイルからのルークの圧力を受けることなってしまいました。8...Bb7 でe4のナイトを補強する方が良い手だったようです。


上記はクイーン交換直後で白番。18.e4 を指されるとマズイことに気付きます(ポーンを損すると思いましたが、実際にはそんな単純ではないようです)。しかし、本譜は 18.Nd5。ちょっと安心しました。


黒のビショップは絶好の位置にいます。白のナイトも悪くないですが、...f6 で追い払うことは可能。しかし、それよりも、cファイルを開けて Rc2+ を入れる方が強烈です。


こうなると白はナイトを捨てざるをえません。白はメイト直前まで粘りました。勝ち。
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2018年10月6日

東京オープン1日目

タイムコントロールは90分+30秒/1手。 1ラウンド目。白。Sさん。Colle。


11.dxc5。期待していたのは 11...Bxc5 12.Nxc6 Qxc6 13.Bxf6 みたいな流れでした。しかし、いかんせん相手はレーティング 2100+。気付かれてしまいました。11...g6。ガッカリしましたが、12.Nxc6 Qxc6 13.b4 で得したポーンを補強します。

上の局面で黒番。「次に Bxg6+ が出来たらいいなぁ」と期待していたら、d3のビショップが相手にとって相当な脅威だったらしく 31...Rxd3 とルークと交換しにきました。しかし、32.Rxd3 Re8 の後(下の図)私は時間切れ寸前。

次に 33...Bxc5+ が来るのは分かってましたが、何でもいいから動かさないと負けてしまう状態。33.Qg3?? Bxc5+。時間切れ負け。
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2ラウンド目。黒。N君。QGD Exchange variation。

ここでキャスリングすべきでした。クイーンサイドにキャスリングしてキングサイドのポーンを突きたいとか甘いことを考えていたら、結局どっちにもキャスリングできない状況になってしまいました。


黒番ですが、何をしていいか分かりません。15...Bxf5 でナイトを得できそうに見えるのですが、16.Nd6+ Kf8 17.Nxf5 が可能です。本譜は h6 のポーンを補強するつもりの 15...Bf8 。しかし、16.Ned6+ Bxd6 17.Nxd6+ の後、b7 のポーンが落ちます。


ここで白からドローオファー。マテリアルも局面も白の方が上。こっちが優っているのは残り時間くらい(13分 vs 20分)。相手のレーティングは私より300以上も下なのでレーティング的には痛いですが、粘る気力がまったく湧いてこなかったのでドローを受けました。