2019年11月23日

世田谷チェスリーグ第5セッション


9ラウンド目。黒。初対局のS君。Scandinavian。

1番ボードでしたが今回はライブ配信はなかったようです。


この 10.a3 は次に 11.Bf5 としてクイーンをトラップしようとする罠だと思いました(実際には 11...e5 で受けられるみたいですが)。10...Qc7 で逃げ道を確保。


ここは 20...e4 21.Nxe4 Rxe4 22.Rxe4 Nc5 まで考えたのに、脳内イメージでは等価交換になると勘違いして指しませんでした。が、本来は良い手のはずでした。本譜は 20...exd4


ここで1回目のドローオファー。却下されました。


ここで合意のドロー。相手は力を付けてきている若者で負かされると思っていたのでドローでも嬉しかったです。実際、コンピュータの評価は 0.00 でした。
-----

10ラウンド目。白。初対局のSさん。QGD系。


以前 blitz で似たような局面で 7.Bxc4 をしたら、7.Qxb7 の方が良いと指摘されたのを覚えていて、それが役に立ちました。こういうbポーンを取っても、例えば、...Rb8 と当てられ、クイーンが逃げて ...Rxb2 と取り返されるケースもありますが、ここは幸い c1 にビショップがいるので b2 が取られることはありません。そして、c4 のポーンを取り返すのはそんなに難しそうには見えません。


10.Ne5+ を入れられたことにより想像していたよりも楽に c4 のポーンが取れます。


この 20.h5 は相手をメイトする準備でした。例えば、20...Rb8 のような無駄な手を指したら、21.e5+ Kf5 22.Bd3# で詰ませられると期待していました。しかし、20...Nc6 で逃げ道を作られてしまい、ガッカリ。


この直後に黒がブランダー。結果的にピースが落ち、黒がリザイン。
-----

第4セッションだけ参加できませんでしたが、それを除いた私の成績は3勝3敗2分で4.0ポイント。5位でした。

NCS以外のチェスクラブがFIDEレート戦を始めたという意味では世田谷チェスリーグは画期的でした。NCSの前のJCAの時代には到底考えれませんでしたね。

2019年11月4日

Japan Open 2019 4日目

6ラウンド目。白。Dさん。Colle。

過去の3戦はすべて負けています。


相手が ...e6 を突くか、白マスのビショップが ...Bg4 もしくは ...Bf5 に出てくるのを見てから自分のビショップを d3 に出すかどうか決めようとしているので(キャスリングはその後)1手前の 3...a6 やこの 4...c5 のようにのらりくらりした手だと対応に悩みます。ここでベストな手は 5.dxc5 だったようですが、その手は考えもしませんでした。dxc5 は b2 にビショップがいて斜めの利きが通る時にしか指さないので、臨機応変さに欠けているのを感じます。


出来れば、次、18.Bb6 で串刺しにしようと思っていましたがバレました。17...b5。しかし、それでもポーンは取れます。18.Bxf6 Bxf6 19.Bxd5


その後、相手の勘違いにより exchange up になり、さらに rook up になりました。それだけもらえれば私でも勝てます。以下がゲーム終了時の局面。


検討戦では相手がプランを次から次にポンポン思い付くのに驚かされました。私なんてプラン1つ捻り出すのに相当苦労するのに ...。
-----

7ラウンド目。黒。Aさん。5年前に新潟で当たって以来、2回目です。

1.d4 に対して Queen's Indian にするつもりで 1...Nf6 2.c4 b6 3.Nf3 e6 と指していたのですが、Colle の白黒逆バージョンにすることが出来てとても指しやすくなりました。1手損はしているはずですが。



読むのが面倒な局面。このあたりのやりとりはコンピュータに分析させると白も黒も不正確な手が多いのですが、13...Nxe5 の後の 14.fxe4(下)が一番良くなかったようです。しかし、白にとってはfファイルが開くので良い手だと思っていました。

14...Nxd3 15.Qxd3 dxe4 16.Nxe4

ここでタクティクスを発見。16...Bxh2+ 17.Kxh2 Qh4+ 18.Kg1

e4 のナイトを取る際はクイーンで取ると逆色ビショップのエンドゲームになりかねない(せっかくイニシャティブを掴んでいるのでドローにはしたくない)のでビショップで取りました。


悩んでいたのはどうやったら2つのルークを攻撃に参加させることができるのかです。仮に相手の駒が静止していたとしても、...Rf8-f6-h6、...Qh2-Qh1 ってかなりの手順がかかりますから、実際はその間に何かしらの対処が間に合ってしまいそうです。そこで思いついたのが d 列からの突破。しかし、その準備のための 23...Rfe8 は解析だとブランダー扱いで、...Rf8-f6-h6 ルートの方が良かったそうです。しかし、そうとは知らなかったので作戦決行。24.Bb2 cxd4 25.exd4 e5 26.d5
最初はここで 26...b5 を突くつもりだったのですが、白はそんなポーンは無視できますし、e3 のポーンをどかしてしまったミスに気付きました。これだと白は Qc3 で g3 にいる私のクイーンを追い払うことが出来ます。そこで作戦変更。やっぱりh列にルークを廻すことに ...。26...Rd6

私が恐れていたことは threefold(同一局面3回)にしてしまうこと、それと、ルークかクイーンを交換されてしまうこと。しかし、時間的に苦しくなった白がミスしてくれました。

34.Kg1 ならまだ耐えられていた(というか私がどう攻めればいいのか分からない)と思うのですが 34.Rf3 は最低でも exchange up が保証されます。しかし、出来ればもっと大きなアドバンテージが欲しいと欲張りました。34...Bxf3 35.Qxf3 Rh1+ 36.Kf2 Qh4+

e1のルークが取られる前に白がリザイン。

指している間はお互いにまともな手を指していたと思っていたのですがコンピュータの解析だとどちらも不正確な手がわんさか。唖然としました。
-----

今朝まで強制BYEを回避するために頑張っていたくらいなので成績は悪いだろうと思っていたのですが、2勝3敗2分の3ポイントは入賞まであと一歩の成績でした。少し意外。

新バッジ、買いました。以前のと違いは名称が入っていることです。

2019年11月3日

Japan Open 2019 3日目

4ラウンド目。白。初対局のNさん。Dutch。

最初のうちはそこそこ上手く指していたんですが、全体の評価のグラフを見るとこんな感じです。

評価が黒くなったのはこのブランダー(17.Re1?)のせい。

一見、c2のマスはビショップに守られているように見えますが、そんなビショップは 17...c4 で簡単に排除できることに指した直後に気が付きました。相手も当然気付いてすぐにその手を指してきます。ここでベストな対応は 18.Bxc4 Nxc2 19.Be3 だったようですが、ブランダーで動揺しており間髪をいれずに 18.c3? というミスを重ねてしまい 18...Nb3 で本来ならば exchange down で済むべきところを piece down にしてしまいました。


ピースを幾つかほぼ強制交換させられた結果、上のようになりました。駒の等価交換を最後まで進められれば、ポーン対ビショップが残り理屈上はドローですが、かなり厳しいです。

頑張ってここまで来ました。相手がミスれば大逆転のチャンスはあります。

42...Kg8。相手はミスってはくれません。ここは 43.Rxg7+ Rxg7 44.fxg7 Kxg7 しか考えていませんでした(ちなみに、ルークを交換せず、ポーンだけ交換するのが正解だったようです)。

問題はドローにできるのかどうかです。白のポーンがなければ、黒勝ちなのは知っていました。端のポーンのプロモーションのマスがビショップと同じ色ならビショップを持っている側が勝てるというパターンです。では、私が h2 にポーンを持っていることで状況は変わるのでしょうか?分からないので指し続けました。

出来ることならば自分の番を飛ばしたい状況。つまり、ツークツワンクです。ここでリザインしました。
-----

5ラウンド目。黒。N君。Queen's Indian。


このオープニングは経験が浅い上に研究もほとんどしていないので、どういう場合に ...d5 が良くてどういう場合に ...c5 が良いのか分かりません。ここはコンピュータは 6...d5 よりも 6...c5 の方が良いと言ってます。


思い込みとは恐ろしいもので、ここはコンピュータに指摘されるまで 12...Nxe7 が出来ることに気付いていませんでした。そもそも、11.Qa4+ が来た際、11...Ne7 で防御するのは嫌だと思いました。なぜなら、この f6 のナイトは ...Ng8-f6 経由で来たものではなくて、...Nb8-e7-f6 というルートで来たナイトなので、直前にいた e7 に戻るのは悔しいと思ったからです。そうして、11...Ne7 によるブロックを候補からはずした結果、12...Nxe7 という候補手も無意識に消去されていました。


マイナーピースがさくさく交換された後、ここで白からドローオファー。本来はまだ戦うべき局面だと思いつつも受けました。なぜならば、私(0.5ポイント)はポイント的に単独最下位であり、万が一負けたら次は強制BYEになるのがほぼ確実だからです。そんなリスクを冒すよりもここはポイントを稼いで強制BYEを避けることの方が大事。

2019年11月2日

Japan Open 2019 2日目

2ラウンド目。白。初対局のMさん。Colle。


13.g4?。反省すべき手です。直前の相手の手(12...Rc8)の狙い(13...Nb4)をまったく考えていませんでした。13...Nb4 でせっかくの Colle の強いビショップを取られてしまいます。14.Ba3 Nxd3 15.Bxe7 Qxe7 16.cxd3 Bb5(下の図)

ここからは防戦一方です。


28.Rc1 は相手ルークをピンして取れると勘違いしていました。28...Qxd4+ を見落としていました。こんな感じでポーンがポロポロと落ちていきます。

もうリザインしてもおかしくないような局面ですがパペに一縷の希望をかけて粘っていたら、2手後に黒がブランダー。パペが成立してしまいました。ドロー。
-----

3ラウンド目。黒。Lさん。Scandinavian。なお、相手も Scandinavian の同じラインを指すそうで、やりにくかったそうです。


このdポーンは突けないと思っていましたが、それは e6 のポーンが動くと e7 のビショップが落ちることの見落としです。15...cxd5 16.Nxd5 Nxd5 17.Bxd5(下の図)

17...Rac8。この手を見つけられて良かったです。17...exd5 18.Rxe7 だったら厳しかったと思います。


ルークに当てつつ、h7を攻撃します。これでポーンが一つ落ちました。


時間がなくなってきて段々疑問手が増えてきます。この 25...f5 なんかは時間を減らさないようにしかたなく指してましたが、結局 e6 を弱めているだけです。


結局その弱くなった e6 がこうやって攻められて落ちます。31...Bf6 32.Qxe6


ここでリザインしました。
-----

2019年11月1日

Japan Open 2019 1日目

大会初日は平日だったため、参加者の1/3にあたる21人がBYE。私は有給を使って1ラウンド目から参加です。

1ラウンド目。黒。Kさん。Queen's Indian。


序盤から ...c5 を指すべきタイミングを逸しており、ここがその最後のチャンスでした。しかも、20...c5 だったら少しだけ黒側に振れた局面評価を維持できる唯一の瞬間でした。

実際に指した 20...Bf8 は、白が 21.h5 を突いてくるという想定でナイトを f8 よりも e7 に逃がし、...Ne7-f5 を指せるようにしておきたいと考えていました。しかし、21.h5 Ne7 22.Nd6

とナイトに侵入され、22...Rb8 23.Qe4 Ba8 24.Qg4

25.Bxh6 が困ると思い、24...Kh8 で対処したつもりが 25.Nxf7+(下の図)と、もっと痛い手を許してしまい、ここでリザイン。

-----