2014年5月24日

北千住の例会

1ラウンド目。白。初対局だと思うKさん。Pirc。

上のポジションでは1ポーンアップでした。正確に指せればチャンスはあったのでしょうが、最後は以下のような圧死寸前の状態で時間切れ負け。

-----

2ラウンド目。黒。Tさん。Catalan。

1ポーンアップだしポーンストラクチャーも黒の方がいい。おおまかな戦略はこのポーンストラクチャーを維持しつつピースを交換していくことで、これならばもしかしたらイケるかもしれないと期待しました。しかし、無駄な手が多かったです。結果的には2手で済んだ動作に5手も使ったり。そして、時間も足りず。白はポーンが2つ少なくキメなければならないという焦りがあったそうでやや無理目の攻撃を仕掛けてきましたが、いかんせん私の残り時間はこの時点でもう1分を切っていてまともに考えられませんでした。

3r1bbk/pp3p2/2p1p2p/4P2P/4P1Q1/1q1r2P1/5RBK/2B2R2 w - - 0 31
31.Rxf7 Bxf7 32.Rxf7 Qc2? 33.Qg6(以下の図)。34.Qh7# に対する受けが見つけられないまま時間切れ負け。32...R3d7 ならまだ黒の方が良かったようです。残念。

-----

6月~7月にかけてアルゼンチンの若いGMが来日するという話があるでそうです。楽しみですね。

2014年5月10日

小島君のレクチャー、960チェス、等


■今日のレクチャーでは全日本選手権からのゲームが幾つか取り上げられました。自分でも間違えそうなのがこの局面で黒番。

8/2k5/2P2P2/2K5/8/8/7R/5r2 b - - 0 18
18...Rxf6 とすぐにポーンを取ると 19.Rh7+ (下の図)でキングは 19... Kd8 のように下がることになり、20.Kb6 でピンチなります。

なので、正しくは 18...Rf5+ とポーンを取る前に一回チェックを入れてから 19.Kc4 Rxf6(下の図)です。これならば、白ルークの横からのチェックは怖くなく、ドローになります。

-----

■全日本選手権の前でしたが twitter で以下のようなツイートがあり、誘いに乗ってみました。


私がよく行く Chess.com でも 960 チェスは一応ありますが、1手あたり何日のような長いタイムコントロールしかないのであまり気軽に試せません。この lichess というサイトでは15分+10秒/1手だったのでちょっと遊ぶには良いと思います。キャスリングのやり方が分からず焦りましたが、コツはキングを目的地にドラッグするのではなく、入れ替わるルークの上までドラッグすることです。
-----

■私のホームページのアクセスカウンターが10万を超えました。ありがとうございます。

2014年5月6日

全日本最終日

11ラウンド目。黒。Iさん。Scandinavian。

この局面で相手が考えている間にふと気が付きました。あれ、もしかしてピース得してる?なんとも間抜けな話ですが、特に狙ったわけではなくちょっとトリッキーな等価交換をしたつもりでいたので気が付いていませんでした。しかし、一旦そのことに気付いたら自分がとるべき方針は単純明快。ピースを極力交換して、ついでに取れるポーンもいただいて、メイト狙い。ほぼその通りになりました。勝ち。

順番が逆になりますが、そのピースアップした局面はこんなでした。

r3k2r/pp1nbpp/2pqpn2/4Nb2/3P4/2N4P/PPP1BPP1/R1BQR1K1 b kq - 3 10
ナイトが跳ねてきました。一瞬、10...Nxe5 11.dxe5 Qxe5 でポーン得だと思ったのですが、そんなオイシイ話があるはずがなく、白は 11.Bf4 で一度ピンをしてからナイトを取り返すつもりだと分かりました。ここで「ナイトは取り返されるからチャラになる」と自分に暗示がかかります。その後、11...Nf3+ でピンをかわして 12.Bxf3 Qxf4 と “等価交換” 出来ることに気付き、この一連の手順を指しました。このようにチャラ・等価交換という感覚だったので駒得だと分かっていませんでした。
-----

大会の結果は3勝4敗4分。特に目標は立ててませんでしたが、試算したらレーティングが67くらい下がりそうなので、悪い結果なんでしょう。でも、朝から晩まで非常に充実した6日間でした。皆様、ありがとうございました。写真はおそらく明日掲載します。

-----

閉会式で今年のジャパンリーグは開催されないかもしれないという連絡がありました。そうだとすると持ち時間が長いゲームが好きな私としては非常に残念です。

2014年5月5日

全日本5日目

9ラウンド目。黒。Sさん。予想通り、London System。付け焼刃とは言えプレパレーションをした甲斐があり、最初の数手はスムースに指せました。しかし、先日のDutchと同様に、準備しておいた範囲を越えて自分の頭で考えた手を指した途端にそれが悪手で自らピンチを招きます。

幸い、指されて一番嫌な手を相手が指してこなかったので救われました。

4k2r/ppr3pb/3bp3/3pN2p/1P1P4/P3NP2/6PP/R3R1K1 w k - 0 25
このゲームで相手が放った技は上の局面から 25.Nxd5。持ち時間がそれほど多く残ってなかったので読み切れないまま指し続けました。25...exd5 26.Ng6+ Kf7 27.Nxh8+ Kf8 28.Ng6+ Bxg6 29.Re6

どちらかのビショップが落ちそうに見えます。しかし、良い手を見つけました。
29...Bf4! 30.Rxg6 Kf7

意外にもルークに逃げ場はありません。なので、白は 31.Rg3 でルークとビショップを交換。

最後の方は下のような局面で ...Ra2+ と ...Ra3+ を繰り返して30分が加算されるまで手数を稼ぎましたが、相手がスリーフォルドを選んだのでそのままドローになりました。しかし、ドローでもかなりレーティングを持っていかれます。


-----

10ラウンド目。白。Hさん。Colle。

r1b2rk1/ppqnb1pp/4p3/2ppPp2/2P2P2/1P1BP3/PB4PP/RN1Q1RK1 w - f6 0 12
この局面がクリティカルなポジションだと判断したので23分費やして考えました。12.exf6 のアンパッサンと 12.cxd5 とお馴染み(?)の 12.Rf3 が候補手でしたが、アンパッサンはせっかくf6のマスに利いて相手のピースを動きにくくしているe5のポーンを自ら手放すことはないだろうと考えて却下。12.cxd5も今でなくてもいいと判断して、消去法で 12.Rf3

時間を使って考えたのが功を奏したのか以下のようななかなか良いポジションになりました。

しかし、いかんせん時間が足りません。一時的には残り時間の差が相手と1時間以上も開いていました。30分が加算されてようやく楽になり、最後は以下の局面で相手がリザイン。

この方に勝ったのは初めてなので嬉しいです。また、相手は明日強制BYEを喰らったようなので、私が負けていたら私がBYEだったかもしれません。助かりました。明日、写真を撮るためだけに会場に行くのはかなり虚しいですから。

2014年5月4日

全日本4日目

7ラウンド目。黒。Tさん。Queen's Gambit Declined, Cambridge Springs。

ここまではキングサイドアタックのチャンスがありそうで(例えば、g5-g4 と突いたり)楽しみにしていました。

頭の中では「慎重に、慎重に」と繰り返しているのですが、持ち時間が少なくなってきたら博打のような手を選んでしまいました。ビショップを取られるのは覚悟の上で、チェックが止まったら ...Qg2# が入ります。

しかし、キングの逃げ方を間違えて(正しく逃げれば白はパペにするしかありませんでした)ついには e4 のポーンまで取られて g2 を守られてしまいました。そうなったらもう勝ち目はありません。負け。言い訳としては、対局時計が40手を過ぎても即座に30分加算せず表示上は残り時間1分に見えるので焦ってしまったということで ...

-----

8ラウンド目。白。Wさん。Pirc。

ポーンが1つ少ない上に形も悪いのはまだ許せます。ようやくピースアップできるポジションを作ったのに 18.Bxc6?(正しくは18.fxe5)。指した後にこの手順だとピースアップ出来ないことに気付き、いきなり自己嫌悪に陥ります。その後、相手からピースがタダ落ちするブランダーが出たので勝てましたが、気分的には沈んだまま ...
-----

明日の相手は所謂「詐欺レート」(実力に対してレーティングの数値が追いついていない人)です。きっとLondon Systemが来ると分かっていますが、勝てる気がしません。

2014年5月3日

全日本3日目

5ラウンド目。黒。H君。Scandinavian。

この局面でビショップの利きを 13...Nf6 で防いでいるようだと Bd3-c4 や o-o-o で準備されてジリ貧になりそうなので、自分にしては珍しく思い切ったことをしました。

rn2kbnr/pp2q1p1/2p1p1p1/5pB1/3P2PP/2NB4/PPP1QP2/R3K2R b KQkq - 3 13
13...Qxg5 14.hxg5 Rxh1+ 15.Kd2 Rxa1 16.Qxe6+ Ne7 17.gxf5 gxf5 18.Bxf5

マテリアルだけを見れば黒の方が上ですが、白の方が圧倒的なイニシャチブを握っています。しかし、決定打を見い出せなかった白の方からスリーフォルドにしてくれました。ドロー。
-----

6ラウンド目。白。Fさん。Colle。ここまでは対称形。

しかし、無駄な手を指しまくり、相手のパスポーンを甘くみて、最後はこんな感じでリザイン。


2014年5月2日

全日本2日目

3ラウンド目。黒。K君。Scandinavian。

3rnrk1/pp3ppp/2p1p3/3qB3/3PR3/P5QP/1PP2PP1/3R2K1 w - - 3 25
十分守られていると思っていたg7にのまさかの突撃。25.Bxg7! Qxe4 26.Bf6+ Qg6 27.Qxg6+ hxg6 28.Bxd8。これでポーンダウンとなり、ルークのエンドゲームに突入しましたが、白のルークは身動きが取れなくなりました。ドロー。

-----

4ラウンド目。白。Hさんとは初対局ですがDutchが来るのは分かっていました。Dutchは自分が使うラインを刷新したばかりで、オンラインチェスも含めて初めて指すラインなので使うことにやや不安があったのですが、序盤はスムースだったし指しやすいことも確認できたことは収穫でした。しかし、メインラインをはずれて自力になったところからイマイチな手を連発し、非常に窮屈な局面にされてしまいました。d5のポーンが落ちるのを止められないし、だからと言って反撃のプランも思いつきません。

指さば指すほど悪くなり、ここでリザイン。

2014年5月1日

全日本1日目

1ラウンド目。黒。K君。Scandinavian。長い間使っていなかったラインを復活させたのが裏目に出ました。序盤のミスを咎められ、こんなことに ...

rn2kb1r/p1q1pppp/2p2nb1/1N6/3N4/5B2/PPP2PPP/R1BQ1RK1 b kq - 3 12
クイーンがよけても 13.Bf4 から 14.Nc7+ や 14.Bxb8 が見えたので 12...cxb5 13.Bxa8。なぜかこの “ビショップがa8に刺さっている状態” を複数の人に目撃されていました。


上の局面で10数秒残っていましたが、時計が落ちる前にリザイン。
-----

2ラウンド目。白。Hさん。Colle。

r2r2k1/p1q2p1R/4p1p1/2bp4/5P2/PP1Q4/1BP3PP/R6K b - - 0 20
20.Rxh7 がきまった瞬間。このルークを取ると 20...Kxh7 21.Qh3+ Kg8 22.Qh8# となるので、20...d4 21.Qh3 と続き、勝つ気満々。ところが、守り切られてしまい、逆にピンチに。

8/p2k2b1/2q3p1/5p2/P7/1Prp2P1/2P1R2P/2BQ2K1 w - - 0 42
42.Rd2 としたいところですが、42...Bd4+ 43.Kf1 Qh1# で死亡します。なので、仕方なく 42.h3 Bd4+ 43.Kh2。もうダメかと諦めかけてましたが、意外に生き延びました。

ここでクイーンを交換してしまうとパスポーンを止められないのでチェックをしつつドローオファー。黒はチェックのかからないh7までキングが移動し、再び攻撃に転じましたが、結局以下の局面でドローに合意。約5時間の長い長いゲームとなりました。