2011年1月31日

チェスマスターブックス、Chess Trainer

どこで読んだか覚えていませんがチェスマスターブックスの新装改訂版が出ているという話は覚えていました。それが週末に本屋に寄ったらありました。このシリーズのうちの何冊かは図書館で借りましたが、当時の版よりも改訂版の方が表紙のデザインはいいと思います。チェスの本のコーナーは将棋や囲碁に比べると貧弱なことが多いのでこうやってシリーズ化された本が並んでいると存在感があっていいですね。



Twitter 情報で iPhone 用のアプリで Chess Trainer なるものが無料でダウンロードできることを知ったので、とりあえずインストールしました。動物の写真はちょっと私の趣味ではありませんが、内容が良ければ良しとしましょう。使ってみた後で第一印象くらいはここに書き記そうと思います。





















以下は池袋の某所の床です。

2011年1月10日

松戸のクラブ選手権(二日目)

4局目。黒。Eさん(1551)。スカンディナヴィアンなのに最初の7手だけで約20分も費やしてしまいました(相手は60分丸々残ってました)。ルークがh8とd8にいるのでNxf7のナイトフォークを警戒して慎重に慎重に指していました。時間の消費は激しいしポジションは悪いし苦しかったですが、クリティカルな場面で相手が間違えました。間髪を入れずに指したのでいわゆる手拍子ってやつでしょう。
















2kr3r/ppp1bppp/2n1p3/8/1PPPq3/P2BBb2/5PPP/R2Q1RK1 w - - 0 14

ここは14.Bxe4 Bxd1 でしょう。本譜は 14.gxf3 で、14...Qh4 の後(下図)、①...Nc6-d4-f3 で Qxh2#狙い、②...Be7-d6 で Qxh2#狙い、③gファイルを開けてルークを使う等様々手段があったので攻撃がしやすかったです。勝ち。























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5局目。白。Yさん(1650)。グルンフェルドもどき。序盤で取ったポーンにしがみつこうとしてピース配置が乱れた上にそのポーンはあっさり取り返され、ぐちゃぐちゃに。













3r1rk1/1p2bp1p/pq4p1/8/bP6/P2pP1P1/3Q1P1P/R2NKBR1 w Q - 1 24

a1のルークが ...Be7-f6-b2 や ...Ba4-b3-c2 で追い詰められそうでああでもないこうでもないとあれこれ考えて消去法で残った手を考えもせずに指したら、かなり最悪な手でした。24.Bxd3? Bb5。ここで 25.Nb2 だと 25...Bf6 で困るので、25.Ke2??。負け。

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6局目。黒。N君(1505)。KIA。ナイトの方が相手の白マスのビショップよりも使えそうだと思ったので黒マスのビショップは18手目で交換しました。その後、クイーンサイドでのポーンの前進を始めた頃、突破口を作られてしまいました。35. f5! (図)















8/5Bp1/1kp1p2p/1pn1PP2/2r5/6P1/PR4KP/8 b - - 0 35

35...Re4 36. f6 g5 37. Be8 Rxe5 38. Rf2 Rf5




















間違えて 39.Rxf5 exf5 40.f7 Ne6 としてくれれば間に合うのになと淡い期待をしましたが、39.f7 と正確に指され、39...Rxf7 とルークを捨てるしかありませんでした。その後も少し粘りましたが無駄でした。負け。

このゲームを制したN君がBクラストップでした。おめでとう!

2011年1月9日

松戸のクラブ選手権(一日目)

新年最初の大会です。

1局目。白。Sさん(1863)。Colle。
2r1brk1/pp2b1p1/1qn1p2p/3pp3/3P2P1/PP1B1N1Q/1BP4P/R5RK w - - 0 21

ここが悩みどころでした。21.g5 突きたい。でも、21...e4 でフォークを喰らうのは目に見えてる。困るのは仮に 22.gxh6 と進んだ場合、その先を頭の中で追うのが困難なことです。予想は 22...Rxf3 23...Rxg7+ Kh8 でしたが、ここで例えば盤上の g4 のポーンのせいでその先 24.Qxe6ができることをつい見落としそうになってしまいます。ここで十数分費やしました。詰むか駒損に終わるか結局読み切れませんでしたが、賭けに出ることにしました。

21.g5 e4 22.gxh6 exd3 23.hxg7 Rxf3 24.Qh8+













黒リザイン。

通信チェスだと頭の中で考える必要がないので思い付いた手を実際に駒を動かしながら検証できます。上記の局面ではそれがやりたくしょうがありませんでした。しかし、OTBで強くなりたいのなら頭の中で visualize する能力を鍛えないとダメですね。

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2局目。黒。Y君(1935)。1.d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nc3 と進み、白はニムゾを指して欲しかったそうです。私もニムゾを試そうかとも考えたのですが、どのラインも全然覚えていないので怖くてやめてしまいました。3...d5 4.cxd5 exd5 で QGD Exchange Variation。5. Bg5 Nbd7


ここでちょっとドキドキしていました。6.Nxd5 Nxd5! 7.Bxd8 Bb4+ でピースを得できる罠があり、過去に引っ掛かった人もいたからです。しかし、今回は不発でした。





r2qkn1r/pp3pp1/2p2b1p/3p3b/3P1N2/2NBPP2/PPQ3PP/R3K2R b KQkq - 1 13

クイーンサイドのビショップは使いにくいので e2 にいたナイトか d3 にいるビショップとさっさと交換してしまおうと考えて飛び出したのが失敗でした。e2-e3で追い払われただけでなく 13...Bg6 14.Nxg6 fxg6 15.Bxg6+ ならポーン損の上、キャスリングの権利も失います。それで、13...Bh4+ という無理攻めを始め、失敗。負け。

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3局目。白。Uさん(1837)。過去に5敗しており、勝てる気がまったくしません。Colle。
 
 
 
 
 
 
4q1r1/pb4rk/1p2p1R1/3p3P/3Ppb2/1P1B3R/PBP1Q2P/7K w - - 0 28
 
相手よりも持ち時間を20分位多く使っていて焦っており、ここから Qe2-f1-f4-h6 としたくて 28.Qf1。 期待していた 28...exd3 を 28...Bh6 ではずされ、何を勘違いしたのか 29. Qf6?。最後は ...
 
ここで「勝った!」と思って37.Rg3。しかし、37...Qxg3 でリザイン。

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今日は1ポイント。私の属するBクラスはトップが1.5ポイントなのでまだチャンスはあります。オープンクラスは上位3名が3位以内に一人もいないという波乱の展開です。

2011年1月6日

Chess+ を使い始めて

Chess+ はエンドゲームのトレーニングのために昨日購入した iPhone アプリです。1問目が K+Q vs K と簡単なので失敗だったかと思ってしまいましたが、そうではなさそう。

他のタクティクスのアプリだと正解が一本道で、正解でない手を指すとすぐその場で終ってしまいますが、このアプリは自由度が高く、最適でない手でも指し続けることができます。しかもアプリが指す手は同じ局面でも毎回同じとは限らないことも分りました。まるで人間のように一手ごとに考えているわけです。問題を自分で登録できることの意義もここにあるのでしょう。Pandolfini's Endgame Course の問題 でもなんでもいいですが、繰り返し解くことが望ましいポジションを登録するのに使えます。自分で登録できる問題数の上限が60問というのは少ない気がしますが、1問も登録していないうちから悩む必要はないでしょう。

アプリの強さには3段階ありますが(Standard, Expert, Master)局面がまだ単純なせいか強さの違いはまだ感じません。ただし、Master は明らかに遅いので深さか候補手数かその両方を多く読んでいるのでしょう。最初はアプリが指す手が同じ問題でも異なることがあるのは強さの設定が異なるためだと思ったのですが、まったく同じ設定でも違う手を指してくることがあります。人間っぽいですね。

一日一問のつもりでしたが、ついもっとやってしまいました。2問目は K+R vs K。3問目は K vs K+P でドローにすること。4問目は K+P vs K で勝たなければいけないのですが、プロモーションに成功してもまだ終わりではありません。適当なところで自分で切り上げるしかないようです。

一手ごとに計算しているせいかアプリの反応は速くはありません。じれったいと思う反面、待っている間に自分の脳がかなり働くこと(例えば、自分の手が最適だったかとか、相手の次の手に読み漏れはないかとかを検証すること)に気付いたので、あまり問題視しないことにしました。

盤の色を変えられないのがちょっと残念です。

さっそく

まだ読んでないチェスの本を手にとってパラパラめくると実に良い本を多く持っている!特に戦略系の本。しかし、今読みたいのはエンドゲームの本。

●200 Brilliant Endgames / Irving Chernev
ちょっとレベル高過ぎ。創作された問題よりは実戦から抽出された問題の方がいい。

●チェス終盤の基礎知識 / ユーリ・アヴェルバッハ
図が多い!でも盤駒無しで読むにはちょっと厳しそう。

●Pandolfini's Endgame Course
1回読んだけど本当はこれがちょうどいい。

●Chess Training Pocket Book / Lev Alburt
1回は読んだしエンドゲームばかりじゃないし。

●Chess Training Pocket Book II / Lev Alburt, Al Lawrence
前作より難しい気がする。

iPhone アプリを chess endgame をキーワードに検索。出てきたのは1つだけ:


350円で60問。自分で問題を60問まで追加することも可。
 
とりあえず買い。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1問目:
 
 
え?
 
でも、とりあえず1日1問やってみよう。

2011年1月4日

今年はどうしましょうか?

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

年初はやはり今年はどうしようか考えたくなりますよね。目標を立てるというよりも私は長く続けられるような新しい習慣を身につけたいので、「今年はどうする」というよりも「これからどうする」というニュアンスの方が強いです。

twitter 以外にも通信チェスを昨年から始めており、こちらはもう私の日常生活の一部と化しています。オープニング以外のチェスの本をほとんど読まなくなったのも時間さえあればついつい通信チェスの手を考えてしまうことが原因です。楽しいですが、こればっかりやっていてもなかなか上達は望めないでしょう。

タクティクスの訓練は Chess Tactics Server の問題を一日10問以上解くことで賄っているつもりですが、感覚を維持する程度にしか役に立っていない気がします。そもそもは Michael de la Maza氏の『Rapid Chess Improvement』に触発されて日々タクティクスの問題を解いているのですが、難しくて以前投げ出した CT-Art というソフトウェアの方がいいのかもしれません。欠点は自宅のPCでしかできないことでしょう。

エンドゲームの勉強も必要ですね。私の場合、日課として組み込まれたことであればほぼ確実に実行しますが、「時間があればやろう」程度のことはなかなかやりません。松戸チェスクラブのホームページのバブーリン・セミナーに「彼(Sam Collins のこと)は毎朝、朝食を食べながら、エンディングを5個、解いています。それが彼の強さの秘密です。」と書かれています。そうやって何らかの形で生活の中に取り入れられることを考えてみたいと思います。

twitter で最近以下のようなつぶやきがありました:
①『今年の目標』1日最低2ゲームは並べる。
②(上記①に対して)ちなみに自分はもっと並べています。
③(上記①②に対して)どういう棋譜を並べてるか知らないですけど、今ならEmiliaで1日4試合ですよね。
①~③はいずれも日本のトップ・プレーヤーです。ちなみに、Emilia とは、さっき Google で調べるまでは私の知らないソフトウェアかデータベースの名前かと思っていましたが、現在イタリアで開催されている大会のことでした。
私はどうも棋譜並べをする気が起きません。OTBの大会で他の人のゲームを観客として見ている分にはプレーヤーの表情や持ち時間も分り緊張感も伝わってきて見ごたえがあるのですが、紙面上やブラウザ上のゲームは味気なく感じます。しかし、こういう twitter 上のやりとりを読むと自分も少しはやらねばダメかなって気がしてしまいます。

オープニングについては 1.d4 対策をしっかりしたいと思いつつ1年経ってもほとんど進歩がありませんでした。強いて言えば、通信チェスのカタランのテーマ戦に参加しているおかげでカタランの黒番だけは不安を感じない程度になりました。

タクティクスもエンドゲームも棋譜並べもオープニングもと欲張ってもやはり無理なので、何か一つを新しい日課として取り込みたいですね。iPhoneで出来ることだとハードルが低めで理想的です。