2009年8月20日

本当にドロー?

2009/08/16 で書いた局面(以下の図、黒番)が本当にドローなのか気になっていたので確認しました。


8/8/p7/3p1kp1/PPpPp2p/4K2P/6P1/8 b - - 0 2

それは上記の局面が以下の図(黒番)に似ているからです。


8/8/8/5k2/2p1p3/4K3/8/8 b - - 0 1

これだと白は負けます。仮にキングがもっと遠くにいたとしても(例えば、h8)負けです。このことを電車の中で、Pandolfini's Endgame Course という本を片手に確認しました。

この2つのポジションの違いは、黒のキングの行動範囲に関する制約です。上の図では白のポーンが b5 に進んだ時、黒キングが Square of the Pawn(b8-b5-e5-e8 を角とする四角)に入れないとポーンを止められません。下の図でも、黒キングが自分のポーンに近寄れないという制約があるなら、白は両方のポーンを安全に始末することはできませんが、少なくとも踏ん張れます(黒に ...c4-c3 を突かれたら、e3 と e2 を往復していればいい)。

こう書くと単純に見えますが、ゲームしている間は、...c4-c3 と突かれて白キングが d3 と d2 に入れなくなってしまっても大丈夫なのかどうか心配で繰り返し繰り返しいろいろな手順を確認していました。

2 コメント:

enju さんのコメント...

僕もこの局面気になってました。

自分で考えた手順は

1. ... c3
2. Ke2? Kf4
3. b5 axb5
4. axb5 e3?
5. Kd1? Kf4
6. b6 Kd3
で黒勝ちというものでした。

しかし、Rybkaで調べてみると、5. Kd1ではなく5.b6でクイーンエンディングになってドローになります。

これはその前のe3が悪くて、
4. ... c2で黒勝てます。
4. ... c2
5. Kd2 e3+
6. Kxc2 Kg3!
7. b6 e2
8. b7 e1=Q
9. b8=Q+ Kxg2
となり、同じくクイーンエンディングですが、黒が1ポーン取っていることと、黒キングがチェックのかかりにくい隅にいることが効いて黒勝勢です。

では白負けなのかというと、2手目でKe2ではなくa5としてドローです。
2. a5 Ke6
3. b5 Kd6
4. b6

おそらくa5は白がドローにするonly moveだと思います。
シールマンの本にキングとポーンのエンディングは常にconfusingだと書いてありましたが、本当ですね。

kawanaka さんのコメント...

enju 様、

ありがとうございます!
このエンドゲームが気になっていた要因の1つは対局後に enju さんが「ポーンの形は(白にとって)危ない」と言われたことなのですが、自分が思っていたよりも奥が深いのには驚きました。結果的には本当にドローのようですが、私は読むべき変化の多くを読んでいませんでした。1...c3 に対して 2.a5 は考えつきませんでしたが、1...c3 2. Ke2 Kf4 3. b5 axb5 4. axb5 e3 ならば、5.Kd1 はなく、5.b6 もしくは 5.Kd3 を指していたと思います。

コメントを投稿