2009年5月6日

ゴールデン・オープン3日目

7ラウンド目。黒。Gさん。スカンディナヴィアン。相手のレーティングが自分より200以上も高いとつい「ドローでもいいや」と思ってしまいます。そういう意識があると、自分の指す手ににじみ出て来ます。例えば、次の局面。



f8 のルークを動かさなければなりませんが、ここで私は 22...Rfc8 で c6 のポーンを守りにいきました。本来なら、22...Rfe8 でオープン・ファイルを取りにいくべきでしょう。自分にはガムシャラに勝ちに行こうという姿勢が足りない気がします。

さて、私は下の図の局面でもうドローだと思っていました。キングとルークで c6 のポーンを守っていれば、なんとかなるだろうと ...


4R3/2rk2p1/2p2p1p/2K5/1P6/7P/5PP1/8 w - - 0 37

37.Rg8 (g8 のポーンを攻撃) Ke6 (g8 のポーンを守る)
38.Kb6 (ルークを攻撃) Kd6 (g8 のポーンを守りつつルークを守る)



39.Rd8+ Rd7 40.Rc8



これで c6 のポーンが落ちました。この見事な手順に感服いたしました。

最終ラウンド。白。Iさん。Colle の Koltanowsky。Iさんには連敗続きだったし、Iさんは変わった手順で指してくるので、少し研究しておきました。対局前にそのことを伝えたのが功を奏したようで、自分には比較的指し易い Colle のメインラインの1つになりました。

中盤、私はコンビネーションを用意しました。次の図は、私が 16.Re3 と指したところ。


3r1rk1/pbq2ppp/4pb2/1p2N3/2pP4/2P1R3/PPB2PPP/R2Q2K1 b - - 0 16

狙いは、17.Bxh7+ Kxh7 18.Qh5+ Kg8 19.Rh3 で受け無し。しかし、感覚的に危険を察知したそうで、16...g6。ガッカリしました。

エンドゲームは、オポジションを取って相手の陣地に入れると思っていたのですが、勘違いでした。


8/7p/8/3k2p1/p1p3P1/PpP2K1P/1P6/8 w - - 0 41

お互いのキングは左右に動くしかありません。白キングは f3 と e3 を往復。黒キングは e5 と d5 を往復。ドロー。

今日は、0勝1敗1引き分け。通算で、3勝3敗2引き分け。(8ポイント中)4ポイントだったので、トントンのようですが、自分よりもレーティングが高い相手が多かったので、レーティングは約60も上がります!

ちなみに、初対局の相手はいませんでした。それだけはちょっと残念でした。

2 コメント:

みとじん さんのコメント...

対G戦、終盤戦について。
(1)キングは攻め駒。
 駒の多いうちに下手にキングが顔を出すと流れ弾に当たって危険ですが、駒が減った終盤では、一転、「キングは最強の攻め駒である」(ロシアのコーチMark Dvoretskyの言葉)。
 ですから、白キングにc5まで迫られる前に、ルークでチェックして入れ違いに相手のポーンを取りに行く等、何か対処すべきだったと思います。

(2)ルークの差が形勢の差
 ルーク・エンディングでは、ポーンの数と形も大事ですが、それはだいたい均衡するので、ルークの働きの差が形勢を決めることが多いです。むしろポーンは捨てても、代わりにルークを大きく展開すれば「勝負のアヤ」が生まれます。
 ですから、対G戦のこの局面では、c6のポーンを守ることよりも、自陣に釘付けのルークを早く白の陣地内に進撃させることを優先すべきでした。

 GさんのRg8からの手順は確かに美しいですが、こういう手段があったこと自体、図では既に「相当、黒が苦しい」形勢であることを示しています。

 他のHPで言われているように、KAWANAKAさんは明らかにレーティング以上の力をお持ちですから、これからがとても楽しみです。多少なりともご参考になれば、と、思いつくまま一筆。

kawanaka さんのコメント...

みとじん様、

有益なコメントありがとうございます。

最初の図で ...Rfe8 としていれば白キングがe列に出てくるのを妨害できるし、次に ...Ree6 とすればルークの機動力も増す、とGさんも仰ってました。仮にそうしていれば、いただいたコメントの(1)(2)の両方をクリアしていました。自分の消極的なマインドがいけなかったと反省しています。

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