7ラウンド目。白。S君。Pirc。
15.f3 と突いたところです。黒はb2のポーンを取っている余裕はないので、黒がナイトを下げたらクイーンサイドにキャスリングしてb2とd4を一度に補強するという筋書きでした。ところが、黒の手は 15...exd4。見落としです。16.fxg4 dxc3 17.Qxc3 Bxg4。
ポーンを損した上にどちら側にもキャスリングも出来ません。
状況は悪くなる一方でしたが、ヘビーピースがまだ残っていたので奇跡的な一発逆転(あるいはパペ)の機会をずっとうかがっていました。特に Qxh5 が出来ないかと。しかし、そんな機会は訪れそうにないので以下の局面で諦めてリザイン。
レーティング詐欺は数多く見てきましたが、実力とレーティングの乖離幅が大きいという意味では今回の彼がダントツでしょう。彼は公式戦に2年以上参加していなかったので仕方ないのですが。
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8ラウンド目。黒。Y君。QGD Cambridge Springs Variation。
ここで白が考え始め、aポーンかbポーンを動かそうと2~3回したので Cambridge Springs に慣れていないことは明白でした(多いのは 7.Nd2、7.cxd5、7.Bxf6 あたり)。7.a3 Ne4 8.b4
ここで本譜は 8...Nxc3 9.bxa5 Nxd1 でしたが、検討戦の際に全日本に参加している強豪が局面を一目見て 8...Bxb4 が成立するかもしれないと言いました。驚いたことに 9.axb4 Qxb4 の後、黒は c3 のナイトを取れるので2ポーンアップ出来ます。Fritz先生もこのラインを最善として示しています。こんな手を瞬時に見つけられる人には一生勝てないだろうなと考えてしまう一方、こういう手をその場で教えてもらえるのがOTBの良いところだと実感します。
私には c6 のポーンを守るのが負担でしたが、白が 27.Nc5 を指したあたりから黒有利に傾きました。27...Bxc5 28.Rxc5 Rxe3 29.Rb1
e3のポーンが取られるきっかけとなった白の27手目が悪かったのだと思っていましたが、Fritz によるとそれ自体は問題ではなく(29.Rxa5としていれば)、自然に見える 29.Rb1 の方が悪かったようです。29...Re2+ 30.Kc1 Rxh2
...Re1# のメイトスレットになっています。31.Rc2 Re1+ 32.Kb2 Rxb1+ 33.Kxb1 Rxh3
このままピースアップの状態を維持し、最後の方ではルークの交換にも成功したので簡単なエンドゲームになりました。勝ち。
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結果は3勝4敗1分けの3.5/8ポイント。閉会式の抽選会でオープニングの本をいただきました。この本は 1.e4 e5 と 1.e4 e6 を扱っていますが、私は 1.e4 を指すことはありませんし、1.e4 に 1...e5 も 1...e6 も返しませんが、1.d4 e6 には 2.e4 という手順であえてフレンチにすることはあります。
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