2012年2月29日

『8(エイト)下』 キャサリン・ネヴィル著




最近は仕事でトラブルが多くてやや気分が沈みがちでしたが、この本を読んでいる時だけは気が紛れました。『指輪物語(The Lord of the Rings)』を最後まで読める人ならたぶんこの本も好きだと思います。エルフや魔法使いは登場しませんが、アイテムの争奪戦である点やストーリーの進むペースが似ていると感じます。最後の章、つまり結末はかなり好き嫌いが分かれるかもしれません。

知名度はそれほど高くないと思いますが40ヶ国語に翻訳されたくらいなので大ハズシということはないと思います。

2012年2月23日

池袋チェスクラブの例会

久々。常連さんの一人に「5~6年ぶりですか?」って言われてしまいましたが、去年一度行ってます。今日は私以外に4人いました。
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1局目。20分+10秒/手。白。Kさん。スラブ。序盤ポーンを損しました。そして、以下は20...Bxe4 とさらにポーンを差し出した上で 21.Nf4-h5 と跳ねたところ。怪しい手でしたが結果オーライ。勝ち。

r4rk1/3n1ppp/1pp2q1n/p6N/3Pb2P/1QP5/P2BB3/2K3RR b - - 1 21
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2局目。白。Tさん。チゴリンもどき。最後は1ポーンアップでしたが時間がなかった(部屋を出なければならなかった)ので引き分けに。

2012年2月22日

第七回小島チェススクール

4月22日(日)で北千住でチェスのイベントがあります。会場がいつもと異なるので今日は下見をしてきました。

駅前のマルイのビルの妙な生き物が目印になっています。以前、妻とあれはウサギか虫か議論しましたが、結局どちらでもありませんでした。

帰宅後、そのイベントはチェスの大会ではなく、GMによる同時対局だと分かりました。仕事が入らなければぜひ参加したいですね。

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今日のレクチャーのテーマは Exchange sacrifice。自分はあまり Exchange sacrifice を狙ってやったことはありません。相手のマイナーピースがあまりにもうざくて我慢できない時だけやむを得ずって感じ。ピース・サクリよりは失敗した時のリスクが低いという点には納得。

2012年2月16日

『8(エイト)上』 キャサリン・ネヴィル著


図書館で借りました。目次です(↓)。チェスっぽいのが分かりますよね?

私は読むのが遅いので返却期限までに読み終えられるかどうか心配で、着実に読み進められるように意識的に時間を確保・捻出するつもりでした。電車の中、会社の昼休み、病院の待ち時間、とか。杞憂でした。この本は先が読みたくてしょうがなくなるので、私にしては結構速く読めました。いつもなら気になる和訳の仕方もほとんど気になりませんでした。ツッコミたくなったのは(オープニング的に)ポーンを取ったはずなのにビショップを取ったかのように書かれていた箇所くらいです。原文ではきっとビショップの前にあるポーンを取ったからそうなってしまったのでしょう。

ストーリーは現代と過去(18世紀)がほぼ並行して進みます。現代と言っても1970年代ですからインターネットや携帯電話は登場しません。それだけなら21世紀の今との差は感じないかもしれませんが、やはりところどころにその時代を感じさせる機器(電報、テレックス)が出てきます。

まだ上巻しか読み終えてませんが、今のところ私が過去に読んだどのチェス関連の小説(『モーフィー時計の午前零時』、『猫を抱いて像と泳ぐ』、『チェスの話』)よりも面白いです。下巻もこのペースを維持して最後まで期待を裏切らないで欲しいです。

2012年2月12日

神戸へ

私は国内のすべてのチェスクラブに一度は足を運ぼうとしており、関東以外では仙台、静岡、浜松、名古屋、大阪、広島、福岡、久留米には顔を出しました。全日本選手権の地方予選はその良い機会なのですが仕事の都合もあってなかなか思うように参加できません。去年はどこにも行けませんでした。今週末は都合が良かったので神戸に遠征しました。チェスのためだけでなく前日は妻と神戸観光。

参加者が9人いることは事前に分かったのですが名前が出ていたわけではないので権利を勝ち取るために鼻息荒く全国から猛者が集結してくるものだと勝手に想像していました。実際には地元の人達の方が多く、そのうち3人は子供でした。今回当たった4人はすべて公式戦初対局。いつもと違う人と指したい私としては神戸まで来た甲斐があったと言えます。

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1ラウンド目。白。K君。今大会最強というよりは国内最強のアクティブプレーヤー。私対策をしてきたと聞いた瞬間は耳を疑いましたが単に主催者以外に参加することが判明しているのは私だけだったからでしょう。それで、やや変則的なオープニングに。


3rr1k1/ppp2pbp/2q3p1/4pb2/2P2n2/1PB1P1NP/P2NQPP1/R2R2K1 w - - 0 19

まったく予期せぬ手 18...Nd3-f4!?。これに対して 19.Qf1? Bd3 で負け。私がこのブランダーを指した際、まだ20分以上残っていたのだから時間を使って読むべきだとのご指摘。コップに入っている水が「まだ半分もある」と考えるか「もう半分しか残っていない」と考えるかの違いと同じで、この場合私には「もう20分しか残っていない」状況でした。特にフィッシャーモードの加算がないのでなおさら。タイムトラブルに陥ったらて負けたも同然なので、やはり持ち時間は温存したくなります。

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2ラウンド目。黒。N君。スカンディナヴィアン。勝ち。以下、途中の局面です。

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3ラウンド目。白。Oさん。クイーンズインディアンもどき。


2r1r1k1/pb3ppp/1p1ppbn1/3q4/6Q1/PP1B1N2/1BP2PPP/2R1R1K1 w - - 0 21

このゲームで一番悔やまれるのは上記局面で、21.Be4? と指したこと。21...Qb5 でどちら色のビショップでも交換可能な状況になりましたが、先に 21.Bxf6 gxf6 を挟んでから 22.Be4 だったらピースアップ出来ていたでしょう。

とどめの一撃は強烈でした。...Ne2+ と ...Nxg2 には気を付けていましたが、まさかの 30...Nh3+!

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4ラウンド目。黒。S君。スカンディナヴィアン。勝ち。以下、途中の局面です。

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自分のゲームが終わった後、別のテーブルのスカンディナヴィアンで始まったゲームを見ていました。1ラウンド目の私とは対照的に黒のプレーヤーは時間を必要なだけ使って最善手を探そうという姿勢が見て取れました。黒の持ち時間は僅かだったと想像しますが、白からのドローオファーを蹴って勝ちを目指して指し続けました。結果的には負けてしまいましたが、見事なファイティングスピリットでした。

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大会の写真は後日掲載します。

2012年2月8日

小島チェススクール第六回目


今回のテーマは「盤全体でのプレー」。前回の「クイーンサイドへの攻撃」もそうですが、こういうテーマのレクチャーを受講したからにはキングサイドの攻撃ばかり考えるのはやめようという気になります。しかし、現在進行中の通信チェスの自分のゲームをそういう視点で見てみると何も全ゲームキングサイドを狙っているわけではありません。偶然ではないでしょうが、自分が攻撃をしているゲームというのは白番が多いです。黒番だとイコール以上にしたいともがいていることが多いですね。

以下の2局面はいずれも今回のレクチャーで取り上げられたものです。カルポフの指した 24.Ba7 も、カスパロフ(の相手)が指した 18.Qh6+ も見覚えがありました。どちらも最近 High-Speed Replay Training(手の意味は考えずにとにかく高速で並べる)で参照した『The Mammoth Book of the World's Greatest Chess Games』に載っていたに違いないと思って帰宅後に確認したら、なんと、どちらも載ってませんでした。きっと HSRT で利用したどれかの本のどれかのゲームに似たようなポジションがあったのでしょうが、気になってしょうがありません。自分がどこでそれらを見たのか突き止めたい ...



2012年2月5日

『The Mammoth Book of the World's Greatest Chess Games』


私はあまり棋譜を並べる方ではないので(時間があれば通信チェスの手を考えるか、tacticsの問題を解くか、自分の過去のゲームを振り返るのがほとんど)『The Mammoth Book of the World's Greatest Chess Games』は避難用リュックの中で眠っていました。読むとしたらきっと災害でどこか体育館のような場所に集団避難して暇でしょうがない状況しか考えられなかったからです。しかし、日課として続けている High-Speed Replay Training(手の意味は考えずにとにかく高速で並べる)ではとにかく良質なゲームの棋譜が必要なので、この本がリュックの中から引っ張り出されてきて日の目を見ることになりました。

過去から現代までの歴史的に重要なゲームや素晴らしいプレーのゲームを112ゲーム選りすぐり、解説した本です。HSRTの性質上、もったいないと思いつつも解説は読み飛ばしてとにかく出来るだけ速く並べました。

速く並べているので個々のゲームの内容はあまり覚えていませんが、オープニングのパターンを多少認識出来ました。例えば、Ruy Lopez はいろんなバリエーション(Arkhangelsk, Moller, 等)が登場しましたが、縁のない私には区別がつきません。しかし、区別がつかなくても白は c2-c3 とし、白マスのビショップが Bb5-a4-c2と移動するためスペースを確保するのが常套手段であることは分かりました。また、自分のオープニングの好き嫌いを(再)認識しました。前からポーンストラクチャーが好きでない King's Indian Defense はやっぱり白でも黒でもやる気がしません。Ruy Lopez も同様に白でも黒でもこれなら指してみたいというポジションになりません。想像していたよりも悪くないなと思えるようになったのは Semi-Slav の Anti-Meran Gambit。このオープニングはそんなにポピュラーだとは思ってなかったのですが、この本では何回か登場しました。以前は白の e4-e5 突きで黒の f6 のナイトがピンされる形が嫌だったのですが、その先まで進むと黒にもチャンスがあるように見えます。この本を読む前はポーンをギャンビットしているのは白(5...dxc4)の方だと思っていたのですが一連の流れ(8...g5 9.Nxg5 hxg5 10.Bxg5)が終わった後にポーンの数が少なくなるのは黒の方なので、ギャンビットしたことになるのはもしかして黒の方?

HSRT だとチェスの全フェーズ(オープニング、ミドルゲーム、エンドゲーム)をカバー出来てそうですが、棋譜集がベストゲーム集だったりすると派手なサクリファイスで勝負が決まる場合が多いせいか、いわゆるエンドゲームは少ないですし、ドローも少ないです。

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Chess.com で私が参加している大会の1つである "No Mercy" Gutter Brawl の1ラウンド目における私の最後のゲームがようやく終了しました。グループ内の全員と白黒同時進行させるこの大会では私にはゲーム数が多過ぎで(22ゲーム)参加したことをちょっと後悔しています。グループ内の成績はトップでしたので(赤いアイコンでハンドル名 scandinavian_blitz が私です)、幸か不幸か次のラウンドに進出することは確定的。大会全体でまだ18ゲーム残っているので、それらが終了すると同時に第2ラウンドが開始します。突然22ゲームが増える日が怖いです。

2012年2月3日

1v1 Najdorf - Round 3 開始


1 day/move は私にとって短いですが、この大会は相手が常に1人(1ゲーム)なのが救いです。他の大会だと10ゲームとか20ゲームとか同時に行なう(いくらスカンディナヴィアンのように自分が好きなオープニングでも同じようなゲームがたくさん続くと段々飽きてきます)ので、それに比べたらなんて良心的な設定なんだろうとつくづく思うようになりました。

100人50組で始まったこの大会はタイブレークがないため、第2ラウンドに50人よりも多い55人が進み、第3ラウンドには同様に33人が進出しました。

私は今回白番から始まりました。OTBで黒番で痛い思いをした際に相手が Bc4 を指していたのを真似て最初の2ラウンドは 6.Bc4 を指しましたが、他のラインも試してみたくて今回は 6.Bg5。勉強という意味では本当は相手に自分と同じような手を指して欲しいのですが、残念ながら初手から自分だったらまったく指す気のない 6...Nc6 を指されてしまいました。

2012年2月1日

スターバックス

■妻が今日寄ったスターバックスの市ヶ谷駅前店のテーブルです。ちゃんと(?)8×8マスになってます。日本のスタバにはないでしょうがアメリカのスタバにはチェスセットが置いてあるという話を最近聞きましたが、そういうものなのでしょうか?



■妻の親友が『猫を抱いて像と泳ぐ』を絶賛したそうです。私はそうではありませんでしたが、やっぱり同じ本を読んでも評価は人それぞれですね。