2014年8月23日

小島君のレクチャー: Tal


今日の小島君のレクチャーは Mikhail Tal のゲームの紹介でした。私は歴代の世界チャンピオンのことをあまり知りませんが、タリだけは「サクリファイスをよくする」「リガの魔術師」「タリのナイトは速い」「不健康」のような特徴を耳にします。以下は今日取りあげられたゲームの1つで、タリは白。
1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 g6 6.Be3 Bg7 7.f3 Nc6 8.Qd2 Bd7 9.0-0-0 Qa5 10.Kb1 Rc8 11.g4 h6 12.h4 a6 13.Be2 Ne5 14.g5 hxg5 15.hxg5 (以下の局面)

ここで黒は 15...Rxh1。16.Rxh1 とすぐに取り返すのが多くの人が一番最初に考える自然な手だと思いますが、タリはここで 16.gxf6 です。それに対して黒はごく自然な 16...Rxd1+ (以下の局面)。

多くの人はここで 17.Qxd1 か 17.Bxd1 でしょうが、ここはまさかの 17.Nxd1! でクイーン交換を誘います。17...Qxd2


ここはノータイムでクイーンを取り返す人が多いと思いますが、ここでタリはとどめの 18.fxg7。黒はプロモーションを止められません。また、メイトスレットになっています。ここで黒はリザインしたようですが、仮に続けていたとしたら 18...Be6 19.g8=Q+ Kd7 20.Qxc8+ Kxc8 21.Bxd2 で、これだと白は2ピースアップです。

一見無謀に見えるけれども最後まで計算されている手なんですね。すごいです。

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