2010年4月3日

R対R+Pのエンドゲーム

前回の投稿のポジションがまだ気になっています。いただいたコメント(1...Rf4 2.Re3 Kd5 3.Kg5 Rf8 4.f4 Rg8+ 5.Kh6 Rf8)で 本当にドローなのか。今日は Just the Facts! のルーク・エンディングの章をパラパラとめくり、このようなポジションを見つけました(白番)。


1r6/3k4/8/8/1PR5/1K6/8/8 w - - 0 1

これはコメントのラインの 3...Rf8 の直後に似ています(下の図)。



Just the Facts! によると、ポーンをルークで守れればたいていは勝ちで、載っているラインは 1. Ka4 Ra8+ {1...Rc8 2. Rxc8 Kxc8 3. Ka5 +-} 2. Kb5 Rb8+ 3. Ka6 Ra8+ 4. Kb7 Ra4 5. Rc7+ (下の図)で白勝ちだそうです。



しかし、黒にはルークを a8 と b8 を行ったり来たりさせるのではなく、いただいたコメントの発想を真似て ...Kd7-d6-d5 とキングを近づけるという手もあります。それだと少なくとも本に書かれている手法では勝てません。

GMが書いた本の中でわざわざ“たいていは勝ち”という例に用いられたポジションにドローの手順があるというのもちょっと考えにくいですが、1.Ka4 Kd6 の後 2...Kd5 狙いだと勝ちのラインを見つけられません(私には)。

5 コメント:

nekou さんのコメント...

はじめまして。いつもブログ楽しませてもらっています。
エンドゲームの勉強で行き詰ったら、例えば
http://fiorechess.org/page.php?3
のようなデータベースのサイトを利用してはいかがでしょうか。
上記のサイトだと、最高で6個の駒が残っているケースまで(だったかな?)対応していて、即座に結果が出ます。
もっとも、どうしてそういう結果になるのかは自力で解読する必要がありますが、結構重宝します。

Yamagishi さんのコメント...

 1.Ka4 Kd6 の後は 2.b5 と突いて白の勝ちですね。2.b5 の意味は白ポーンと黒ルークの間隔を2枡に縮めるということです。間隔が2枡ならば白ルークが白ポーンを支えなくても白キングが7段目に行けます。2.b5 の後の具体的な一例は 2...Ra8+ 3.Kb4 Rb8 4.Ka5 Ra8+ 5.Kb6 Rb8+ 6.Ka6 Ra8+ 7.Kb7 です。

kawanaka さんのコメント...

nekou さん、Yamagishi さん、

ありがとうございます!そのサイトは素晴らしいです。ちゃんと勝ちの手順を示してくれています。「Kb3-a4 Win in 34、Kb3-a3 Draw、Kb3-c3 Draw、…」 の Ka4 をクリックすると「Rb8-a8 Lose in 33、Kd7-e7 Lose in 32、Kd7-d6 Lose in 32、…」と選択肢が表示されます。気になっていた ...Kd6 をクリックすると、「b4-b5 Win in 32、Ka4-a3 Draw、Ka4-a5 Draw、…」 で Yamagishi さんのコメントの通りになります。

次に自分のゲームの 3...Rf8 の直後のポジションを入れてみたら結論が Draw とはっきり出ました。こんなにズバっと答えを教えてくれると甘やかされている気もしますが、やはり便利です。

manabe さんのコメント...

ルークでポーンを止めるには、後ろからが最善で横からが次善、というのが大原則なのですが、この形(Frontal Attack)も重要ですね。私も自分のゲームに記憶があったので調べてみたら、5年前に2回類似の形になっていました。
(1)白Kg3/Re2/Pg4,黒Kd5/Rf8,黒番[佐藤(智)-真鍋,2005年百傑戦] 64...Rg8!が唯一のドロー、実戦は64...Kd6? 65.g5!で白勝ち。
(2)白Kd3/Rg3,黒Kf5/Re1/Pf6,白番[Robertson-真鍋,2005 Japan Open] 51.Rg2!が唯一のドロー、実戦は51.Rg8? Kf4!で黒勝ち。
Yamagishiさんのコメントの通り、この形ではポーンとルークの間隔が重要ということですね。

kawanaka さんのコメント...

manabe さん、
ありがとうございます。二つ目は直感では分からないですね。FEN記号を載せておきます:
5r2/8/8/3k4/6P1/6K1/4R3/8 b - - 0 1
8/8/5p2/5k2/8/3K2R1/8/4r3 w - - 0 1

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