2017年1月21日

『いちばん学べる名局集』


1日1局並べることを日課にすることで『いちばん学べる名局集』を読み終えました。チェスの本をきちんと読み終えたのはすっごく久しぶりです。

これは Irving Chernev 氏の『The Most Instructive Games of Chess Ever Played』の和訳版です。この本の評価は非常に高いです。Amazonでも、twitter でも。


掲載されていた62ゲームの中で一番印象的だったのは 1895年のゲームで Pillsbury が上の局面で指した 32.e4! です。32...dxe4 33.d5+! で黒キングはd5のポーンを取れないし(取ったら e6-e7-e8 を止められない)守りに縛られて動けなくなるという状況は私でも「あ、なるほど」って思えます。また、このゲームが指された時代背景も気になります。インターネットでいろんな情報が簡単に手に入る21世紀の現在(例えば、この本に掲載されているゲームはすべて ここ で見れます)に比べると、このゲームが指された19世紀はラジオも電話も普及していなかったはずだし、ソ連もまだチェスの知識を体系化していなかったのに、このアメリカ出身のプレーヤーはどのようにして名局を残せるほどの実力をつけることが出来たのか知りたいです。

この本を読むことを自分に課した理由は以前も書いたように今まで自分がほとんど棋譜並べをしてこなかったからです。では、この本を通じて多くのことを学べたかというと残念ながらそんなことはありません。しかし、この本自体の品質の高さは疑う余地がなさそうなので、もしそうだとすれば、私がこの本が想定している読者のレベルに到達していないか、1日1局という課題クリアを優先していて「理解」ができていなくてもサクサク進めたのが原因でしょう。なので、次のステップとして、この本で取りあげられているゲームを1つか2つ時間をかけて「理解」することを試みます。そうすることが役立っていると感じられればこの本の残りのゲームも同じようにし、駄目そうならば他の本を読みます。

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