2025年11月30日

レベルアップ チェス大会(2025年11月)

このレベルアップ チェス大会に参加するのは2回目です。タイムコントロールは15分プラス10秒/1手。

会場には、なんと、以下のようなバナーが掲げられていました。今後もこのレベルアップチェス大会を開催するという意気込みを感じます。



5月の大会は4ラウンドまででしたが、今回は5ラウンドまでありました。開始時刻を早めたようですが、1ラウンド増えてお得になりました。

また、今回はアービターの平均レーティングが高い(1916)という話がありました。それよりも私はアービター6人のうち5人がコロナ前から知っているプレーヤーの方々で驚きました。
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1ラウンド目。黒。S君。Scandinavian。

白が 22.Qd1 と指したところ。このチャンスは見逃しませんでした。

22...Nxa3。これでポーンアップ。この後は 23.bxa3 Rxc3 24.Re3 Qc7 25.Kg2 Rxc2(下の図)。

26.Bxd5(下の図)。意表を突かれました。このビショップを取ったら 27.Re8# なので取れません。


最終的には threefold のドローになりましたが、私はピースアップしていたのでもったいなかった気もします。下の図がほぼ最終局面です。

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2ラウンド目。白。Wさん。Dutch Defense, Staunton Gambit Accepted。

4...d5。この手は間違いだと知っていたのでちょっと安心。5.Bxf6 exf6 6.Qh5+ g6 7.Qxd5 Qxd5 8.Nxd5(下の図)

Gambit のはずなのにここでポーンアップできます。

18.Bd3(下の図)

18...Nxd4。驚きました。これで黒がポーンを取り返します(下の図)。



a2 のポーンが取られそうなのは分かってはいましたが、時間が足りなくて、24.a4 を指したらビショップをサクッて来そうという漠然とした恐怖感があって指せませんでした。で、24.Nxh7(上の図)。24...Raxa2 25.h4(下の図)

ここから ...Rb2+ と ...Ra2+ の繰り返しでドロー。
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3ラウンド目。黒。O君。Scandinavian。


11.d5(上の図)。センスの良さを感じます。ルークが回ってくると分かっていても他に良い手が見つからず 11...Nxd5 と取ってしまいました(下の図)。このナイトは 12.Rad1 の後に 13.c4 とされて死亡します。


もう負けるのは分かっていますが 14...a6(上の図)。それに対して、15.Nxc7!!(下の図)。危うくクイーンで取りそうになりましたが、取ったら Rc1 でアウトです。あまりにすごくて感心しました。

当然、負けです。
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4ラウンド目。白。Kさん。Queen's Pawn Opening。


32...Rg5(上の図)。...Qxh3 を避けるために 33.Kh2(下の図)。


33...Bf1(上の図)。これは痛いです。g2 を守るには fポーンを突くしかありませんが、34.f4 Rxg2+(下の図)。

クイーンを捨てざるをえません。35.Qxg2+ Bxg2 36.Kxg2。この先も粘りましたが時間切れ負け。
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5ラウンド目。黒。Oさん。本日3回目の Scandinavian。


だいたいこんな局面で白の時間が切れました。
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3ラウンド目と4ラウンド目の自分が攻撃を受けている時は心臓がバクバクしていました。そして、ゲームが終わった後もそれが続いていました。さらに、最後のゲームが終わった後は手が震えていました。OTBのチェスはオンラインのチェスよりも興奮度が違うということを実感しました。

2025年5月25日

レベルアップチェス大会

私はタイムコントロールが短いゲームは苦手なのでコロナ前は持ち時間の長い(90分以上)大会にしか参加していませんでしたが、それはもう気にしないことにしました。

申し込みの際、自分は下の方のクラスだろうと思っていたのですが、いざ自分のレーティングを確認したらいつの間にか過去最高であろう1680まで上がっており、クラスA(1600-1799)になりました。まるで大会が始まる前から既にレベルアップが済んでしまったかのよう。
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開会式の前に「今更聞けないルール解説」が実施されました。正しいドローオファーが難しいという話がX(旧Twitter)で挙がっていることへのJCFなりの対応のようです。良い企画だと思います。

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1ラウンド目。黒。Aさん。QGD Cambridge Springs Variation。

7.Nd2 は定跡通りなのですが Chess.com のブリッツではおおよそ指されません。この1手でOTBは Chess.com のブリッツとは違うことを再認識しました。


エンジンの評価値を見る限りは途中まで意外にも善戦していましたが、最後は相手のパスポーンを止められず、43.Re8 でリザイン。
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2ラウンド目。白。M君。Colle System。

12.c4 は罠です。嬉しいことに黒は取ってくれました。12...dxc4 13.Bxh7+ のdiscovered checkで黒はクイーンが落ちます。

黒からも反撃はありました。16...Bh3

17.g3 Bxf1 18.Kxf1。仕方ありません。


私の直前の手は 27.Ng5。黒の指した 27...f6 は間違いで2手メイトになります。28.Qd5+ Kh8 29.Qxa8#。これで全敗は免れてホッとしました。
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3ラウンド目。黒。N君。Scandinavian Defense。


18...Qc7 は 19.f4 を誘う手(それを守っているc3のビショップは ...Nxc3 で消せるので)。白は期待通り指してくれたので、19...Ne3 のナイトフォークが入ります。

この大会は棋譜の記録は任意です。基本的に私は棋譜をとるように努めていたのですが、このゲームは時間が足りなくなって以下の局面で記録を断念。ここから先の局面の再現は諦めました。

最後は threefold になりそうだったのですが、それを嫌がった私がクイーンをタダで取れるマスに置いてしまい、即リザイン。残念です。
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4ラウンド目。白。Hさん。着ていた Knightmare のTシャツで町田チェスクラブの方だと分かりました。Colle System。


相手に孤立したdポーンを持たせ、マイナーピースをナイト対ビショップにしたところまでは自分の期待通りだったのですが、3ラウンド目と同様にクイーンをタダで献上するブランダー(28.Qe8+)をかまして即終了。やっぱり自分は持ち時間が短いゲームには不向きだと感じました。

ゲーム後に検討戦をしたのですが、自分の狙いはほとんど相手にバレバレだったことが判明。
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コロナ前から会っていなかった人達に会うことが出来たし、X(旧Twitter)でやりとりした人にも実際に会うことができたので、チェスの結果が悪くとも参加した甲斐があったと感じます。コロナ前ほどではないにせよOTBの場にもちょくちょく顔を出そうと思いました。

2024年7月20日

ギネス世界記録に挑戦/FIDE 100


最後にOTB(≒オフライン)のチェスを指したのは3年前。チェスのゲームも練習も毎日やっていますがオンラインでした。多くのチェス勢がOTBに復帰しても私はコロナを警戒して遠のいたままでした。

今日参加した大会(FIDE 100)はチェスの世界的な運営組織であるFIDEがその設立100周年を記念し、ギネス世界記録に挑戦すること目的とする大会です。目指すのは24時間以内にプレーされたゲーム数の記録です。ギネス記録に貢献できる機会なんて滅多にないので、これを機にOTBに復帰しようと思いました。

今回の参加者・見学者・運営スタッフのうちの8人と挨拶することができました。意外に皆さん、変わっていません。私は3年前よりも13kg 減っているので体形が変わったはずなんですが、気付いてもらったのかは分かりません ...
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1ラウンド目。黒。I君。Scandinavian。


相手は小学生ですが、さくさく定跡通りに指してくるのでオープニングは分かっているのを感じました。


この 10.Bf4 は 11.Ng6 を狙っているのが分かります。「この子は強い」と確信。


23.Qxb6 axb6 24.Nxb7 でポーンを損しますが仕方ありません。白がこちらの駒を取ったので、23...axb6 を指したのですが、相手はチェスクロックを止めてアービターを呼びました。こういう作法をちゃんと知っているのもさすがです。そして、あらためて盤面を良く見ると、

白が指したのは 23.Qxb6 ではなくて 23.Nxb7。私の手はイリーガルなので相手の持ち時間に1分が加算されました。しかし、touch and move の原則だと私は a ポーンを動かさなければなりません。つまり、クイーンが落ちます。なので、ここでリザイン(降参)。
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2ラウンド目。白。Sさん。Colle System。


26...Nd2+ は予期していなかった手。感覚的には負けだと感じていたので、評価値がこうして白の有利を示しているのは意外です。


時間切迫でここで黒のビショップが取れるのを見落としていました。29.Re2 Qd1+ 30.Re1 Qxg4。

リザイン。
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3ラウンド目。黒。Nさん。Anti-Colle。


この 29.f4 で負けたと思いました。30.Qxg7+ を喰らったらゲームオーバーです。

なんとか 29...f5 をひねり出せて良かったです。まだゲームを続けられます。


ポーンをつまみ食いしていた私とは異なり、白は7段目をルークで占拠して私のキングに猛攻を加えていました。しかし、白のイニシアティブが途切れると、ポーンが役に立つ時が来ます。白は 35...c2 でリザイン。

参加することに意義がある大会なので勝敗はあまり重要ではないのですが、さすがに全敗は精神的にきついので、正直 勝てて嬉しかったです。

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4ラウンド目。白。M君。

この大会は棋譜を取る義務がありません。私はそれでも棋譜を取っていましたが、最初に当たった3人は棋譜を取っていませんでした。4人目の相手は棋譜を取っていたのでちょっと親近感を感じました。


黒は 3...Nc6 で cポーンを動かせなくしているし、5...e6 で白マスのビショップを自ら封印しています。これを見てちょっと安心。


私の手は 13.e4。取ってくれることはあまり期待していませんでしたが、取ってくれました。13...dxe4 14.Nxe4。


黒の黒マスビショップはもう助かりません。あとは自分がブランダーさえしなければ勝てると感じました。


終盤の黒の 27...Rc7 のような、とりあえず相手の駒に当てるような動きは、そんなにメリットはありません。ルークとキングで協力してポーンを取りに行く方がプランとしてはマシでしょう。しかし、大昔の自分もそういう手を指していたことを思い出しました。自分はチェスを始めてからあまり上達を感じられていなかったのですが、実は少しは進歩していることを認識できました。


ここで、37...Rxa5 38.b8=Q。黒はリザインしなかったのでチェックメイトになるまでゲームを続けました。
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最近は外国からの参加者も増えており、運営側も日本語と英語で案内するようにしているようです。開会式や閉会式の挨拶も二か国語分準備されていました。決して楽なことではないはずです。そんな運営のスタッフの皆様方にはスムースに大会を運営をしていただき感謝しております。




2021年11月23日

Japan Open 4日目: スタッフの皆さま、ありがとうございました。



7ラウンド目。黒。Kさん。English。


また、minority attack が来ました。

私はキャスリングをしましたが、コンピュータは ...a5 が最善だったと言ってます。そして、この後も何度も何度も ...a5 が最善だったと言われたのでその回数を数えてみたらなんと11回もありました。それだけ、このポーンストラクチャーに対する対処法が分かってないってことですね。


白の直前の手は 24.Rac1。h6のナイトがウザいのでちょうど ...Bg5 で追い払いたいと考えていた時にその白の手は私にとってラッキーでした。で、24...f5!。

コンピュータにもお褒めいただきました。白がほぼ何をしても、次は 25...Bg5 で、Exchange up は確実。でも、そのわりには評価値(-0.3)が低いですね。


ここは 29...Qxd4 か 29...Qxf5 か悩みどころ。勝ちにいくならポーンを取れる 29...Qxd4 でしょう。しかし、相手にクイーンが残るということは逆転の機会を白に与えることになります。相手は unrated ですが、今大会の成績を見るからに(私が勝てない相手2人に勝っている)棋力は相手の方が高いと判断していました。なので、クイーン交換をしてドロー以上を確定させました。チキンです、はい。

最後は白の時間が切れて私の勝ち。
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2勝2敗3ドローで、最終的には3.5ポイント。私のスタート順位は70人中45番目で下半分に入っているのでポイントを半分取れて満足です。

しかし、繰り返しになりますが、1手に数分使えるのは幸せです。また、どのゲームも3時間とか4時間とかぶっ続けでしたが意外と集中力は切れませんでした。ブリッツでありがちな駒がタダでポロっと落ちるみたいなのは皆無でした。
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この大会は素晴らしかったです。閉会式で主催者が自らを褒めていましたが、全然OKだと思います。

この大会にはスタッフが大勢いました。10人以上。国内の大会では過去最高の人数だったかもしれません。部屋が複数ある場合、下位ボードの部屋はおざなりになりがちですが、この大会では下位ボードの部屋でも常にスタッフがいました。また、通訳のスタッフがいましたが、それも初めてかもしれません。運営の質はスタッフの人数にある程度比例するでしょう。毎回これだけの人数を確保するのは難しいかもしれませんが、今後もこうだとありがたいです。

スタッフの皆さま、ありがとうございました。

ちなみに、初めて見る外国系のプレーヤーが何人かいましたが(私の対局の相手の2人を含む)皆さん日本語が流暢で驚きました。通訳いなくても大丈夫だったかもしれません。