2014年6月22日
小島君のレクチャー、ポーンのエンドゲーム
K+P 対 K のエンドゲームならばどのエンドゲームの本にも共通して載っているようなポジションであればだいたい分かります。しかし、それを実戦で応用できるかと言えばかなりあやしいです。例えば、以下は白番で白勝ちですが、結構難しいです。
2k5/8/8/7p/8/8/6P1/5K2 w - - 0 1
一番最初に思いつきそうな白キングが黒ポーンを最短ルートで取りに行く方法は、黒がポーンを捨てると失敗します。 1.Kf2 h4 2.Kf3 h3 3.gxh3 で白ポーンがh列に移動すると黒キングはg8とh8のマスを抑えてドローに出来ます。
だからといってg1のマスを経由しようとすると、1.Kg1 Kd7 2.Kh2 Ke6 3.Kh3 Kf5 4.Kh4 Kg6 と黒キングによる守りが間に合います。
では、どうすればいいかというと、1.Kf2 h4 の後に 2.Kg1 と下がるという直感的には思い付かないような手を指すしかありません。相手が自分と同じレベルのプレーヤーならば白でも黒でもお互いにこういう手を指せることはなかなかないでしょうけどね。
2014年6月21日
慶応チェスクラブ、日吉の例会
考えるのが遅い私にはここの30秒/1手のフィッシャーモードがありがたく感じます。
1ラウンド目。白。Uさん。Colle。私はRf1-f3-h3と指すことが多いです。そのh3のルークは身動きが取れなくて無いも同然のピースになることもありますが、今回は有効活用できました。24.Rh3-h6
r3q1k1/pp2b2p/4Pr1R/2P1Qpp1/2B1b3/1P2P3/PBP4P/5RK1 b - - 2 24
ひもは付いていませんが、24...Rxh6 なら 25.Qg7# なので、黒はこのルークを取れません。f6で取り合えば白はピースアップします。勝ち。
ちなみに、ゲームの途中で左手がa1のルークに当たって倒れました。Touch and move が適用されるのかどうか分かりませんでしたが、無駄にルークを動かしました。これは事後的な「直します」で良かったのでしょうか?
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次のラウンドまで1時間半近くあったのでブリッツを何局か指しました。昔は5分は短すぎと思っていましたが Chess.com でたまにbullet(2|1)を指すせいか長く感じました。かと言ってちょっと長考すると時間が切れてしまいます。タイムコントロールに合ったスピードで指すのは難しいですね。Dutch は Chess.com では滅多にお目にかかれないので忘れかけていましたが、良いリハビリになりました。
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2ラウンド目。黒。Aさん。ただでさえ黒は展開が遅くなりがちな Scandinavian で序盤早々寝ぼけたような手を指してしまい、苦しくなりました。ピースが減って窮屈さが解消されてきたあたりで 27...exd5 でポーンアップ出来たと思ったら ...
28.Rc5 でそんな甘くないことを思いさらされます。28...Bb4 29.Rcxd5 Rxd5 30.Rxd5 Rxd5 31.Bxd5 でルークを総取っ替えし、逆色ビショップが残り、その4手後にドローオファーしたら相手は受けました。
Dead draw だと思っていたらそうでもないようです。異色ビショップになった後の白側を小島君が指したらあれよあれよという間に黒が悪くなりました。つまり、逆色ビショップでポーンの数が同じでも自動的にドローではない、ということです。自分のゲームを題材にこうしたことを教えていただけるのは非常にありがたいですね。
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