借りていたDVD『Scandinavian: The Easy Way』を見終えました。今度の松戸の大会で返そうと思っていたので、急いで見ました。本を読むのに比べるとペースが速いのがいいですね。1つのラインが10分前後の動画になっているのですが、途中でポーズして実際に並べてみても30分くらいで見ることができます。これに対し、本の1章は10~30分ではとても読めません。それどころか、オープニングの本を最初から最後まで読み切ったことはありません。そういう意味ではDVDは非常に効率が良かったです。
著者はどのラインに対しても黒が不利にならないゲームを紹介して、「だから、黒は大丈夫」と言います。しかし、それはそういうゲームを著者が意図的に選んでいるからだし、大丈夫なのかどうかも主観の問題です。「大丈夫」と太鼓判を押されてしまうと逆に不安になります。スカンディナヴィアンが最善のオープニングでないことくらい重々承知しているわけですから、本当は各ラインの黒側のデメリットも正直に教えてくれた方がもっと安心して使えます。それなのに、著者は黒の方がピース展開が遅れているという明らかなデメリットでさえ口にしないので、本当は隠し事があるのではないかと勘ぐってしまいます。
3...Qd6 を採用するかどうかは迷っています。それは上記のような理由ではなくて、同じスカンディナヴィアンでも、3...Qa5 と 3...Qe5+ に比べるとポーン・ストラクチャーが異なるからです。しかし、それでも、何か新しいことを試したいと思ったら(特に公式戦で)、少なくとも他のオープニングよりは気楽に試せそうです。
6 コメント:
つかぬことをお伺いいたしますが、"New in Chess Yearbook"はお持ちですか?年四回刊の定跡の雑誌です。
みとじん様、
JCAの大会の景品として一度だけいただいたことはあります。1990年頃の古いやつですが。スカンディナヴィアンに関しては、Ian Rogers が 3...Qa5 から ...Bg4 を指しているライン(現在はおそらくメインラインではない)が載っていたのは覚えています。
わかりました。では、週末の北千住で、話の続きを。
(みとじん こと 神田大吾)
はい。よろしくお願いいたします。
馬場五段のブログを見て知りましたが、先日のジャパンリーグでの中村光GM、後藤戦(2)とFranklin Samuel戦(6)、二局もスカンディナヴィアンを指しているんですね!
GMヒカルと後藤さんのゲームは私の席から見えていたのでスカンディナヴィアン(3...Qa5)を指していたのは知っていました。ちなみに、昨年の後藤戦でも彼はスカンディナヴィアンでした。スカンディナヴィアンを肯定してくれているようで私は嬉しいです。
中村ヒカル本人のブログ(http://www.hikarunakamura.com/main/Blog.aspx)も読んだので(enju さんのブログからリンクが張ってありました)、サミュエル戦でもスカンディナヴィアンを使っていたのは知っていました。ブログでは「準備していたラインだと互角にしかならないので、そのラインを外して勝つために大きなリスクを取った」という主旨のことを彼は書いていました。スカンディナヴィアンでは、白が最善を尽くすと、中村ヒカルでさえ形勢をひっくり返すのが難しいということなのでしょう。しかし、オープニングでは不利にさえならなければ十分で、中盤以降で実力勝負、と考えるようにしたいです。私の場合、実力勝負だとほとんどの人に負けてしまいますが。
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