2011年8月29日

松戸のサマートーナメント2日目

3局目。黒。Kさん(1869)。1.d4 対策をしてきたのに 1.e4 が来て肩すかし。スカンディナヴィアン。罠のあるラインに誘い込まれることを恐れていましたが、意外になんとかなりました。展開が終了した時点で黒でこれなら満足でしょう。

以下は白が22.g2-g4と指したところ。

r2r2k1/2pq1pbp/4p1p1/pp1b4/3PBBP1/P1P2P1P/1P2Q3/1K1RR3 b - g3 0 22

私にはその意図が分からなかったので気にせず 22...b4 で攻撃。23.Bxd5 exd5 24.Qe7 と続きましたが、22.g4 が抜けていると ...Qf5+ でビショップが落ちたそうです。私が苦手とするポーンが動いた後の状況をきちんと把握されていたわけでちょっと驚き。

クイーン交換後、しばらくしてドローオファー。受けていただけました。

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4局目。白。A君(1699)。ピルツ。

r4r2/pp1bppk1/1q1p1np1/4n2p/3NP2P/2N2P2/PPPQB1P1/2KR3R w - - 2 14

白の方が良かったと思いますが、ここで 14.Rhg1?! としたのが後々悔やまれました。hファイルはクローズだし、hポーンを守る必要もないと考えたのが間違い。

相手の時計が落ちそうだったのでドローオファーしましたが蹴られ、最後は以下のR対Nのエンドゲームでプロモーションを許してしまい、負け。

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5局目。黒。Hさん(1467)。スカンディナヴィアン。黒の展開が終えた時点でこんな感じ。



27...Qd4 は ...Qxf2 を狙った手です。しかし、白クイーンからのチェックが途絶えずスリーフォルドのドロー。

5k2/5ppp/p3p3/1p6/3q4/P1Q4P/1PPr1PP1/4R1K1 w - - 4 28

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0勝3敗2引き分けの1ポイントはおそらく最下位ですが、あまり自信のなかった ...Qd6 系のスカンディナヴィアンでも戦えることが分かったのが収穫です。

大会の写真は近日中に掲載します。

2011年8月27日

松戸のサマートーナメント1日目

1局目。白。Yさん(1662)。べノニ。以下の局面から 27.h3 Rb8 28.Qc4 Rb1+ 29.Re1 Qb6 30.Kh2 Qb2 31.Rxb1 Bxb1 で劣勢に。負け。時間的にもきつかったです。

r2q4/5pkp/3p2p1/pQpP1b2/8/2P1RN2/P4PPP/6K1 w - - 5 27

2局目。黒。Hさん(1897)。スカンディナヴィアンを指しているとは思えないくらいなかなか良いピース配置。

r4rk1/1bp2ppp/p2bp1q1/1p5n/3P4/1BN2P1P/PPP1QBP1/3RR1K1 w - - 3 18

ナイトは ...Nf4 狙いでしたが、18.Qd3 Qg5 19.Ne4 Bxe4 20.fxe4 で攻撃が止まってしまいました。


fポーンが動いたことで ...Nf4 は Qf3 で止められますし、うだうだしていると e4-e5 が来そうです。ここらへんで時間を使いすぎて結果的に時間切れ負け。

2011年8月21日

イタリア料理の店にて

テーブルの上に何やらチェス盤のようなものが。

聞いたらチェスセットでした。駒もあるというので並べてみました。

白マスには中国風の絵が描いてあります。駒も中国風です。

妻と一局指して負けました。言い訳は駒の判別がしにくかったということで。

シェフと少し話しました。国によってルールが少し違うみたいと言ってましたが、それはないでしょう。

2011年8月19日

オートマタ

7月のJCAのサマーオープンで演劇『オートマタ』のチケットが2名の方にプレゼントされました。そのうちの一人は忙しくてとても行けそうにないという理由でその場でそのチケットを私に譲ってくれました。

一般的な映画のチラシと違って『オートマタ』のチラシにはあらすじが書いてありません。ホームページを見ても同様でした。分かるのはチェスを指す自動人形が登場しそうだということだけ。なので面白そうかどうか判断する材料がありません。それでもせっかくチケットを手に入れたのだし、演劇というものを観たことがないので、演劇とはどんなものなのか自分の目で見てみたい(経験・体感したい)というのが理由で行くことにしました。

せっかく行くなら妻と一緒の方がいいので、もう一枚のチケットも手に入れるべくダメ元で打診したところ譲っていただけることになりました。つまり2枚とも私の手元にやってきたわけです。

現地には渡井さんがいてちょっとビックリしました。

全席自由なので席が後ろの方になってしまったらよく見えないことを心配していたのですが、会場は狭いのでその心配はありませんでした。映画館で映画を観ると観客が少なくて採算はとれているのかどうか余計な心配をしてしまうことが多々ありますが、この演劇は満席でした。それ以外にもビジネスという視点でいろいろものを考えてしまいます。例えば、客の大半が50代以上で20代はほとんどいなかったので若い世代の客層を増やすにはどのようなマーケティングをする(している)のだろうか、とか。

劇の中で使われていた駒はナイトの形状からしておそらくJCAでも販売しているHENRI CHAVET社製のものでしょう。チェスのゲームはさすがによく見えませんでしたが、それっぽく見えました。渡井さんがきっとその時代にあった有名なゲームを選んだのだと推測します。

劇の感想は ...どう表現していいか分かりません(その点は妻も同じでした)。演劇でメシを食ってるプロ達の作品ですから役者の演技やストーリーだけでなく、照明の使い方、効果音(私の好きな Red Hot Chili Peppers の曲も使われていました)、演出、等でガッカリさせられることはまずないでしょう。今まで縁のなかった世界を覗いてみることが出来たという意味で私は行って良かったと感じています。

2011年8月16日

ジャパンリーグ最終日

7局目。黒。Iさん。QGDですが、白の攻撃は私がよく使うColleと似ていますので、白にはいろいろと楽しいプランがあるのが容易に想像できます。特にb2とd3のビショップは抜群の位置にいて羨ましいかぎり。それに比べて我が陣地を見るとビショップがc8でa8のルークをいないも同然の存在にしてしまっています。...Bc8-d7-e8-g6 は手数がかかるし、キングをクイーンサイドに避難させるのも時間がかかりすぎです。

r1b1rnk1/ppq3pp/2p1pn2/3p4/2P2P2/1P1BP3/PB1N2PP/2RQ1R1K b - - 1 15

思い付いた打開策は 15...e5?!。乱暴ですが、ビショップのためのラインが開きますし、16.Bxe5 Rxe5? 17.fxe5 Qxe5 で反撃も可能だろうと期待しました。エクスチェンジダウンですが、あのビショップは働きが非常に良いので気にはなりませんでした。少なくとも、防戦一方になるよりは...Nf6-g4でh2かf2を狙ったり、...Bc8-h3 でg2を狙えるという可能性があるだけでも気分的にマシです。


白はじわじわとポジションを改善し、ほぼ必勝の形(以下の図)になりました。それでも、私は往生際悪くバックランクメイトの一発逆転に賭けていました。ビショップを守るふりをして 30...Qb5-b4。内心、「ルーク浮いてくれ!」と祈っていますが、31.Rf1 で最後の希望も消えました。負け。

4n1k1/pp4p1/6p1/2p2bN1/1q2PQ2/1P6/P5PP/3R3K w - - 1 31

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私の成績は以下の通り。私のJCAレーティングは1500ですから、そんなに悪くはないです。

Round 1 FIDE 1749 JCA 1416 負け
Round 2 FIDE 2059 JCA 2155 負け
Round 3 FIDE ---- JCA 1236 勝ち
Round 4 FIDE 2033 JCA 2040 負け
Round 5 FIDE ---- JCA 1757 勝ち
Round 6 FIDE ---- JCA 1791 ドロー
Round 7 FIDE 2051 JCA 1961 負け

U1600は、4ポイントの単独トップ1人に、私を含めた2.5ポイントが複数いるという状態でした。

表彰式の直前でちょっとした議論が起きました。U1600で誰を入賞の対象にするかという点です。JCAのホームページでは「レイティング1600未満」しか書いてありませんが、私の1ラウンドの相手のMさんはFIDEは1600を超えているけど、JCAだと1600未満という微妙な位置づけでした。大会の初日に白板に以下のように書いてあり ...


これはMさんはU1600の枠から除外されたということを意味しています。つい、Mさんとの対局時に「なんか、損した気分じゃない?」と聞いてしまいました。渡井さんはFIDEのレーティングがある人はFIDEを優先し、無い人はJCAのレーティングを使うと説明していました。ところが、理屈はよく分かりませんが、Mさんは結局入賞扱いとなりました。

私は渡井さんに「事前にそういうこと(対象者の基準の詳細)は明記しておくべき」と伝えました。

最初は私は単独3位(1万円)でした。次にMさんが加わり、2位と3位を足した額(3万円)を3人で1万円ずつ分けることになりました。写真撮影をした後、また状況が変わり、もう一人の2.5ポイントも加え、2位と3位を足した額を4人で7500円ずつ分けることになり、再度写真撮影。行き当たりばったり感が否めません。

2011年8月15日

ジャパンリーグ3日目

5局目。白。Hさん。ピルツ。負けたら即BYE。妻が言うには「次のラウンドがBYEになる方が明日BYEになるよりいい」。1回目のナイト・サクリファイス(以下の局面より 16.Nf5+)は受けてもらえず。

r2q1r2/1p1b1pkp/2pp1np1/p1n5/2BNP1P1/2N2P2/PPPQ4/2KR3R w - - 1 16

段々持ち時間が少なくなって、頭痛もしてきて、2回目の無茶なナイト・サクリファイス(以下の局面より 21.Nxb5。黒クイーンはg6ポーンを守っていなければならないので 21...cxb5 22.Bxb5 の後 22...Qxb5 はできません)。

r3qr2/6k1/2pp1np1/ppn3Qp/2B1P3/2N2P2/PPP5/2K3RR w - - 2 21

黒が長考の末、取りました。正確に受けていれば、黒の勝ちでしょうが、以下の状況で 26.Rf5+ を見落としていたので逆転。勝ち。

r4r2/3n1q2/3p1kpQ/p6R/4P3/5P2/PPP5/2K3R1 w - - 3 26

しかし、最後の方で私は一手メイトを見逃していたのを、見ていた妻に指摘され、さらに「信じられない!信じられない!」と言いふらされてしまいました。

6局目。黒。W君。スカンディナヴィアン。2ポイントあればBYEはないだろうと考えていたら甘かったです。1.5ポイント以下はすべてBYEを喰らった人ばかりなので、これまた負ければBYE。最終日BYEだと私は表彰式の写真を撮るためだけに来なければなりません。しかも、頭痛は治まってきたものの今度は体が熱っぽく、体調が優れません。中盤は窮屈でずっと苦しく、1ポーンアップ後にルークのエンドゲームに突入。こっちからドロー・オファーをして、受けてもらえました。自力でBYEを脱出したつもりでいましたが、最終ラウンドはBYEになる人はいないことが判明。

2011年8月14日

ジャパンリーグ2日目

3局目。白。Sさん。ピルツ。レーティングが低いゼロ・ポイント同士の対局なので、負けたら次のラウンドのBYEは確実。昨晩、Sさんとの過去のゲームを振り返りました。あまり芳しくありませんでしたが、改善策を考える時間はありませんでした。ところが、ゲームの展開がいつも異なりました。黒がキングサイド、白がクイーンサイドにキャスリングするのが自然だと思いますが、黒がなんとクイーンサイドにキャスリングしました。自分はどちらにキャスリングするか悩みましたが、ルークを使った攻撃をしたいので、逆サイドを選択。

1k1r3r/pppqppb1/3p3p/3Pn2n/P3P1pP/2N1B3/1PPQBPP1/RR4K1 w - - 1 16

上の局面から最初に思いついた手は 16.Qd4 によるダイレクトな a7 狙い。しかし、それだと 16...Nf3+ という discovered check でクイーンが落ちることに気付きました。別の手を思案。16.Bxa7+ が実は Colle の Bxh7+ のほぼ鏡写しだと気付きました。16...Kxa7 17.Nb5+ Kb8 18.Qa5(下の図)。詰むと思ってサクったのに、ここにきて必ずしも詰まないことが判明。しかし、ひたすら攻撃を続けて貴重な勝ち。


4局目。黒。N君。カタラン。先日、ブリッツをした際のラインをお互いに覚えていて、まさにそのラインに入りました。最初の13手を指し終えた時点(下の図)でお互いの持ち時間は約94分。


ここでペースが鈍くなります。私が15分をかけて指したら、なんと白は40分近く考えていました。しかし、指している時には気付かなかったミスが幾つかあり、結果的に押しつぶされました。負け。レーティングが2000を超えている相手がプレパレーションをしていると分かっているラインに突っ込むのは無謀でしたが、だからといって自分が不慣れなラインを選択するのはもっと無謀なので仕方ありません。

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4局目の開始を待っている間や翌日のペアリングが発表されるのを待つ間、私は Chess.com の自分のゲームで指す手を考えていました。以下のように、1手5日のゲームでも結構時間が切れそうなので、こういう隙間時間も有効活用しないと時間が足りません。でも、仕事以外のことで忙しいって結構幸せです。







2011年8月13日

ジャパンリーグ1日目

手短に

1局目。白。初対局のMさん。Colle。局後に検討するとこちらにチャンスがあっても最適な手を指していないというのがよく分かります。例えば、以下の局面。本譜は 17.Rf3 でしたが、17.dxe6 の方が良かったようです。Nxd6 の後、Bxh7+ の discovered check があるからです。

r4rk1/pb2qppp/1p1bp3/2pP4/2P1NP2/3BP3/P5PP/R2Q1RK1 w - - 2 17

彼女が鬼のように強くなる前に勝ちたいと思っていましたが、もう既に私より強いです。負け。

2局目。黒。Nさん。Reti系。本譜は 28...cxd5? 29.Bxc5 Bxc5 30.Nf6+ でナイトフォークを喰らいました。黒のラストチャンスは 28...h5 だったようです。負け。

2nrr1k1/pp2bp1p/2p3p1/2nP4/4P1NP/B4BP1/P4P2/3R1RK1 b - - 2 28

レーティング2000台の3人がいろいろ意見を述べてくれましたが、彼らの読みの深さと速さと広さにレベルの違いを感じました。

2011年8月12日

明日からジャパンリーグ

有給を使わねば参加できませんし、参加費も高いです。それでも、この大会が楽しみなのは持ち時間が長いという一点に尽きます。全日本選手権には参加したくても参加できませんから。

オープニングのプレパレーションをしたいところでしたが、そんな時間はありませんでした。Chess.com の通信チェス戦の自分の手番がたまっていたので(これを書いている時点で21ゲーム)、自分の指す手を考えていました。指す手を決めてもすぐには指しません。明日の朝、まとめて指します。1手につき5日以上ありますから、そうすることによって、それらのゲームについてはジャパンリーグが終わるまで対処しなくてよくなります。21ゲームすべてさばきたかったですが、9ゲーム止まりでした。

2011年8月8日

効率よくさばくには?

通信チェスで抱えているゲーム数が多いため、段々さばくのが大変になってきました。仕事が12日連続していて、その中で早朝出社が3日連続だったりする(だからといって早く帰れるわけでもない)と時間を確保するのが困難です。おとといくらいまでは一番短い残り時間が3日でした。それが、2日になり、今日はとうとう1日を切るゲームが出てきました。自分が指すペースよりも(複数の)相手が指すペースの方が早いということです。

iPhone片手に電車で考えていると考えが堂々巡りするだけでなかなか指すべき手が決められません。やってみて一番効率が良いと実感するようになってきたのが、候補手とその先の流れを書き出して、評価まで書くという方法。以下のそのサンプルです。使っているのは Excel で列の色を白とグレーで交互にしています。紙でなく Excel を使う理由は行(≒新しい候補手)を挿入するのが容易だからです。同じようなシートも簡単に作れます。元々、私はオープニングのレパートリーの整理にも同じように Excel を使っているから特にやりやすいと感じるのかもしれません。

2011年8月6日

開始から一週間

Chess.com の大会 "No Mercy" Gutter Brawl が始まってから一週間が経過しました。22ゲーム同時進行は正直きついです。

1手につき5日与えらるので、まだ1~2手しか進んでなくてもおかしくないのですが、自分のグループの中でも白黒両方を終えたペアが5組もいました。それらの人達と私とのゲームもやはり進行が速く10手を超えてるゲームもあります。相手がのんびりさんだと2手目で止まっています。

Scandinavian Qd6 の大会に出るのをやめてこちらの大会に参加したのは、Scandinavian の白側を指さなくて済むし、11人中半分が 1.e4 を指してくれれば十分だろうと考えたからでした。実際、9人は 1.e4 を指してきたくれたのですが、6人は 2.exd5 としなかったか 3.Nc3 としなかったため、3...Qd6 にはなりませんでした。1ゲームはまだ 2...Qxd5、別のは 3...Qd6 になったばかり、残りの1つは 3...Qd6 まで来ましたが白の4手目が定跡はずれの手でした。Sicilian の形が好きになれないように、同じ Scandinavian の中でも好きになれない駒組みがあることがよく分かりました。本で紹介されているラインや勝率が高い手にはそれなりの良さがあるのでしょうが、手順前後させれば自分好みの形になりそうなら今後はそのように誘導してみます。