2017年4月2日

福岡選手権

タイムコントロールは25分+30秒/1手。

事前に16人申し込んでいたので全国大会の出場権は2人分あると思っていたのですが、当日2人キャンセルしたため、枠は1人分に減ってしまいました。狭き門です。

1ラウンド目。黒。初対局のSさん。English。

17.Rb1? は g6 のビショップが利いているのでブランダーです。しかし、その手を指した本人だけでなく、実は私もその時点では気付いていませんでした。なぜならば、e5 のビショップが動けば白クイーンに対する discovered attack になるので、e5 のビショップをどうするかばかり考えていたからです。一昨日書いたばかりの When you see a move, look for another one がまったく出来てませんね ...
17...Bxg3 18.hxg3? Rxe2 19.Rxe2 Bxb1(さすがにこの時点では気付いています)。

白、リザイン。20.Nxb1 としても 20...Rd1+ でビショップ落ちます。
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2ラウンド目。白。日本のトップ・プレーヤーの小島君。レーティング差が約1000ですから、勝てる可能性は約 1/4 の5乗。つまり、ほぼ 0.1% なので、勝てるとはまったく思っていません。

始まりはこんな感じ。


21...Nxg4。予期していませんでした。22.hxg4 Bxg5 だとポーン損なので、22.Nxf7 Kxf7 23.hxg4 でマテリアル的にイコールにしたつもりですが、23...Qf3
この手を見て「きっと詰まされるんだろうな」と思いました。検討戦の際に教えていただいたのですが、いきなり 23...Rh8 だと 24.f3 とされるため、この 23...Qf3 を挟む必要があったのだとか。さすがプロは違いますね。24.Qd1 Qh3 25.f4 Qg3+

...Rh8# が見えているのでリザインしました。
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3ラウンド目。白。Hさん。私の4手目までは2ラウンド目とまったく同じ(上の方にある局面図参照)。

1ポーン・アップのルークのエンドゲームになりました。

ポーン・ストラクチャーをわざわざ乱すようなことは基本的にしたくない方なのですが、ポーンを1つ得しているのでもしかしたらなんとかなるかもしれないと思ってルークをぶつけました。交換には応じてもらえました。


結果、オーライ。こちらのパス・ポーンは止まりません。ここで相手がリザイン。
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4ラウンド目。黒。Oさん。また、English。

私と権利を争っているKさんは既に3ポイント持っているので、私はここで勝たないとお話になりません。しかし、私の相手はほとんど時間を使わず、私の持ち時間だけ一方的に減っていくのでかなり焦りました。


1ポーン得していたので、なんとかなると思って指したのが 30...g6。自分では良い手だと考えていたのですが、Fritz先生はクイーンサイドのポーンを進める手の方が良いと判断しています。幸い、白が指していた手も最善ではなかったようです。ヘビー・ピースをすべて交換し、pawn race になると、私のクイーンサイドのパス・ポーンの方が強い(止まらない)ことが段々分かってきました。

白はここでリザイン。
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1位の小島君は単独トップで既に全国大会の権利を持っています。私は2位グループでしたが、タイブレーク(ここでは自分が勝った相手のポイントの合計を使うそうです)の結果、権利をいただけました。無理だと思っていたのですごく嬉しいです。

以下は今回いただいた景品です。

2017年3月31日

Blitz 5|5 3月の結果(効果絶大!)

繰り返しになりますが、今年の目標はブリッツのレーティングを1500にすること。そして、先月末に書いたことを簡単に振り返ると、統計的に自分に多いブランダーの種類を調べた結果 今すぐ取れる相手の駒や自分の駒に気付いていないという初心者的な状態だということが把握できたので、まずはそこを改めようと。そして、その結果がこれ:


大きな進歩です!本当に、いわゆる hanging pieces に出来るだけ気を付けただけ。先月はその手の見落としが37件でしたが、今月は18件に半減しました。

また、自分がどういう時にそういう見落としをしがちなのかという傾向も分かってきました。それは、既に何か一つのことを考えていると他の状況が疎かになるということ。例えば、以下のような局面では、28.Qxg7# という threat しか見えておらず、

相手には 28.Rxd8 という選択肢があることに気付いていない(そして、27...Rf7? 28.Rxd8+ で負ける)という具合です。

チェスには「When you see a good move, look for a better one(良い手を見つけたら、もっと良い手を探せ)」という有名なフレーズがあります。昔は「当たり前じゃん」と思ってサラっと流していましたが、今は「簡単そうで実は結構 難しい」と実感しています。そのかわり、ちゃんとやれば勝率が確実に上がります。今の自分の場合、When you see a move, look for another one (手を1つ見つけたら、他の手も探せ)でも十分なくらいです。

先月末時点ではかなり絶望的でしたが、状況が一転して希望が見えてきました。年齢を言い訳にして諦めるのは簡単ですが、どうすれば状況を打開できるか自分なりに考えて行動して成果が出るというのは非常に嬉しいことです。また、先月は絶対に勝てないと思っていた1400+ の相手にも段々勝てるようになってきたし自信もついてきました。

2017年3月19日

百傑戦2日目

3ラウンド目。白。Hさん。Dutch。

19.Ne1 は当然交換に来ると思っていたのですが、19...Bc6。こちらは喜んで 20.Nxd3 cxd3。ただし、すぐに 21.Rxd3 だと 21...Bb5 とされるので 一度 21.Qb3 Qd7 22.c4 (下の図) を挟んで時間をかけて d3 のポーンをいただきました。


終盤はルークのエンドゲーム。上の局面で 38.Re7 で aポーンを狙うか、38.Rxd5 で自分のポーンが速い方に賭けるかの二択だと思いますが、相手の bポーンを止める自信がなかったので後者を選択。

ここで自分のキングをクイーンサイドに向かわせていればドロー(お互いに連結ポーンを止めるしかない)だったのでしょうが、間違って 44.e6?? a4 で相手のポーンを止められなくなるという恥ずかしいミス。黒だけプロモーション出来るのが明らかになったので2手後にリザイン。

難解なポジションだったのならサラっと諦められますが、このポジションは自分でもちょっと考えれば読めてたはずだし、そんなに時間切迫していたわけでもないので、悔しいです。
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4ラウンド目。黒。S君。Scandinavian。

昨年のクラブ選手権で見事なエンドゲームのテクニックで大学生を破っていたのを見ていたので、まだ子供とは言え、すごく怖かったです。勝つなら今しかない(1~2年もすれば勝てなくなりそう)。そう考えていましたが、最初の7手は1ラウンド目の 2100+ の相手とまったく同じだったので序盤からヒヤヒヤしてました。


キャスリングを後回しにして攻撃を始めたのが仇となり、苦しい局面。ここで 16.Ne5 とされていたらナイトを守るために aポーンを捨てねばならなかったかもしれません。しかし、本譜は 16.b3。a2 のポーンを守ったようです。助かりました。

ここ(↑)から、こちらの反撃。19...Nxa4 20.Qxa4 Bc6。以下のように相手のクイーンをトラップ出来ました。これで一安心ですが、気を抜かないように気をつけました。


マテリアル差が広がると勝ちが確実になる方法を考えます。上の局面では 29...Qxd1+ としました。30.Kxd1 Rd8 でナイトは逃げられませんから。

勝ち。
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3日コースの参加者は77人でやや多目でした。以下に今日の様子を少し載せておきます。




明日は仕事なので、私は残念ながら今日で終わりです。本当はもう2ゲーム指したかった ...

2017年3月18日

百傑戦1日目


上は大会の様子です。タイムコントロールは90分+30秒/1手。
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1ラウンド目。黒。Mさん。Scandinavian。

直前の白の手は 19.Qe4。Qe4-h7 からキングサイドのポーンを取りに来る狙いに見えました。

なかなか出せずにいたナイトを出しつつ、d4 のポーンにプレッシャーをかけるつもりで指した 19...Nc6? がブランダー。20.Qxd5 は指されるまで気付きませんでした。

さすがにレーティング 2100+ 相手にルーク ダウンで粘る気はせず、この2手後にリザインしました。

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2ラウンド目。白。S君。Queen pawn game。


この 17.g4 はあまり素晴らしい手ではないと考えつつも指しました。相手のビショップは一度 g6 に引き、しばらくは e4 のポーンに邪魔されて役立たずになるかもしれませんが、...Qh4 や ...Qf6-f3 と指される可能性を考えるとあまり良いポジションには見えません。ところが、相手は 17...Bxg4 と切ってきました。18.hxg4 Qxg4 19.Qc4

こうなったらメイト スレットを作ってクイーン交換を迫れば勝てそうです。当然 黒は交換を拒否しようとしますが、

24.Qxh6。ピンがあるので大丈夫です。黒はここでリザイン。
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今日は1勝1敗。

2017年3月11日

小島君のレクチャー:e4のポーンへの攻撃


白のe4のポーンに対して黒から ...d5 を突くタイミングが今日のテーマでした。

次の局面で黒がe5のポーンを守るために指す手を聞かれた際、

「8...f6 だと d5 にいるナイトがキングに対してピンされることになるから、8...Re8」と考えたら、他の生徒がやはり「8...Re8」と答え、小島君に「それは悪い手です」と言われて驚きました。最近はブリッツが多く、タダ落ちを見落とさないようにするのが精一杯の日々。こういう長いコンビネーション(8...Re8?! 9.d4! Bb6 10.dxe5)を見る機会が減り、これは無理だと感じました。しかし、今度参加する予定の百傑戦は90分ありますが、それでもきっと自分はこのラインには気付かないでしょうね、白でも黒でも。ブリッツばっかりやってないで、こういう長いラインも読むようにしないと脳が退化しそう。

2017年2月28日

Blitz 5|5 の状況とホームページの更新

■Blitz 5|5 の状況

先月に続き Blitz 5|5 のレーティングの推移です ... 下がってますね ...

今月は自分のミスの統計をとっていました。他の情報(相手のレーティングやオープニング、等)もとっていますが、まずは自分に多いミスの種類を知り、それを減らすように心掛ければレーティングは少しずつ上がるはず。そう考えたからです。こういうことを考えた人はたくさんいるはずなのですが、ミスの種類をどう分類するのが最適なのかについてネットで調べてみても意外にもピンポイントで自分にニーズに合うような情報は得られませんでした。仕方なく、分類は自分の考えたものになっています。


結論から言うと、一番多かったのは自分の駒がタダ取りされてしまうことに気付いていないことで、それが25件。次に多かったのは相手の駒がタダで取れることに気付いていないケースでそれが12件。つまり、もう戦略とかタクティクスとか以前の話でした。詳細は上の画像をクリックすると見れます。なので、来月からはすぐには指さず、タダ取りできる自分の駒・相手の駒が無いかを確認した上で指そうと考えています。この2つのミスを大幅に減らすことが出来れば、レーティングはかなり上がるはずだと期待しています。

■ホームページの更新

先週はインフルエンザにかかってしまったため小島君のレクチャーも含めて外出は控えました。チェスのカレンダーを更新するのをやめてから私のホームページへの訪問者はかなり減ったと想像しますが、それよりも自分自身で不便に感じていたのでこれを機に少し改善することにしました。まずホームページの左側のインデックスに以前カレンダーによく載せていたクラブ等のサイトに簡単にアクセスできるようにしました。これは比較的簡単な作業だったのですが、大変なのはリンクの最新化でした。更新を長い間サボっていたので、リンク先が切れているサイトも、twitter等で見つけたけれども載せていなかったものが結構あったからです。

この作業をしていて気付いたのは、
●2011年に震災の影響があったものの チェスの玉手箱 の更新をずっと継続している Yamagishi さんはやっぱり凄い。
●以下の2つのブログもかなりコンスタントに更新されています。
ももチェス王国の侵略!!
りなこのはらぺこカフェ
●TAMAチェスサークルは活動休止していたと思っていたのですが、掲示板 を見たらなんと2ヶ月先の予定まで書き込まれていました。月曜日の14時ではサラリーマンは参加できませんが、あそこのホームページを現在更新できるのは私だけなので近々なんとかしようと思います。

2017年1月31日

Blitz 5|5 1月の結果


Blitz 5|5 を1日1ゲームやってきた結果です。悲しいことにレーティングは下がっています。

意外だったのは色ごとの勝率です。白番の時の勝率が黒番の時よりも圧倒的に良いじゃないですか!自分には白が本来持っている僅かな優位性を勝利につなげられるほどの力量はないので、色は勝率に影響しないと考えていました。しかし、この結果を見ると色は関係ないとはとても言えません。だとするとオープニングですね。たしかに白で Colle になると指し易いし、攻撃の基本戦略が明確です。ところが、黒番で使う Scandinavian や Semi-Slav は何をしていいか良く分かっていません。こういうオープニング固有の戦略の理解度が差に出てきているのかもしれません。

2017年1月28日

小島君のレクチャー:ポーン、ウォーキング


やっぱり分かり易い、本を読んで自習するのに比べると。特に最近読んだ『いちばん学べる名局集』があまり理解できなかったのでなおさらそう感じます。


今回はオープニングの解説が多めでしたが、説明無しで手の意味を理解するのは難しいです。例えば、Caro-Kann Advance Variation の 1.e4 c6 2.d4 d5 3.e5 Bf5 4.h4 は私の持っているオープニングのレファレンスの1つである Modern Chess Openings にも載っていますが、4.h4(上の図)を指す理由は書いてありません。実際には、黒が本来指したい 4...e6 を指すと 5.g4 でビショップの逃げ場がなくなるから、黒は 4...e6 以外の手を指さざるを得ないということなのですが、白にしろ黒にしろ、このことを知らずに 4.h4 まで覚えたとしてもあまり応用が利きません。黒だと知らずに 4...e6 を指しちゃうかもしれないし、指された白の方も 5.g4 でビショップを取れることに気付かないかもしれません。

そう考えると1手1手の狙いを理解しながら覚えることがすごく重要だと分かります。狙いも分からずにただラインを丸暗記してもあまり役に立たないでしょう。チェスの本には1手ごとに解説することをウリにした move by move 系の本がありますが、私はそういう本で勉強した方がいいのかもしれません。
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本日はレクチャーに参加するついでにJCAが利用することがある施設(池上会館、チェスセンター、大田区民センター、消費者生活センター、大田区産業プラザPiO)の前をウォーキングで通りました。6年ほど前にも 同様なこと をしているのですが、当時と違うのは今は自分が歩いた道を記録しているという点です。twitter もしくは Facebook でつながっている方はご存知でしょうが、以下のような感じで地図上で自分が通った道に色を付けています。


2017年1月21日

『いちばん学べる名局集』


1日1局並べることを日課にすることで『いちばん学べる名局集』を読み終えました。チェスの本をきちんと読み終えたのはすっごく久しぶりです。

これは Irving Chernev 氏の『The Most Instructive Games of Chess Ever Played』の和訳版です。この本の評価は非常に高いです。Amazonでも、twitter でも。


掲載されていた62ゲームの中で一番印象的だったのは 1895年のゲームで Pillsbury が上の局面で指した 32.e4! です。32...dxe4 33.d5+! で黒キングはd5のポーンを取れないし(取ったら e6-e7-e8 を止められない)守りに縛られて動けなくなるという状況は私でも「あ、なるほど」って思えます。また、このゲームが指された時代背景も気になります。インターネットでいろんな情報が簡単に手に入る21世紀の現在(例えば、この本に掲載されているゲームはすべて ここ で見れます)に比べると、このゲームが指された19世紀はラジオも電話も普及していなかったはずだし、ソ連もまだチェスの知識を体系化していなかったのに、このアメリカ出身のプレーヤーはどのようにして名局を残せるほどの実力をつけることが出来たのか知りたいです。

この本を読むことを自分に課した理由は以前も書いたように今まで自分がほとんど棋譜並べをしてこなかったからです。では、この本を通じて多くのことを学べたかというと残念ながらそんなことはありません。しかし、この本自体の品質の高さは疑う余地がなさそうなので、もしそうだとすれば、私がこの本が想定している読者のレベルに到達していないか、1日1局という課題クリアを優先していて「理解」ができていなくてもサクサク進めたのが原因でしょう。なので、次のステップとして、この本で取りあげられているゲームを1つか2つ時間をかけて「理解」することを試みます。そうすることが役立っていると感じられればこの本の残りのゲームも同じようにし、駄目そうならば他の本を読みます。

2017年1月5日

2017年の目標

スペイン語は使う予定がないのでそんなに頑張る必要はまったくないのですが、とりあえず検定試験に合格するという目標を自ら掲げて計画的に取り組んだ結果6級と5級に受かりました。今度はチェスでも同じようにしようと思います。OTBだと対局数が限られてしまうので、日課でもやっている Chess.com の 5分 + 5秒/手の Blitz レーティングを切りの良い 1500 にまで上げようと思いました。

そこで twitter のアンケート機能を使って予想を聞いてみた結果が以下。

アンケート開始直後から「できる」の比率が異様に高かったのでプレッシャーを感じ、1400台を相手にした場合の戦績を調べてみたら1勝8敗4分でした。1500になるということは同じ相手に安定して勝てるだけの実力があるということなのでけっして楽な目標ではないはずです。

しかし、目標を立てるとやはり心構えが違うことを実感しました。昨日はその1400台に1ポーンアップしていて「勝てるかもしれない!」と思っていたのに突然時間が切れて負けてしまいました。その時の悔しさは、日課という名目で漠然と指しているだけのチェスとは違って「勝たねばならない試合を負けてしまった」という落胆が伴うものでした。こういう状況になると「もっと強くならねば」というモチベーションが沸いてきます。そこで、私の好きな視覚化(グラフ化)をしてみました。年末までに一次関数的にレーティングが上昇した場合のグラフは以下の通りで、今月末までに1387に届いていればそこそこ順調ということになります。覚えていたらこのグラフに月末ごとの実績値をプロットするつもりです。


2016年12月31日

『俺はまだ本気出してないだけ』 ~ チェスへの取り組み

チェスを始めてもう10年経ちました。レーティングは長い間頭打ち(どちらかというと下降気味)で、学生さん達にどんどん抜かれていって悲しくなることが多々あります。始める年齢が若ければ若いほど最終的に到達できるレーティングが高くなるのはもう明らかで、30台後半で始めた私にはかなり厳しい世界です。

twitter で既につぶやいたことですが、私は何かをやるからには強く(上手く)なりたいです。そこでこの年齢(40台後半)から始めて自分が極められそうな新しい趣味を模索しましたが、そんな都合の良い競技はどの分野(スポーツ、マインドスポーツ、eスポーツ)にもなさそうです。ならば、チェスをもう少し頑張ってみよう。そう考えました。振り返ってみると、ここ数年 何をしてきたかというと1日10問 tactics の問題を解くだけでそれ以外のことはほとんどしていません。やってないことがある以上『俺はまだ本気出してないだけ』と思うわけです。今までの経験上、自分に足りないと感じるものは重要なものから順番に ...

(1) 棋譜並べ
(2) Vision
(3) 実戦
(4) エンドゲーム


(1) なぜ棋譜並べか?検討戦をするとよくあるのが最善手をそもそも候補手の中に含めておらず読んでもいないというケースです。なぜ候補手にすら挙がってこないかというと上級者にとって当たり前のことが私には当たり前ではないからです。例を挙げるのが難しいですが、強いて挙げるならば 1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Nc3 dxc4 (上の図)の後の 5.a4 みたいな手です。上級者だとこうやれば取られたポーンを取り返せるということをもう経験的・感覚的に分かっているようで、類似の局面で苦もなく応用している(この例の a2-a4 に相当する手を当たり前のように指す)のを見ますが、そういうパターン的なものがあるのを知らない人には a2-a4 のような手はなかなか思いつかないでしょう。よほど才能のある人ではないかぎりこの手の感覚は実戦を繰り返して自力で習得するのは相当効率が悪く、GMのゲーム(解説付きだとベター)を並べて様々な局面での対処法を見て覚えるのが一番効率の良い学習法だろうと考えています。


(2) Vision とは実際の駒を動かさずに頭の中で駒を動かしたり局面を把握する能力のことです。Vision の最も高度な形態が目隠しチェスであり、そこまで出来なくとも棋譜を読みながら局面を頭の中で追えるのならば十分です。この能力は、若いうちに習得しないと出来ない人には一生出来なさそうです。もともと将棋が強くチェスを後から始めた人が「目隠し将棋ならできるけど目隠しチェスは出来ない」というのを聞いた時からそう確信しています。そして、私にはこの能力が致命的なほど欠けています。そもそも盤を脳内で描けません。仕方ないので肉眼で見えている情報に頼るしかなく、そのせいでいろいろな勘違いや思い込みをしてしまいます。例えば、上の図のような局面で 1.hxg6 をした直後の g6 のポーンの色が黒だと勘違いすることがありますし、1...Bxe5 2.dxe5 のような交換が起きた後、黒の d5 のポーンが前進出来ることを見落としたりすることがあります。これは当然レーティング向上の足かせになっています。長いコンビネーションだと精度が低くなりますし、自分の読みに自信を持てないのでリスキーな手が指せません。

(3)~(4)の解説は不要でしょう。

自分に足りないものが何であるか分かっているのだから、自分の日課にそれらを強化できるようなメニューを組み込みことにしました。

棋譜並べに関しては『いちばん学べる名局集』に載っているゲームを1日1ゲーム並べています。日課に加えてから1ヶ月ちょっと続いていますが、実はあまり学べていません。とりあえず並べているというだけで理解していないからでしょう。なので、一度読み終えたら、同じ本を今度は勝因を理解し棋譜を丸暗記するか似たような別の本を読むかのどちらかをするつもりです。

Vision に関してはショッキングなことが判明しました。以前は 4x4 マスの単色の盤くらいならかろうじて頭の中で描けたと思うのですが今は 3x3 マスですら描けません。正直に書くと、このことでチェスに対するモチベーションがかなり下がりました。これは出来るのと出来ないのではかなり棋力に差の出るスキルです。それなのに、トレーニングする方法すら今は思いつきません。これが出来る人はわざわざトレーニングしたのではなくてごく自然に出来るようになっているようですし。

実戦経験を補うためには Chess.com で5分+5秒/1手のブリッツを1日1ゲームやっています。やった後はそのサイトにある解析機能を使って軽くおさらいをしています。

これで本気を出しているかと言えば、まだ出していません。ウォーキングやスペイン語の勉強により多くの時間を割いていますから。でも、少なくとも以前よりは力を入れていることはたしかです。とりあえず、しばらくはこれで様子見します。

ちなみに『俺はまだ本気出してないだけ』は邦画のタイトルです。私はコメディというジャンルが好きではないので観ていませんがタイトルだけはポジティブで好きです。

2016年12月10日

小島君のレクチャー: Capablanca


小島君レベルだと当たり前なのかもしれませんが「この当時(Capablancaは約100年前のプレーヤー)はこう指されていましたが、現代ではこう指します」みたいなオープニングの変遷を聞くとチェスが今でも進歩しているのを感じます。私は Colle の本を何冊か持っていて、本によっては「昔の本で紹介されていたこのラインに対して黒はこう対処できる上に、その対処法も広く知られてきたので、この本では別のラインを紹介します」みたいな前置きがあったりしますが、そんな新しい知識を持った相手と対局する機会は私にはほとんどありません。だから、私はあまりオープニングの最新知識を追いかけようとは思いません。しかし、IM以上ともなると話は違うようで、ほんの僅かでも優位になるような手を研究しているのが感じられました。

ここ数年タクティクスの問題を1日に10問解くようにしていますが、その程度では全然レーティングは上がらないし、逆に下がっているくらいです。そのため、最近テコ入れをすることにしました。twitter で私をフォローしている方はご存知でしょうが、最近私は『いちばん学べる名局集』に載っているゲームを1日に1つ並べるようにしています(それ以外に 5|5 のブリッツを1局指すようにしています)。ただし、本は質問に答えてくれませんし、move by move 系の本ではないのですべての手に解説があるわけではないので疑問があってもそのまま読み進めるしかありません。その点、やはりレクチャーは分かり易いと今日あらためて実感しました。