2012年1月7日

『Colle Plays the Colle System』 by Adam Harvey


High-Speed Replay Training方式(手の意味は考えずにとにかく高速で並べる)で並べたので読んだとは言えないかもしれませんが、少なくとも全116ゲームを並べました。これは Edgard Colle が自身の名前の冠するオープニング(Colle System)を指そうとしたゲームを網羅しています。Colle System にはならず Slav や Queen's Indian Defence に転移したゲームもかなりあります。ゲームは時系列に並んでいるのではなくてバリエーションごとに括られており、パターン認識のためには良い構成でした。

Colle というオープニングは 1.d4 d5 2.Nf3 Nf6 3.e3 e6 4.Bd3 c5 の後、白が 5.c3 と指すライン(Koltanowski)と 5.b3 と指すライン(Zukertort)がありますが、Edgard Colle が指したのは基本的に前者です。

Colle System というと Bxh7+ から始まるアタックが有名でしょう。しかし、数えたわけではないですが Nxf7 や Nxh7 のようにナイトをサクリファイスしたゲームの方が多かった気がします。この本はベストゲーム集ではなくて網羅性を特徴としているので退屈なドローやサクリ失敗で負けてしまうゲームも含まれていますが、それでもやはりサクる頻度はかなり高かったと思います。ナイトを2つ捨てて勝つゲームの棋譜を載せておきます。

Colle-Aguilera Barcelona 1929

1.d4 d5 2.Nf3 Nf6 3.e3 e6 4.Bd3 a6 5.Nbd2 Bd6 6.O-O Nbd7 7.e4 dxe4 8.Nxe4 O-O 9.Bg5 Be7 10.Qe2 Nd5 11.c4 Nb4 12.Bb1 Bxg5 13.Nfxg5 h6

14.f4!! hxg5 15.fxg5 f5

16.Qh5!! fxe4 17.Bxe4 Nf6 18.gxf6 Qxd4+ 19.Kh1 Qxe4 20.f7+ Rxf7 21.Qxf7+ Kh8 22.Rf4 1-0

こんな勝ち方してみたいですね。

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