2012年1月25日

小島チェススクール第五回目

今回のテーマは「クイーンサイドへの攻撃」でした。マイノリティー・アタックの概念は知っていても手順は知らなかったのですごく役に立ちました。また、キープ・テンション(≒ポーン・ブレークのタイミング)の考え方(例えば以下の形から黒は自らポーンを交換しにいくべきか)を聞けて、今までは本を読んでもピンとこなかった部分が理解できるようになったかもしれません。


今日教わったことを応用するため、Chess.com の通信チェス戦でさっそくマイノリティー・アタックを狙ってみました。

2012年1月21日

8x8チェスクラブのオープニングトーナメント

1ラウンド目。白。Hさん。初対局ですが、小島チェススクールの後に一度一緒に食事にいったことがあります。結果的に Colle っぽくなりました。だいたいこんな感じ(↓)。相手の見落としにより早く決着がつきました。勝ち。

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2ラウンド目。白。Kさん。Colle。以下はg4にいる黒ナイトを取り返すところ。


r2qr1k1/1bp1bpp1/p1n1p2p/1p6/3PN1n1/2PB3P/PP2QPP1/R1B2RK1 w - - 0 14
14.hxg4 の方が安全ですが、14...f5 のフォークを喰らうことを覚悟で 14.Qxg4 いきました。14...f5 15.Qg6 fxe4 16.Bxe4


その後しばらくイニシャチブは握ってましたが、間違えました。


r2q2r1/1bp2kpQ/p1n2b1B/1p2pP2/3PB3/2P4P/PP4P1/R4RK1 w - - 1 21
21.dxe5? Nxe5 22.Bxb7 Rh8 でクイーン死亡。22手目が悪いのかと思っていましたが、今並べてみたら21手目でナイトをe5に招いてg6のマスをクイーンから奪ってしまったのが分かったことが分かりました。負け。

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次のラウンドが始まるまで Colle に苦手意識のあったH君と2局くらい指しました。そのうちの最初の対局でタクティクスが決まりました。

r1b2rk1/4bp2/pq4pQ/1p1pPp1p/3P4/1P3N1R/PBP3PP/R5K1 w - - 0 19

19.Rxh5。もし 19...gxh5 なら黒のクイーンが落ちます。しかし、H君はいろいろ試行錯誤し、当初の目的でった Colle 対策が見出せたようです。

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3ラウンド目。黒。初対局のI君。スカンディナヴィアン。以下の局面で 27...Qg3 と逃げた時から 28.Qxe6+ で攻守の立場が逆転して負けました。

2kr4/2p5/1pn1p3/5p2/3P4/1QP1q3/P5Br/R3RK2 b - - 3 27

しかし、ゲーム後に小島君が「メイトですよ、メイト」と言いながら、27...Qf4+ 28.Kg1 Rxg2+! 29.Kxg2 Rg8+ の手順を示してくれました。しょっちゅうピースを切ることを考えているのにその手は見えませんでした ...

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大会の写真は明日アップする予定。

2012年1月18日

『チェスの話/ツヴァイク短篇選』



「ふつうの読書人にとって、小説は面白くなければ意味がない。今はなき<われらの書痴児玉清>がもっとも愛した表題作「チェスの話」」というのがこの本の宣伝文句でした。児玉清と言われても私はピンときませんでした(後で誰だったのかWikiで調べました)が読書大好き人間のお気に入りなら外すことはなかろうということで読むことにしました。

表題作の「チェスの話」は最後の短篇でしたが他の短篇は飛ばしてそこから読みました。

本質的な部分ではないと分かってはいても、私には訳し方がどうしても気になってしまいます。例えば、チェス盤のことを「将棋盤」と訳したり、カリフォルニアのことを「キャリフォーニヤ」と表したり。相当昔に和訳した際の表現をそのまま利用しているだけなのでしょうが、やはり2011年に出版したからには“現代の日本語”として自然になるように表現を直して欲しいと思うのは贅沢なのでしょうか ...

登場人物は精神面でちょっと普通ではありません。なので、読んでいる最中に何度か Peter Gabriel というアーティストの曲を思い出しました。彼の曲の歌詞は精神異常者を題材にしたものが多いし(知ってる人はどれだけいるんだろう ...)、暗い曲調が暗めのストーリーにマッチしていたからです。

最初のうちはテンポが遅く感じます。映画も昔の作品の方が総じてストーリーの進行が遅いのときっと同じ。最近の映画は attention span(注意持続時間)の短い若者でも退屈しないようになっており、そういう文化に慣れてしまっているせいかじれったく感じました。でも、それは途中まで。ストーリーはありきたりではなくて先がまったく読めません。最後は結末が気になって一気に読めました。

面白かったかと聞かれれば「まぁまぁ」と答えます。

本の冒頭に戻って最初の短篇を読み始めましたが最初の2~3ページでやめました。やはり文章がとっつきにくいし、チェスを題材としているわけではないので、これ以上読まずに図書館に返却するつもり。

文字化け対応

私のホームページで文字化けが起きるという報告はポツポツ受けていましたが、自分が普段利用しているブラウザ(Internet ExplorerとMozilla)では正常に表示されてしました。ところが、昨年の11月頃から突然iPhoneで正常に表示できなくなってしまいました。以下はそのことをtwitterでもつぶやいたものです。


深刻な問題ではないし(特にPCのブラウザは文字コードを指定すれば読めるので)、突然始まった問題は突然直ることもあるし、なかなか時間も割けなかったので、とりあえずそのままにしていました。しかし、先日自分のホームページをiPhoneで紹介する機会があり、やはり文字化けは美しくなかったのでようやく本腰を入れて直そうという気になりました。

原因がなかなか分からなかったのでどう対処すればいいのか分かりませんでした。日本で一般的に使われている文字コードはざっくりシフトJIS、EUC、UTF-8の3種類。EUCで書かれている文字を、あたかもそれがシフトJISのつもりで読もうとすると今回のような化け方をすることが分かったので、自分のホームページをシフトJISに書き換えてしまいたいくらいでしたが、土台となっているYahoo!ジオシティーズでEUCと決まってしまっているのでどうしようもありません。 実際は文字コードの指定方法が間違っているだけでした。正:charset=euc-jp、誤:charset=euc_jp。書き方を間違えてもブラウザによっては正しく判断してくれていたのですが、そのことでかえって真実にたどり着くまでに時間がかかってしまいました。


2012年1月15日

松戸の例会&初心者向け学習会

JCAの新年の大会と重なっていましたが私はフィッシャーモードの方がいいので松戸の例会の方を選びました。また、チェスの本を和訳・出版されている水野優さんにも一度お会いしたかったのでそういう理由でも今日はやっぱり松戸。

1ラウンド目。黒。Iさん。先週末の松戸の大会では負かされた相手です。スカンディナヴィアン。

2r3k1/1p3pp1/4p1p1/1P2P3/2P1p3/r6P/5PP1/1RR3K1 b - - 0 29
上記ポジションは盤上からクイーンが消えた瞬間です。その後、ルークとクイーンサイドのポーンが消え、キングサイドもポーンお互い1個ずつになりドローにしましたが、よく調べればお互いもっと良い手があったと思います。

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2ラウンド目。白。これまた先週末に当たったHさん。チゴリンもどき。前回は序盤で失敗したので同じミスをしないようにしました。

5k2/2Q5/p6p/2pq1p2/2p2P2/P3P3/1P3KPP/8 w - - 10 47
ポーンの数と形は勝っているのですが残念ながら残っているのがクイーン。43.Qb8+ Kf7 44.Qc7+ Kf8 45.Qb8+ と繰り返し。Qe5 とすると ...Qd2+ から連続チェックを喰らいそうだったのでドローに。

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3ラウンド目。黒。K君。Queen's Gambit Declined。

8手目でさっそく 8...Bxh2+ のできそうな局面。さすがにこらえました。

rnbqk2r/p4ppp/2pbpn2/1p6/3P4/1B2P3/PP2NPPP/RNBQ1RK1 b kq - 3 8

11手目。本譜は11...a6 で b5 のポーンを守りましたが、さっきに比べて白マスのビショップのラインも開いてたので、11...Bxh2+ をやるべきだったでしょうか?いずれにせよチャンスを逃してしまいました。

r2qk2r/pb1n1ppp/3bpn2/1pp5/3P4/P1N1P3/1PB1NPPP/R1BQ1RK1 b kq - 1 11


3rk2r/1bqn1ppp/p2bpn2/1p6/3NP3/P1N3P1/1PB2P1P/R1BQ1RK1 w k - 1 15
15.Ndxb5! axb5 16.Nxb5 Qc6 17.Nxd6+ で2ポーンダウン。さらに数手後にブランダーでルークをただで献上。負け。彼のレーティングは829だそうです。これは痛い ...

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例会の隣の部屋では水野優さんが初心者向け学習会を開催していました。参加者は5人位いたもよう。松戸のゲームは公式戦が中心ですが、こういう初心者向けのレクチャーもチェス愛好家の裾野を広げるためには重要だと思います。

2012年1月11日

小島チェススクール第四回目


テーマは「キングへの攻撃」。

今まで自分はどうしてきたかというとオープニング特有のアタック(Colle の Bxh7+ や Pirc の h2-h4-h5)に加えて自分が過去に解いたタクティクスの問題の形に移行できないか考えていました。

今日教わったのは以下の3点です:
①ピースをキングに向ける
②ラインを開く
③ディフェンスの駒を減らす
これらは無意識に実行していることが多いのでしょうがポイントを3点に絞って覚えておけばいいガイドラインになります。

①に関して言うと、最近は極力準備(働いていないピースを働かせるようにする)をしてから攻撃をするように心掛けています。準備している間にせっかくのチャンスを逃してしまわないように注意はしてますが。

講義の中では多くの例を挙げていただきましたが、私が気になったのは強い人はどこまで頭の中で読んでから攻撃を仕掛けているのかという点です。攻撃の鍵となるピースがどれでそのピースがどう動くかはだいたい見当がつきます。難しいのは特にサクリファイスを伴うような攻撃で3手以上先の状態を正確に頭の中で把握することです。私は日課としてインターネットでタクティクスの問題を解いていますが、どの問題も最後まで読み切ってから指しているわけではなく、最善と思われる手をまず指してみて、コンピュータが返してきた手を見てから次の手を考えます。あまり効率はよくないので最近はもう本のタクティクス集は利用していませんが、最後まで読み切る練習もした方がいいのかもしれないと考えたら、頭の中で考えざるをえない(駒を動かしながら考えることはできない)という意味ではまだそれなりの利用価値がある気がしてきました。

2012年1月9日

松戸チェスクラブ選手権2日目

4ラウンド目。白。M君。twitterのつぶやきを見ているとピルツがお気に入りのようなので、当然ピルツが来るものだと疑ってなかったのですが、1.d4 に対して 1...e6 を返してきたので目を疑いました。これだと手順前後でもピルツには transpose しません。2.Nf3 f5 でダッチに。私の慣れた定跡(Colle, Pirc)を避けたそうです。避ける必要があるほど私は強くないと思うのですが ...


8/3k4/pp3p2/2ppbr2/6p1/2PNP3/PPK2P1r/4BR2 w - - 0 33
一番後悔したのはここ。9...Nc6 に対して本譜は 10.Qh5。白マスビショップを塞ぎたくなかったし、10.Qd2 で自らピンされるのも気が進みませんでしたが、c3 のナイトをピンされたまま放置しておいたため、ロングキャスリングをするつもりだったのにやりにくくなってしまいました。

以下、黒が 25...Qe7-f6 と指したところ。...e4+ と ...Rxf3+ のダブルスレット。ここから先はほぼ一方的でした。負け。


3r2k1/p5pp/1p3q2/2p1p3/2P2r2/P1K2P2/2P1QP1P/R5R1 w - - 5 26
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5ラウンド目。黒。Hさん。Queen's Gambit Declined。


r1b2rk1/pp4p1/7p/2pPqp2/2P1P3/P2B1Q2/5KPP/R6R w - f6 0 18

キングとクイーンが縦に並んだので、17...f7-f5 と突いたところ。8手後に白キングをメイト出来ました。
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6ラウンド目。白。Hさん。チゴリンもどき。


r3kb1r/1pp2ppp/p5q1/3pn3/6P1/2P1PN1P/PP3P2/R1BQK2R b KQkq - 1 14

d2 のマスをビショップのために空けるつもりで 14.Nf3?。指した後で 14...Qe4 喰らったらマズイんじゃないかと考えていたら、やはり指されてしまいました。14...Qe4 15.Nxe5 Qxh1+ 16.Ke2 Qxd1+。この時点でほぼ負け決定。反撃をする意欲も湧かず、貝のように閉じこもるつもりでしたが、以下の局面で 32...g4 を見て戦意を完全に喪失。リザイン。

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2勝4敗。リスト順位(下から2番目)より良ければいい(目標低~)と考えていて(確認したわけではないですが)おそらく達成出来たと思います。

大会の写真は近日中に掲載します。

2012年1月8日

松戸チェスクラブ選手権1日目

1ラウンド目。黒。前日にペアリングが発表されていましたが、突然来れなくなった方がいたため、ペアリングの一部が変わり、私の相手も変わりました。Tさん。オープニングはカタラン。

1q4k1/5p1p/4p1p1/p1Q5/8/1P4P1/P4P1P/6K1 b - - 0 35
劣勢を耐えてましたが、上の局面でクイーン交換をしても白のクイーンサイドのポーンを食い止められると勘違いして喜ぶように 35...Qb4? 36.Qxb4 axb4 と交換してしまいました。

自キングをクイーンサイドに向かわせても間に合わないことが分かったので、キングサイドのポーンを進めて精一杯抵抗を試みましたが、白のキングは私のbポーンを取った後にキングサイドに戻ってくる余裕がありました。負け。

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2ラウンド目。白。Iさん。Colle。


r1bq1rk1/3n1ppp/p2bp3/1ppp4/3P4/1P1BP3/PBPN1PPP/R2Q1RK1 w - - 0 11

ここで 11.Bxh7+ Kxh7 12.Qh5+ からの攻撃が成立するかずっと考えていましたが、無理くさいので諦めました。本譜はb2のビショップを早く使いたいあまり 11.dxc5 Nxc5。ここで再度 Bxh7+ を考えてみましたが、やはり成立しなさそうです。11.dxc5 より 11.c2-c4 とした方が良かったようです。

4rrk1/1b4p1/pq5p/1p1pQ3/8/1P1PP2R/P2N2PP/R5K1 w - - 1 21
差がついたのはこの局面。白が1ポーンアップになった直後に 20...Rae8 とクイーンにぶつけれます。...Rxe3 を喰らったら痛すぎますが、21.Qg3? Bc8 でエクスチェンジダウン。ここからジリ貧。21.Qd4の方がマシだったのでしょうか。負け。

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3ラウンド目。黒。Oさん。カタラン。

r3r1k1/1b2bppp/p2qpn2/1p6/3P4/2N3P1/PPQB1P1P/2R1RBK1 w - - 3 21

私が 20...Qb8-d6 と指したところ。狙いは d4 のポーンではなく、クイーンを c6 か d5 に置いたメイティングアタックです。それはバレバレだったようで白は 21.Bg2。内心ガッカリしましたが、21...Bxg2 22.Kxg2 Qxd4 で1ポーンアップ。勝ち。

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晩飯は 『出没!アド街ック天国』の北千住編で紹介された“りんりん” という店で食べました。ラーメン300円、チャーシューメン400円、やきそば250円、餃子6個で200円。とにかく安いです。炭水化物が多目で野菜系は足りませんが味は普通だと思います。床が市松模様でした。


2012年1月7日

『Colle Plays the Colle System』 by Adam Harvey


High-Speed Replay Training方式(手の意味は考えずにとにかく高速で並べる)で並べたので読んだとは言えないかもしれませんが、少なくとも全116ゲームを並べました。これは Edgard Colle が自身の名前の冠するオープニング(Colle System)を指そうとしたゲームを網羅しています。Colle System にはならず Slav や Queen's Indian Defence に転移したゲームもかなりあります。ゲームは時系列に並んでいるのではなくてバリエーションごとに括られており、パターン認識のためには良い構成でした。

Colle というオープニングは 1.d4 d5 2.Nf3 Nf6 3.e3 e6 4.Bd3 c5 の後、白が 5.c3 と指すライン(Koltanowski)と 5.b3 と指すライン(Zukertort)がありますが、Edgard Colle が指したのは基本的に前者です。

Colle System というと Bxh7+ から始まるアタックが有名でしょう。しかし、数えたわけではないですが Nxf7 や Nxh7 のようにナイトをサクリファイスしたゲームの方が多かった気がします。この本はベストゲーム集ではなくて網羅性を特徴としているので退屈なドローやサクリ失敗で負けてしまうゲームも含まれていますが、それでもやはりサクる頻度はかなり高かったと思います。ナイトを2つ捨てて勝つゲームの棋譜を載せておきます。

Colle-Aguilera Barcelona 1929

1.d4 d5 2.Nf3 Nf6 3.e3 e6 4.Bd3 a6 5.Nbd2 Bd6 6.O-O Nbd7 7.e4 dxe4 8.Nxe4 O-O 9.Bg5 Be7 10.Qe2 Nd5 11.c4 Nb4 12.Bb1 Bxg5 13.Nfxg5 h6

14.f4!! hxg5 15.fxg5 f5

16.Qh5!! fxe4 17.Bxe4 Nf6 18.gxf6 Qxd4+ 19.Kh1 Qxe4 20.f7+ Rxf7 21.Qxf7+ Kh8 22.Rf4 1-0

こんな勝ち方してみたいですね。

2012年1月3日

覚えていないようで実は覚えている

今日日課の Chess.com のMy Tactics Trainerで出題された 問題 です。難易度はやや高めの部類だと感じますが、見覚えがあったのでその解法を思い出し、正解できました。

曖昧な記憶を頼りにenjuさんの どくぜんてきブログ をカテゴリーをプロブレムに絞って過去の投稿を遡っていきました。以下は2009.11.09の問題です。上と同じ問題ではありませんでしたが、モチーフは同じでした。これが脳の片隅に残っていたんですね。