嫁を相手に目隠しチェスです。私が白。私は棋譜を頼りに指します。
r1b1k1nr/pp1n1ppp/2pb1q2/3pp3/3P4/1P1BPN2/P1PN1PPP/R1BQ1RK1 w kq - 0 8
上の図は黒が 7...e6-e5 と突いてきたところ。このポーンを放置しておくと、...e4 でビショップとナイトがフォークされます。8.e4 で止めるのが無難だと分かっていましたが、盤が見えない私にとっては複雑な局面は避けたいという気持ちがありました。e5 で取り合うと、8.dxe5 Bxe5 9.Nxe5 Qxe5 10.Rb1 でルークがクイーンの攻撃をかわせば済むと判断。しかし、実際には、8.dxe5 Nxe5。ナイトも e5 に利いているのが “見えていません” でした。
手を見直さなければなりません。しかし、ここで私は d3 のビショップが守られていないと勘違いしていました(c2 のポーンの存在を “見落とし” ていました)。ビショップを逃がしても、9.Be2 Nxf3+ でルークが落ちるならばと、9.Nxe5。9...Bxe5 を想定していましたが、嫁の手は 9...Qxe5。
...Qxh2# と ...Qxa1 に同時に対処するのは不可能です。10.Nf3 Qxa1。リザインしようかとも思いましたが、目隠しチェスの訓練を兼ねているわけですから、もう少し粘ることにしました。
4rk2/pp1Qn3/2pBPr1p/3pNbp1/8/1P6/P1P2PPP/6K1 w - - 0 26
上の図がたぶん後半のクライマックスです。嫁に「そっちの番だよね?」「まだ~?」「起きてる?」と言われてしまうほど長考。私は e5 のナイトを使って、ピンされた e7 のナイトを取るか、e8 のルークをどかせる方法をずっと考えていましたが、見出せませんでした(仮に盤が見えていたとしても無理っぽいですね)。そこで、局面を単純化する意味もあって、26.Bxe7+ Rxe7 27.Qd8+ Re8
ここから本譜は、28.e7+ Kg7。「キングがg列に移動したということは、e列にいるルークの守りははずれたはず」と 29.Qxe8。「我ながら見事」と内心思っていましたが、実際の盤の様子が見えるなら、28.Qxf6+ Kg8 29.Qf7+ Kh8 30.Qxe8+ の方が圧倒的に効率がいいことが明らかです。しかし、27...Re7-e8 と動いた際に、クイーンが e7 を経由して f6 のルークを取れることが “見えなかった” わけです。
ゲームが終わる頃からひどい頭痛が始まりました。なかなか眠れず、翌朝もまだ少し痛いくらいでした。やはり、目隠しチェスは脳には負担なんでしょう。
翌日、ゲームを振り返りつつ、「どうやったら、ゲーム中に見えなかったものが見えるようになるんだろう?」とボヤキました。嫁といろいろ話していると、どうやら日常の中の光景でさえ、私の方が頭の中で思い描ける精度が低いことが分かってきました。例えば、ぬいぐるみなら、私の嫁が全体をハッキリ思い浮かべられるのに対して、私は顔だけはなんとか想像できてもあとはモヤモヤしています。自分にはもともと素質がないのかと落ち込んでしまいますが、嫁はそれは鍛えられると言いました。いわゆる“脳トレ”の一種で、画像を短時間で脳に焼き付け、細部までどれだけ再現できるかというテストがあるらしいのですが、それは訓練すれば確実に鍛えられるというのです。その話を聞いてもニンテンドーDSを今すぐ買おうという気にはなりませんが、訓練方法を工夫すれば上達の余地はまだあるのかもしれません。
2 コメント:
先日は(随分前ですが)コメントを頂き、ありがとうございました。
ウチの嫁は興味を示さず、私も教える気がサラサラなく(笑)。長男が駒の動かし方を覚えたのですが、ニンテンドーDSを手にしてからは見向きもしない。家族と趣味を共有できるのは羨ましいですね。
私がチェスを覚えたきっかけは、嫁と何か新しい趣味を一緒に始めようというものでした。しかし、ハマったのは私だけ。なので、嫁は “たしなむ” 程度です。
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