2016年12月31日

『俺はまだ本気出してないだけ』 ~ チェスへの取り組み

チェスを始めてもう10年経ちました。レーティングは長い間頭打ち(どちらかというと下降気味)で、学生さん達にどんどん抜かれていって悲しくなることが多々あります。始める年齢が若ければ若いほど最終的に到達できるレーティングが高くなるのはもう明らかで、30台後半で始めた私にはかなり厳しい世界です。

twitter で既につぶやいたことですが、私は何かをやるからには強く(上手く)なりたいです。そこでこの年齢(40台後半)から始めて自分が極められそうな新しい趣味を模索しましたが、そんな都合の良い競技はどの分野(スポーツ、マインドスポーツ、eスポーツ)にもなさそうです。ならば、チェスをもう少し頑張ってみよう。そう考えました。振り返ってみると、ここ数年 何をしてきたかというと1日10問 tactics の問題を解くだけでそれ以外のことはほとんどしていません。やってないことがある以上『俺はまだ本気出してないだけ』と思うわけです。今までの経験上、自分に足りないと感じるものは重要なものから順番に ...

(1) 棋譜並べ
(2) Vision
(3) 実戦
(4) エンドゲーム


(1) なぜ棋譜並べか?検討戦をするとよくあるのが最善手をそもそも候補手の中に含めておらず読んでもいないというケースです。なぜ候補手にすら挙がってこないかというと上級者にとって当たり前のことが私には当たり前ではないからです。例を挙げるのが難しいですが、強いて挙げるならば 1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Nc3 dxc4 (上の図)の後の 5.a4 みたいな手です。上級者だとこうやれば取られたポーンを取り返せるということをもう経験的・感覚的に分かっているようで、類似の局面で苦もなく応用している(この例の a2-a4 に相当する手を当たり前のように指す)のを見ますが、そういうパターン的なものがあるのを知らない人には a2-a4 のような手はなかなか思いつかないでしょう。よほど才能のある人ではないかぎりこの手の感覚は実戦を繰り返して自力で習得するのは相当効率が悪く、GMのゲーム(解説付きだとベター)を並べて様々な局面での対処法を見て覚えるのが一番効率の良い学習法だろうと考えています。


(2) Vision とは実際の駒を動かさずに頭の中で駒を動かしたり局面を把握する能力のことです。Vision の最も高度な形態が目隠しチェスであり、そこまで出来なくとも棋譜を読みながら局面を頭の中で追えるのならば十分です。この能力は、若いうちに習得しないと出来ない人には一生出来なさそうです。もともと将棋が強くチェスを後から始めた人が「目隠し将棋ならできるけど目隠しチェスは出来ない」というのを聞いた時からそう確信しています。そして、私にはこの能力が致命的なほど欠けています。そもそも盤を脳内で描けません。仕方ないので肉眼で見えている情報に頼るしかなく、そのせいでいろいろな勘違いや思い込みをしてしまいます。例えば、上の図のような局面で 1.hxg6 をした直後の g6 のポーンの色が黒だと勘違いすることがありますし、1...Bxe5 2.dxe5 のような交換が起きた後、黒の d5 のポーンが前進出来ることを見落としたりすることがあります。これは当然レーティング向上の足かせになっています。長いコンビネーションだと精度が低くなりますし、自分の読みに自信を持てないのでリスキーな手が指せません。

(3)~(4)の解説は不要でしょう。

自分に足りないものが何であるか分かっているのだから、自分の日課にそれらを強化できるようなメニューを組み込みことにしました。

棋譜並べに関しては『いちばん学べる名局集』に載っているゲームを1日1ゲーム並べています。日課に加えてから1ヶ月ちょっと続いていますが、実はあまり学べていません。とりあえず並べているというだけで理解していないからでしょう。なので、一度読み終えたら、同じ本を今度は勝因を理解し棋譜を丸暗記するか似たような別の本を読むかのどちらかをするつもりです。

Vision に関してはショッキングなことが判明しました。以前は 4x4 マスの単色の盤くらいならかろうじて頭の中で描けたと思うのですが今は 3x3 マスですら描けません。正直に書くと、このことでチェスに対するモチベーションがかなり下がりました。これは出来るのと出来ないのではかなり棋力に差の出るスキルです。それなのに、トレーニングする方法すら今は思いつきません。これが出来る人はわざわざトレーニングしたのではなくてごく自然に出来るようになっているようですし。

実戦経験を補うためには Chess.com で5分+5秒/1手のブリッツを1日1ゲームやっています。やった後はそのサイトにある解析機能を使って軽くおさらいをしています。

これで本気を出しているかと言えば、まだ出していません。ウォーキングやスペイン語の勉強により多くの時間を割いていますから。でも、少なくとも以前よりは力を入れていることはたしかです。とりあえず、しばらくはこれで様子見します。

ちなみに『俺はまだ本気出してないだけ』は邦画のタイトルです。私はコメディというジャンルが好きではないので観ていませんがタイトルだけはポジティブで好きです。

2016年12月10日

小島君のレクチャー: Capablanca


小島君レベルだと当たり前なのかもしれませんが「この当時(Capablancaは約100年前のプレーヤー)はこう指されていましたが、現代ではこう指します」みたいなオープニングの変遷を聞くとチェスが今でも進歩しているのを感じます。私は Colle の本を何冊か持っていて、本によっては「昔の本で紹介されていたこのラインに対して黒はこう対処できる上に、その対処法も広く知られてきたので、この本では別のラインを紹介します」みたいな前置きがあったりしますが、そんな新しい知識を持った相手と対局する機会は私にはほとんどありません。だから、私はあまりオープニングの最新知識を追いかけようとは思いません。しかし、IM以上ともなると話は違うようで、ほんの僅かでも優位になるような手を研究しているのが感じられました。

ここ数年タクティクスの問題を1日に10問解くようにしていますが、その程度では全然レーティングは上がらないし、逆に下がっているくらいです。そのため、最近テコ入れをすることにしました。twitter で私をフォローしている方はご存知でしょうが、最近私は『いちばん学べる名局集』に載っているゲームを1日に1つ並べるようにしています(それ以外に 5|5 のブリッツを1局指すようにしています)。ただし、本は質問に答えてくれませんし、move by move 系の本ではないのですべての手に解説があるわけではないので疑問があってもそのまま読み進めるしかありません。その点、やはりレクチャーは分かり易いと今日あらためて実感しました。

2016年11月20日

Japan Open 2日目

4ラウンド目。白。昨日は絶不調でアップセットを2回も喰らったO君。Queen's Indian。

私が 30.Qc1-d1 を指したところです。Qd1-h5 のクイーン交換をちらつかせました。それを嫌った黒が間違えます。30...g4?。f4のマスがナイトに使いやすくなりました。31.Ne2 Qg5 32.Nf4 Ref6

ここで黒からドローオファー。e6のポーンは取れますが、残り時間が少なくて勝てる自信がなかったし、レーティング差が約500もあるので満足です。ドロー受諾。彼の不調は本物のようです。
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5ラウンド目。黒。Fさん。Scandinavian。

ここからタクティクスが飛び出します。23.Nxd5。このナイトを取ると 24.Qe3+ でh6のルークが落ちます。危ない、危ない。


プローモーション・レースのようになりましたが、残り時間1~2分だったのでまともに考えられません。本譜は 48...Kb7 でaポーンもcポーンも止めらる最適な手のつもりで指していましたが、Fritz先生によるとそれは悪手(なんと評価が -4.84 から 4.30 に反転)で正解は 48...f2。なるほど、たしかに。


結局双方プローモーション。しかし、死にそうなのは明らかに私方。それなのに白の方からドローオファー。白からのチェックが途切れた途端にこっちから ...Qb1+ とチェックを始められるのが嫌だったそうです。ありがたや、ありがたや。Fritz は上の局面から9手メイトがあることを示していますが、まあ、我々は人間ですからすべては読めません。
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6ラウンド目。白。初対局のCさん。Anti-Colle。

9手目で mate threat。黒は当然 9...Kf7。このラインに入ると相手が格上でも勝てることがあります。


しかし、残念ながら実力差は出てしまいます。...Nxc3 には Qxc3 で取り返したかったため、27.Qd4 と指しましたが、これが形成が逆転してしまうブランダー。27...Rf4 28.Qxa7 Ra4(下の図)が激痛。正着は 27.Qe1 だったようです。

ここから一気にボコボコにされます。負け。
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結果、1勝3敗2分。これだけ見ると悪いですが、負けたゲームは相手のレーティングが300以上も上だし、ドローのゲームは相手の方が250と500も上だったのでレーティングはプラスになると思われます。この大会はレーティングが近い人に一人も当たりませんでした。

2016年11月19日

Japan Open 1日目

1ラウンド目。黒。N君。Semi-Slav。

直前の 13..Nd7-b6 が悪手で、上の 14.Ne5 を許してしまいました。14...Bxc3 も 14...Nxc4 も自クイーンの逃げ場がなくなるので出来ません。f7 への圧力が厳しく、せめてルークを連結させようとし、14...Be6 15.Bxe6 fxe6 16.Qxe6+


何を勘違いしたのか上の局面で 23...cxb4?。自ら exchange down になる方を選択。他にもおかしな手が幾つもありました。負け。
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2ラウンド目。白。Kさん。Pircもどき。

序盤は手順をよく考えなかったせいで e2-e3 e3-e4 と2手かけてしまい、少し自己嫌悪。

予想していたのは 17...c5 でナイトの逃げ道を作る手でしたが 本譜は 17...Nexg418.hxg4 でピースアップですが、この後 無駄にポーンを献上しました。

さらに、29.Rf1? Qg5+ がチェックなのを見落としてビショップを返してしまいます。局面はともかくマテリアルだけ見ると2ポーンダウン。

上のような Mate threat を作り、相手のクイーンとこちらのルークとナイトを交換。結果的には勝てましたが、レーティング差が500もあったとはとても思えない恥ずかしいゲームでした。
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3ラウンド目。黒。Eさん。Semi-Slav。

こんなあからさまな mate threat が格上相手に決まるはずがありませんが、黒でこういうポジションに出来ただけでも自分ではかなりハッピーだったりします。その後、passive な手を指してしまったせいで initiative を失いました。


ここが唯一のチャンスらしいチャンスだったようです。22...Bxe4 23.Bxe4 Nxa2 で良かったそうです。途中まで白マスのビショップを大切にしてたのでこういう局面で頭の切り替えが出来ませんでした。本譜はナイトの動きを牽制するつもりだった 22...Qb7 が実は見掛け倒しで 23.Nf6+ Kh8 24.Be4

24...Nd5 25.Nxh7

負け。
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2ラウンド目が終わった頃から脳の疲れを感じました。帰宅後も眠くてしかたありません。普段使っていない脳の領域を使っているのを感じます。

2016年11月12日

小島君のレクチャー:Carlsen と Karjakin


今日は世界選手権での争いが始まったばかりの Magnus Carlsen と Sergey Karjakin のゲームがそれぞれ2ゲームずつ取り上げられました。

Carlsen は この Boris Gelfand とのゲーム の中で g2 のビショップが活かせるようにダイアゴナルを開けるための工夫を見せてくれます。

15.g4!。狙いは e4 のナイトを取る際に、ビショップで取り返せないようにすること。

また、帰宅後 このゲーム の続きを見たのですが、他にも目を疑うような手を指していました。

26.Nc2 を指したところです。タダに見えますし、26...Nxc2 27.Bd5+ はたしかに痛そうですが、致命的には見えません。でも、Gelfand は取らなかったのできっと取るのは悪い手なのでしょう。

一方 Karjakin は この Alexandra Kosteniuk とのゲーム でタクティクスの強さを見せてくれます。

30.Qxa6 Rxc1+? 31.Rxc1 Rxa6? って「?」が2回も付いてますが、

32.Rc8+ Qe8 33.Rxe8+ Kf7 34.Ra8

Kosteniuk が見落としたのは白の最後の手のようです。

世界チャンピオンを争う二人なのに、Carlsen が勝つであろうと予想されているようです。有名なGMがたくさんいるのに一人だけ抜きん出て強いというのは結構不思議です。私はレーティング1800以上の10代や20代にまったく勝てませんし、その彼らは小島君には敵わず、小島君も有名GMには勝てないという食物連鎖のようになっています。しかし、GMは皆 幼い頃からやっていて、知識の量も読みの深さも速さも一流なのに Carlsen だけ何がそんなに違うのでしょう?エンドゲームが強いとはよく言われていますが、序盤と中盤を切り抜けないとエンドゲームにはたどりつけないので、決してそれだけではないはずです。天才とはそういうものなのでしょうか。
ちなみに、今日レクチャーに参加していたE君は上記の Karjakin のゲームの 30.Qxa6 を読めるくらいなので、明らかにレベルが上がっています。彼には去年はぎりぎり勝っていて、今年の5月はドローでしたが、次回当たったら負けると確信しました。私がチェスを始めた10年前はJCAの大会に参加する小中学生にそんなに強い子供はいなかったと記憶していますが、最近はもう高校生でも鬼のように強い気がします。

2016年10月22日

小島君のレクチャー:マン島のトーナメントより


今回はマン島の大会より3つのゲームが紹介されました。

最初は Vidit Santosh Gujrathi - Pavel Eljanov のゲーム より。ルークのエンドゲームの基本的事項を多くカバーしている良いゲームでした。ルークはパスポーンの後ろにいた方がいいとか、ドローにしたい方は Philidor Position を目指すべくポーンの交換を優先した方がいいとか、そして以下のようにパスポーンが幾つかある場合は相手キングから遠い方を進めて時間を稼ぐとか。


そして、Maxim Rodshtein - Jorden van Foreest は以下のポジションから解説が始まりました。

特に何もなさそうなポジションに見えるのですが、白が少しずつポジションを改善していくありさまが見事でした。

aファイルとcファイルに存在感を主張し(↑)、

gファイルも使えるようにした後、24.Rc7 で横の利きのプレッシャーも作り、

26. Rac1 でもう片方のルークもプレシャーを継続させながら参戦。

最後は上のようなメイトthreatを作って終了。派手なtacticsがあったわけでもなく、マテリアル的には互角ですが、ピースのポジションの良さを活かして勝ち切ってます。このゲームで見せてもらった何かを自分のゲームに応用したいです。

2016年10月10日

東京オープン3日目

5ラウンド目。黒。S君。Scandinavian。


中盤はこんな感じ(上の図)。クイーンサイドにキャスリングするのは怖いし、キングサイドのルークはhファイルから出るのが速そうなので、私のキングは動かず。18.Ne2 Bxf3 19.Nxf4 Qxf4 20.Rxf3 (下の図)とマイナーピースを二組交換した後、20...Qxd4 でポーン得。ここは読めてました。



8/3k1pp1/1p2p3/2p1n2P/4BPP1/6K1/8/8 b - f3 0 47
黒番(上の図)。Connected passed pawns があるので勝ったつもりでいましたが、ここはもっとよく考えるべきでした。47...Nc6? 48.g5

ここでようやく自分のミスに気付きます。47...Nc4 にすべきだったと超 後悔。このままだとhポーンのプロモーションを止められない ... 48...Nd4 49.h6 gxh6 50.gxh6 Nf5+
51.Bxf5 exf5 52.h7

これはもう無理ですね。ダメ元でステールメイト狙ってみましたがやっぱり駄目でした。負け。

なお、帰宅後 Fritz に解析をさせたら、47...Nc6 の時点ではまだ大丈夫で、次の 48...Nd4 の方がよっぽど悪かったようです。48...Ne7 49.h6 gxh6 50.gxh6 としていれば、50...f7-f5 でビショップの利きを遮ることができていました。持ち時間が少なかったのならばともかく30分くらいは残っていたので何の言い訳も出来ません。
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6ラウンド目。白。Tさん。Dutch。

この時点では負けそうで困っていました。特に黒がbポーンを突いてポーンを消した後、開いたファイルにヘビー・ピースを重ねられたら死にそうな気がしていました。それに比べると白にはそんな明快な攻撃プランはありません。22.Ne2 はd5のポーンを守らせる時間稼ぎのつもり。しかし、黒は 22...b4 で少し攻め急ぎました。23.Rxd5で少しプレッシャーが和らぎました。


その後、クイーンを取れたのですが意外に楽ではありません。ルークによるパペには気をつけていたつもりなのにミスました。36.Qd4? Bxe6

もしこのビショップを取ったら、ルーク・チェックによるパペを喰らいます。37.c4 でクイーンがb2の地点を守れるので安心。ルークが逃げたらビショップを取れます。

勝ち。
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結果、2勝4敗。

今回より大会結果が Chess-Results.com に載るようになりました。函館チェスクラブは以前から載せていましたが、JCAはこれが初。ちょっとした進歩です。

2016年10月9日

東京オープン2日目

3ラウンド目。白。0君。King's Indian 系。

レーティング差が400もあるので自分の方が良いポジションになっただけでも奇跡的。

この時点の Fritz の評価は 1.49。最善の流れは 19.Na7 Ra8 20.dxc5 だったようですが、20.dxc5 はちょっと思いつきません。本譜は 19.Be2 cxd4 20.Nxd4 Bf7

21.Bd3? e5

頭の中は「やっちまった」感で一杯。さすがにピースダウンだとジリ貧です。負け。
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4ラウンド目。黒。Y君。前回当たったのはもう8年も前です。Semi-Slav。


白に ...Bb6 とされたらクイーンが落ちます。本譜は 19...Neg4 で、...Qxf5 や ...Bxf5 を threat にしたつもりでした。検討戦では 19...Nxc4 を思いつきました。実践的にはその方が良かったようですが、どうして試合中にそういう手を見つけられないのでしょう。
20. c5 Be6 21. Bxg4 Nxg4 22. Nxg7

あらら。このポーン損から段々悪くなっていきます。


白の直前の手は 33.Bb2-e5。34.Bd6 をされたら困ると思って 33...Bc7 で防御したつもりだったのですが、白はお構いなしに 34.Bd6!。なるほど、これが強い人の手ですね。参りました。 負け。
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2016年10月8日

東京オープン1日目

1ラウンド目。白。初対局のHさん。Pirc。


本当は 7.Bh6 としたいところですが、7...Bxh6 8.Qxh6 b4 とbポーンを突かれるのが嫌だったので、先に 7.e5。7.Bd3 もしくは、やりたかった 7.Bh6 の方が良かったようです。

今回は90分と持ち時間がやや長めで嬉しく、たっぷり考えているつもりなのにひどい読み抜けがたくさんありました。例えば、以下の局面。

なぜか 17...Nbd5 しか読んでおらず、17...Nc4 を見てびっくり。しかし、指されてみれば当然の手。

そのような小さなミスを繰り返した上に黒マスのビショップが何の役にも立っていない。そして、最後の方は残り時間が1分を切ってしまいパニック。

残り時間が6秒となり、37.f3。イリーガルでした。TDを呼んでまで続行する価値はないので、そのままリザインしました。
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2ラウンド目。黒。夏にチェスを始めたばかりのお嬢さんでした。Queen's Pawn Game。

経験が浅いはずなのに、目的を定めてそれを実現するための手段を考えているところは感心しました。例えば、以下の 6.Nh4

白マスのビショップを Bd3 としたいのですが、私の f5 のビショップがそれを阻害しているので、邪魔者を消すための 6.Nh4 でした。


また、上の 9.e4 は、e4-e5 でピンされたナイトを狙っています。9...dxe4 10.Nxe4 Qa5+ で企みは不発に終わりましたが、目の付け所は良いと思います。

しかし、まだ相手の狙っていることまでは考慮できないようです。私の最後の手は g5 にいるビショップを狙っていました。そのことに気付き、11.Qd2 か 11.Bd2 としていれば何事もありませんでしたが、11.c3 と守ってしまったために白は 11...Nxe4 12. Bxe4 Qxg5 とビショップを失いました。

今はまだ弱いですが、強くなる素質を持っている女の子でした。
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明日のペアリングは ... このブログを書いている間に変更となったようです。