2015年4月25日
小島君のレクチャー:ナイトのマヌーバリング
今日のレクチャーのテーマはナイトのマヌーバリングでした。受講前の想像では、closed なポジションにおいてナイトが縦横無尽に盤上を駆け巡るというものでしたが、それよりももう少し役に立ちそうな内容でした。ポイントは「ナイトの行く場所がないなら、自分で作る」です。
上のポジションは黒番です。a7 のポーンが狙われていますし、ナイトは c7 にいては役に立ちません。そこでまず 1...c5 ですが、それは単に a7 のポーンを守るためだけではなくて、...Na6-b8-c6 とナイトを動かすための準備でした。つまり、ナイトが働ける場所は c6(そこから白の e5 のポーンにプレッシャーをかける)と気付けることが大事で、且つ、それが一番難しいところでしょう。もしそのことに気付けたら、手順自体はそんなに難しくありません。
黒番です。これもピースがどこにいれば一番理想的かを考える必要があり、その目的を到達できるような手順を逆算しながら考えていきます。ナイトにとって b3 はアウトポスト(ポーンに追い返されることはない)なので理想的 → b3 に行くには a5 を通る必要があるので自分のポーンを突きたい → そのためには白の a4 のルークにどいてもらう必要がある → そのためには b6 にナイトを持ってきて攻撃すればいい → b6 に行くためには c7 のナイトを a8 を経由させればいい → ということで 1...Na8。説明されれば納得しますが、いざ自分がプランを立ててもそんな「風が吹けば桶屋が儲かる」的に物事がうまく進むことはまずないでしょうけれども、発想法としては非常に参考になりました。
2015年4月5日
GM Emil Sutovsky のイベント
レクチャーについては書き始めたら長くなってきたので、レポートという形でちゃんと(?)書くことにしました。また、レクチャー以外にも個人的に聞きたかったこと(Association of Chess Professionals って何しているの?)があったのでそれもレポートの方に載せるつもりです。今晩は同時対局の私のゲームについてだけさらっと触れておきます。
私の見える範囲ではすべて 1.e4 でした。私は当然 Scandinavian です。
GM Hikaru Nakamura の時はかなり早い段階でわき道に入られて迷子にされた感がありましたが、Emil はメインラインまっしぐらでした(上の図)。途中まではそんなに悪くありませんでしたが、同時対局では目の前にGMが来たら指すことになっているので、考えがまとまっていなくてとにかく指します。その結果、動かしたピースを次の手で元に戻すということが2回もあり、その間に白のポジションは改善されていきます。
パスポーンが出来ただけならまだしも、この 31.Re1 を見て負けを悟りました。次に 32.Re8 と来るのは明らかです。この2手後にリザイン。なお、隣のボードではGMにしかできないであろうビショップ・サクリ(取れない?)やチェックを喰らうルーク・サクリというド派手な展開だったのでかなり気になってしょうがありませんでした。自分も、どうせ負けるなら、そういうGM級のコンビネーションを喰らいたかったです。
私の見える範囲ではすべて 1.e4 でした。私は当然 Scandinavian です。
GM Hikaru Nakamura の時はかなり早い段階でわき道に入られて迷子にされた感がありましたが、Emil はメインラインまっしぐらでした(上の図)。途中まではそんなに悪くありませんでしたが、同時対局では目の前にGMが来たら指すことになっているので、考えがまとまっていなくてとにかく指します。その結果、動かしたピースを次の手で元に戻すということが2回もあり、その間に白のポジションは改善されていきます。
パスポーンが出来ただけならまだしも、この 31.Re1 を見て負けを悟りました。次に 32.Re8 と来るのは明らかです。この2手後にリザイン。なお、隣のボードではGMにしかできないであろうビショップ・サクリ(取れない?)やチェックを喰らうルーク・サクリというド派手な展開だったのでかなり気になってしょうがありませんでした。自分も、どうせ負けるなら、そういうGM級のコンビネーションを喰らいたかったです。
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