今日のレクチャーのテーマはナイトのマヌーバリングでした。受講前の想像では、closed なポジションにおいてナイトが縦横無尽に盤上を駆け巡るというものでしたが、それよりももう少し役に立ちそうな内容でした。ポイントは「ナイトの行く場所がないなら、自分で作る」です。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjTvIMB05kBJt85mS-_9XxZAUfOiin7IZ4eQ5Dbnv11tLMN715WvTll1DJj5CWcX8wxzO_pHpNyFy7lTgGWKz2GkUY2FpvE-4s34pw6kObxuGMnT1TBdQfHQ9PCuG5FiRIdkX_pouaqrIjB/s320/20150425a.png)
上のポジションは黒番です。a7 のポーンが狙われていますし、ナイトは c7 にいては役に立ちません。そこでまず 1...c5 ですが、それは単に a7 のポーンを守るためだけではなくて、...Na6-b8-c6 とナイトを動かすための準備でした。つまり、ナイトが働ける場所は c6(そこから白の e5 のポーンにプレッシャーをかける)と気付けることが大事で、且つ、それが一番難しいところでしょう。もしそのことに気付けたら、手順自体はそんなに難しくありません。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhmDuvecQjfi88FNrLXvgh0CenxlLIlps8zUgjUihc0bq6rWlbtol0kcOn45Mq6MuXaRwNcuNZpQomoC-gYksHI06x5KmSiFLgbg-bPhP8z0ZALo4W5B0epU-h-YS59E6xIl7_qWdbInKS3/s320/20150425b.png)
黒番です。これもピースがどこにいれば一番理想的かを考える必要があり、その目的を到達できるような手順を逆算しながら考えていきます。ナイトにとって b3 はアウトポスト(ポーンに追い返されることはない)なので理想的 → b3 に行くには a5 を通る必要があるので自分のポーンを突きたい → そのためには白の a4 のルークにどいてもらう必要がある → そのためには b6 にナイトを持ってきて攻撃すればいい → b6 に行くためには c7 のナイトを a8 を経由させればいい → ということで 1...Na8。説明されれば納得しますが、いざ自分がプランを立ててもそんな「風が吹けば桶屋が儲かる」的に物事がうまく進むことはまずないでしょうけれども、発想法としては非常に参考になりました。