2019年3月10日

世田谷チェスリーグ1日目


2年前だったら考えられなかったようなFIDEレート戦です。ご存知ない方のために説明しておくとチェスの強さを示すレーティングには国内レーティングと国際的なレーティングがあり、FIDEと呼ばれているものは後者。昨年まではFIDEレートを採用する大会は2つしかなく、そのうちの1つ(全国大会)は予選を勝ち抜かないと参加できないので実質年1回でした。しかし、昨年 FIDEアービターの資格が取れる研修が日本で開催され、また、今年に入ってから日本を代表するチェスの組織がJCAからNCSJにバトンタッチされた結果FIDE戦が増えました。NCSJが直営する大会以外に今回の世田谷チェスリーグのようにFIDEアービターの資格を持った人が大会を開催してくれたからです。つまり、年1~2回しか参加できなかったFIDEレート戦が年数回に増えたのです。これは迷わず参加するでしょう!しかし、世田谷チェスリーグの定員の20人はあっという間にあるかと思いきやそうでもありませんでした。

参加者は事前に公表されているので分かっていましたが、一番レーティングが高い人でも1900以下、そして、私のレーティングがほぼ中央値。最近のJCAの大会はレーティングが2000オーバーの強者の集まりで、私は弱者でしたので、この世田谷チェスリーグは丁度良い感じがします。また、JCAの大会よりも知らない人の割合が多目です。

1ラウンド目。白。初対局のTさん。Colle。

チェスを始めてまだ1年だそうです。

8...Nxe5?。私も初心者の時もこのミスをやりました。10年以上経った今でも覚えています。できれば自分のビショップを残しておきたいのでナイトで取るのですが、

この 9.dxe5 のポーンフォークを喰らいます。昔の私はこのミスでビショップの遠くからの利きの威力を学びました。


15...b6?(上の図)。自分は大して強くないつもりでいますが 16.Qd5+ でa8のルークが落ちることは気付けますし、初心者は気付かなかったということはやはり自分も10年前に比べたら強くなっているのでしょう。

勝ち。
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2ラウンド目。黒。Hさん。QGD。


11.cxd5? Bxc3 12.Bxc3 e4
白のミスのおかげでポーンフォークが入りました。これでピースアップできます。


ここは悩みました。当然f6のナイトは動けません。しかし、21...Bxf3 22.exf6 Bxd1 23.Rxd1 と進んだ場合の損得勘定が私にはとても難しく、自分が損すると判断。困った挙句に指した手は 21...Bf5。しかし、21...Bxf3 がベストでした。ここが考えどころだと分かっていて必死に読もうとしているのにちゃんと読めていないのは悲しいです ...


白はピースダウンしているとは言え、格上です。こういう罠みたいな手(30.Rd8)を指してきます。数年前の私だったら対処方法が分からずにパニックしていたかもしれません。が、今回は指してくることを予想できていた上に 30...Rc8 とすぐに正しく対処できました。こうやって自分が何かを学んでいることを感じられるのは嬉しいです。


当然ですが、白はなかなかクイーンの交換には応じてくれません。なので、プランを変更しました。クイーンサイドのポーンを落とし、Qxg2+ による強制クイーン交換(Qxg2 ...Bxg2 Kxg2)の後にビショップまで返しても勝つために十分なポーンを確保しました。ここで白リザイン。

簡単に勝たせてもらえなかったので、勝利を勝ち取った感がありました。
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1ラウンド目と2ラウンド目の間が長かったので若いプレーヤーのオープニングの解説を聞いていたのですが、詳しくて驚かされました。いろんなオープニングの解説をしているのですが「Kramnikがこの手を研究して見つけた」云々、私なんて自分の使うオープニングですらそんな風にすらすらと説明できないのでどうやったらそんな風になれるのか不思議です。私と比べたらきっと記憶力も理解力もすごく良いのでしょうね ...

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