2009年9月11日

苦手な概念

チェスの玉手箱に載っている「理詰めのチェス」の第2章は「クイーンポーン布局」。第17局も第18局も c5 の地点を争うのですが、その理由が分かりません。シシリアンで黒が ...d5 としたい理由が分からないのと同じでしょう。そのポーン突きの成否がほとんどいつも勝敗に直結するほどの明らかな優位性をもたらすわけではないのも理解しにくい一因です。また、私にはその状況に基づいたプランが思いつかないというのもあります。ピースアップしているならピース交換を進めるというプランが立てられるし、相手に孤立ポーンがあるならそのポーンに畳み掛けるというプランが立てられますが、仮に ...c5 や ...d5 を成功させたり阻止できたりしたとしても次に何をすればいいのか分かりません。どちらかと言えば、黒のピースの自由度が増して白と互角になる、という抽象的なものなのかもしれませんが。

4 コメント:

enju さんのコメント...

ポーンブレイクの話は僕にも難しいのですが、僕のブログのhttp://enju.jugem.cc/?eid=299に書いてあります。

黒からポーンブレイクがない場合には白は何も考えずに自分のピースを良い位置に配置します。一方、黒も同様にピースを配置していくとスペースが狭い分、ピースの配置が白よりも確実に悪くなります。なので、黒はピースの展開が完全に終わる前にポーンブレイクを目指します。

ポーン構造を変えることで、理想的なピース配置が変わることも多いので、白がこれに対応しなければいけないことにもなります。

と、いろいろ偉そうに書いてきましたが、kawanakaさんも最後に「黒のピースの自由度が増して白と互角になる」と書いてますね。ほとんど同じだと思います。

付け加えておくと、イコーライズされてからの白の戦い方は難しく、実質的には黒優勢になることが多いですね。

kawanaka さんのコメント...

ありがとうございました!今までの私の知識に比べたら、より具体的で分かりやすいです。

みとじん さんのコメント...

率直に言ってあまり考えたことはなく、ただ「黒からc5と突けるかどうかがポイント」、そういうもんだと思ってます(^^;) それはさておき・・・

おおまかに言って、1.e4系が駒捨て等、具体的な手順を積み重ねる(それだけに手順を暗記する必要がある)定跡であるのに対し、1.d4系は戦略上の拠点制圧の可否をめぐる定跡なので、いささか抽象的です。「圧力をかける」がその典型で、すぐにどうということはないけれど、そこから先、かなりの確率で「何かが起こる」。

ご指摘の第17局と第18局、いずれも黒c6のポーンが白の攻撃目標となっています。もしもc5と突けていれば、次にcxd4, exd4と交換して消しつつ、白に離れポーン(d4)を作る。この白ポーンはもう自分のポーンで守れない(cもeも消えている)ので、この先、エンディングに入ればd4ポーンを取れるかも、という具体的な見通しが黒に生まれます。

逆にc7乃至c6にとどまれば、白がそれに圧力をかけ続けると、何かが起きる。

ちなみに、白はナイトをf3からe5に跳ねるのが、やはりこの形でのポイントです。理由の一つは、Ne5がc6のポーンに当たること。ですから、実戦の中盤の駒組みで、考えてもよく分からなければ「とりあえず、Ne5と跳んでおく」のを私はモットーとしています(^^;)

kawanaka さんのコメント...

コメントありがとうございます。

新入社員や派遣社員であれば愚直に実行するしかないようなタスクでも、中堅社員以上になったらそのタスクの意義を理解し、どういう状況であれば自分の判断でそのタスクを放棄してよいのかも分るようになるのと似ているかもしれません。

最初は言われるがままに ...c5 の攻防を行なっているだけでも、数をこなしていればいずれその理由(意義)が自ずと見えてくる ...と期待したいです。取りあげられていたゲームでは「そこまでやるか?」と驚くほど白は執拗に ...c5 を止めにかかっていましたが、それは単に私が知らないだけで、長いチェスの歴史の中で白が ...c5 を許して失敗したゲームが数え切れないくらいあり、その教訓として ...c5 を止めるようになったのだと想像します。黒が ...c5 に成功し、それが黒の勝利に直結していることが明らかなゲームを幾つも目にすれば、私でも ...c5 の大切さが分るようになるかもしれません。

過去にQGDで ...c5 や ...e5 を狙ったことはありますが、それはそれが最適なプランだという確証があったわけではなく、単に「他にやることが思い付かないから」とか「レーティングの高い人がそう指していたから」という消極的な理由でした。今後はブレイク後の明るい未来に期待しながら、ブレイクを狙いに行きます。

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